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米料理「豚キムチの炊き込みご飯」と入学準備



その日、愛満達や臨時で助っ人に来てくれた。『風呂屋・松乃』の接客担当の兎族の者達と一緒に朝倉学園の1階にある一室で忙しそうに動き回り。


新入生に無料で配る予定の真新しい愛満特製の魔法が織り込まれた。手作り制服やピカピカのランドセル、筆記具等の愛満の(チート)をフルに使って揃えた品々を指定の場所へと並べ。

隣の部屋で行われている。保護者や新入生達への説明会終わりの参加者達を待っていた。


「いいですか、皆さん。

説明会終わりに一気に保護者の皆さんや新入生達がこの部屋へと流れ込んで来ると予想されますので、怪我等をしないように十分気をつけながら接客頑張って下さいね。

それから制服には着用する子に合わせて自由自在に長年愛用できるよう。伸び縮みする魔法がかかっていますが、一応多目にいろんなサイズの制服や色のランドセル等を準備しております。

ですが足りなくなる恐れもあるかも知れませんので、その際は焦らず騒がず。

直ぐに僕か愛之助に声をかけていただけたら、ちゃんと準備できますので安心して接客にあたって下さい。

それでは大変かと思いますが、今日は宜しくお願いします。」


愛満と愛之助の2人が頭を下げ。今回愛満達の手伝いをしてくれる兎族の皆にお願いする。


すると話を真剣に聞いてくれていた兎族の皆が口々に心強い返事や声をかけてくれ。

そんな兎族の皆から心強い言葉を聞き。元気が出た愛満達は、最後の最終確認を入念にしながら、保護者や子供達がやって来るのを待っていると、無事説明会が終わり。

学園関係者になるリーフやタイタン、アリー達3人に案内された保護者や子供達が部屋に流れ込んで来るのであった。



◇◇◇◇◇



そうして(あらかじ)め、リーフ達から生徒達の名簿を含め。

コプリ族に頼み。体のサイズを測ってもらっていた愛満は、その生徒にあったサイズの(いろいろ凄い魔法のかかった)制服を一人一人に手渡しつつ。

準備した試着室で念のために試着してもらい。

動きづらくないか、大きすぎたり、小さすぎたりしていないか等を保護者の人に確認してもらいながら一人一人に合った制服を受け渡ししていた所。

入学説明会を含め。準備会のお手伝いをしてくれていた妖精・フェアリー族のアリーが近づいて来て


「あっ!愛満見っけ!

あのね、あの制服本当に凄いね~~~!

何か、かなり高度な魔法がこれでもかといろいろかかってね!

僕が解るだけで、汚れや臭いを瞬時になくすクリーン魔法でしょう。それに型崩れや着用ダメージ等を無くす劣化防止の魔法。

着る者の体型に合わせて伸び縮みする伸縮性の魔法。

着る者をあらゆる災難から守り、健やかに成長する願いが込められた守りの魔法等々。

まるで1種の盾や鎧変わりと言っても良いほどの高度な魔法が組み込まれているんだもん!

しかもあのデザインでしょう!!!

僕、長年王都に住んでいたけど、あんなにカッコ良くて、実用性に優れた制服見たことないよ。

それにあのデザインなら学園を卒業しても、下手な事しない限りは魔法の効果が永久的に切れないはずだから長年愛用できると思うし。下手したら子孫にまで残せる代物だね!」


何やら興奮した様子でマシンガントークで話し始め。


「あんな素晴らしい代物(制服)なら冒険者にでもなったおりには、下手な鎧や盾より十分過ぎるほど通用するし。仲間にだって自慢できちゃうよ!

………………………でね、愛満。悪いとは思ったんだけど………ここは職権濫用して愛之助に無理を言ってね。1着、僕用に紛れさせてもらって作ってもらったんだ。……………ゴメンね。

だから後で愛之助の事を怒らないであげてね。悪いのは僕なんだから………………本当にごめんなさい。そして僕の制服作ってくれてありがとう。」


愛満が作った朝倉学園の制服をべた褒めしたアリーが最後はすまなそうに謝り。愛満へと頭を下げる。


「ううん、気にしなくて大丈夫だよ、アリーさん。

それよりアリーさん用の制服、サイズの方なんかは大丈夫ですか?一応、アリーさんが紺色が好きだと聞いたから紺色の布で作ってみたんだけど。

それから生徒達と全く同じ制服だとアレかと思って、少し襟元を変えたりしたりして、アリーさん用の制服と言うか、仕事着にアレンジしてあるんだけど、良かったですか?」


隠し事や嘘の付けない正直者の愛之助から、ちゃーんとアリーとのやりとりを聞いていた愛満は、アリーの謝罪を受けとりながらアリー使用の(制服)の不備がないか等を逆に聞く。


「うん!それは全然問題なかったよ。

逆に見た目も僕好みになってて、着心地も最高だし!

体に気持ち良いぐらいにフィットしてて、他の服を着る時にこれから違和感を覚えないかと今から不安になる位だよ!」


嬉しそうに自身が先程貰えたばかりのアリー使用の(制服)が入った箱をいとおしそうに撫でながらアリーが答える。


「そうですか、なら良かった。それにありがとうございます。そんなに制服気に入ってもらえて嬉しいです。

実は子供達が、これから着る事になる制服のデザイン。

僕の故郷の制服のポピュラーなデザインになってて、男子が詰襟の黒の学ランに、女子がセーラ服になってるんです。」


「へぇ~~!愛満の故郷の制服の形になるの!?」


「えぇ。ですが朝倉学園では男子の学ランは普段は少し動きづらいかも知れないので、行事以外の着用は校則で本人の自由に撰んでもらい。

普段は中に着用しているスクールシャツだけとか、付属で渡している薄手と厚手の2タイプになるカーディガン、Ⅴネックベスト、Ⅴネックセーター等と、その季節にあった着用を選らんでもらう事になるんです。」


「ほぉ~~ぉ!!制服1つにそこまで考えてくれたの!?ビックリだよ!」


愛満が何気無く話す制服の説明にアリーが驚くなか。

愛満は嬉しそうに微笑み。自身の故郷のアイデアを大幅に取り入れた学園制服の説明を誇らしそうに続け。


「それから女子の方のセーラ服は2シーズンごとに衣替えする事になっててですね。

春夏用が汗を発散し、見た目などからも涼しさを感じられ。肌触りや風通しの良い特殊な布を使用し。半袖タイプのセーラ服になってるんです。

他にも色合いが白を基調にして、差し色に水色を使った涼しげな色合いのデザインになってるんですよ。」


女子用の春夏用の制服の簡単な説明をし出すと止まらない様子で続けて


「それに秋冬用には、少し厚地の生地に汗をかいたら温かくなる特殊な布を使用し、長袖タイプのセーラ服になり。

色合いを紺を基調にして、差し色に白を使った気品を感じられるデザインに仕上げたんですよ。

他にも女の子だから体を冷やさないようにと考え。

自分で体温調節できるように男子と同じ付属品で、薄手や厚手のカーディガンやベストをそれぞれ渡しているので、寒がりな子でも大丈夫とは思うのですが

………………………う~ん、家の姉ちゃんみたいに冬になると厚手の靴下三枚重ねするほどの極度な寒がりな子は居ないと思うから大丈夫だと思うんだけど…………う~~~ん、やっぱりまだまだ少し心配だなぁ~、」


女子用の制服の説明を終え。ふっと自身の姉の事を思い出し。

寒さ対策の面で大丈夫かと悩む愛満であったが、突然悩み始めた愛満を不思議そうに見詰めるアリーの顔を見た愛満は気を取り直し、更に話を続け。


「あっ、すいません。

後はですね。運動用の体操服も男女兼用で、春夏用の上が汗をかいたら涼しさを感じる特殊な生地を使ったΤシャツ、サルエルパンツになってて

秋冬用が中に長袖のΤシャツを着て、自分で選べるトレーナーとスタジャン風のパーカー。

下がロングパンツかサルエルパンツを選べるようにデザインしたんですよ。

それに寒い季節の通学用には、男女兼用の温かい黒のピーコートや通学用の靴、スクールハイソックス、スクールソックス、運動靴等をデザインして渡しているので

これで学園で着る服関係には抜かりがなく……………大丈夫なはずです!」


気心知ってる顔馴染みの朝倉町の人達が通うので、ないとは思うのだが、これから学園に通う事になる子供達や勉強をしたいと望む大人達が着ている服等で、いじめやバカにしたり、されたりと人間関係で悲しい苦しい思いをしないようにや


学校に通う事によって、毎日着ていく服等で無駄な出費等をしなくていいようにや


タリサ、マヤラ達の母親のアコラから教えてもらった。

年頃の子達からたまに出現するらしい。過剰に露出した服装を学びの場所でさせないため等々


愛満が少々知恵熱を出すほど考えに考えた。

学園関連の服を制服や体操服に決めた事などを思い出しながら愛満は話終えたのだが、何やら話の途中で思い出した事を何やら内緒話をするよう。

愛之助さえ知らない事実をアリーにだけこっそりと


「あと、実はここだけの話。

一つ一つに魔法をかけるのが途中からめんどくさなっちゃって、学校関係の服や鞄、靴からなる全ての物をいっぺんに魔法で作り。半永久的に着用でき、壊れないようにする魔法も施しちゃったんですよ。

あっ!これ、愛之助達には内緒ですよ!いつもめんどくさいからとズルしちゃダメだと教えているので」


「……え!? いやいや、逆にそっちの方が大変で疲れなかったの!?」


普通の魔法使いには到底出来ない荒業にアリーが口をポカンと開け、驚くなか。

そのスゴさにいまいちピンときてない様子の愛満は、そんなに驚く事かと逆に驚き。


「えっ!そんなに驚く事ですか?

僕にとってみれば、母に続く家の小さな巨人2の姉の趣味でもあるコスプレの服作りなんかで、裁縫の腕とか、かなり鍛えられたから、このくらいのデザインの制服や小物位なら、魔法で簡単にチャチャッと終えられて、逆に簡単過ぎる位でしたよ。」


静かに微笑みを浮かべ話し。


「………そう、姉ちゃんの無理難題山盛りの服作りよりか、本当にはるかに数倍楽でしたよ……………」


何やら、とある日の終わらぬイベント用の姉へのコスプレ服作りの事を思い出し。愛満が急に遠くを眺め出すなか。


いつの間にか全ての新入生への受け渡しが終わっており。

お手伝いしてくれた兎族の者達や愛之助が使用したテーブルなどの後片付けをしてくれていて

それを気付いた愛満は、周りの人達にお礼や謝罪の言葉を伝えつつ。とある日の苦行の日々やアリーとの会話を切り上げた。



◇◇◇◇◇



そうしてその後、同じ1階にある給食室兼食堂に移動した愛満は、朝のうちに仕込んでおいた。愛之助が最近ハマっている『キムチ』を使った。


『豚バラとキムチの炊き込みご飯』

『豆モヤシや人参、ほうれん草の三種類のナムル』

『蓮根餃子』

『ワカメスープ』等々


トッピングの温泉卵や刻み海苔、小口切りの小ネギ等のキムチ繋がりで韓国風に組み立てたお昼ご飯を手早く仕上げ。

手伝ってくれた兎族の者達や学園関係者達、愛之助達の為のお昼ご飯が完成したのであった。



◇◇◇◇◇



するとほどなくして、片付けを終えた者達が続々と食堂を訪れ。愛満説明の元、セルフサービスで大きな炊飯器から炊き込みご飯やスープ等を各自盛り付け。思い思いのテーブル席で食べ始めていく。


「愛満 お疲れさまでござる。新入生や保護者の皆も制服やランドセルなどスゴく誉めておったでござるよ。

それにしても、いつの間にお昼ご飯まで準備してたでござるか?驚いたでござるよ!」


よしみちゅ(愛満)おちゅかれちゃま(お疲れ様)。こりぇれ、おんちぇんたまご(温泉卵)まじゃちゃら(混ぜたら)おいちいね(美味しいね)。」


「お疲れさま、愛満。今日のお昼ご飯そのまま食べたら、ちょっと僕にはピリ辛だけど、トッピングの刻み海苔や温泉卵と一緒に食べたら味がまろやかになって2倍美味しいね!」


一緒のテーブル席で食事している愛之助やタリサ、マヤラがお昼ご飯の感想を話してくれていると、早々と食事を終えた兎族の人達が


「愛満、お疲れさま。お昼ご飯ありがとうね。

それにしてもさっき食べたお昼ご飯、ピリ辛なのに野菜がたっぷり入っていて食べごたえもあり。すごく美味しくてビックリしちったわ!」


「愛満、お疲れ!しかし今日の飯もどれもこれも旨かったな。俺、どんぶり3杯もガツガツ食ったぜ!

それにワカメスープも具材はワカメに白ネギ、白ゴマだけになるのにワカメのコクや旨味がスープに出てて、味に深みがあり、本当に旨かったぜ!ありがとな!」


「お疲れさま。愛満も準備とかでスゴく大変だっただろうに、お昼ご飯までありがとうね。スゴく美味しかったわよ。」


「愛満、お疲れ様。しかし普段は接客業だから久しぶりにキムチ食べたけど、この炊き込みご飯 具沢山でお米やお肉、野菜がいっぺんに食べれて時間の無い時なんかに助かる食べ物だね。

それにお握りにして冷凍しとけば楽できそうだし。僕でも簡単に作れる?」


等と口々に声をかけてくれ。作り方まで聞かれた愛満は、嬉しそうに口でも説明をしてあげながらメモ帳の紙にレシピを書いていき。


「うん。すごく簡単だから誰にでも作れると思うよ。

『豚キムチの炊き込みご飯』の作り方はね。炊飯器にセットした白米、水、少量の味噌を溶かし。

そこに食べやすい大きさに切って、ごま油をもみ込んだ豚バラ肉、白菜キムチのざく切り、豆モヤシ、人参、椎茸、エノキ、しめじ、ニラ、ごま油を加え。後は普通に炊飯器で炊き上げるだけなんだ。

それに今回はヘルシーに人参やキノコ類をたくさん入れたけど、めんどくさかったら家にある炊き込みご飯に合いそうな野菜を適当に使っても良いし。逆に豚バラ肉と白菜キムチだけでも美味しいよ。

後はお好みで、温泉卵や刻み海苔、小口切りの小ネギ等をトッピングしたり。ちょっとカロリー上がるけど溶けるチーズをのせて食べても美味しいよ。」


「ほぉ~味噌が入ってるからコクがあって美味しかったんですね!それに口で聞いただけですけど、本当に簡単なんですね。

ふむふむ、これならば今度休みの日にでも作れそうです。」


レシピのお礼を口にしながら兎族の皆は嬉しそうに帰って行き。

愛満も皆でトラブルも無く入学準備を無事終えれた事に喜びながらモリモリとお昼ご飯を愛之助達と仲良く食べ進める。



◇◇◇◇◇



こうして無事入学準備を終えれた愛満達は、残すはドキドキわくわく心踊る、嬉し楽しみ入学式を待つだけなのであった。




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