和菓子『チョコ餡きんつば』と初めての小さなお客様
2月上旬に異世界に移住してから一週間。
チャソ王国外れの山道に永住の住みかを築き、愛之助と2人。
何とかお店を開店できる今日の日を迎えられた事に愛満はニコニコと朝から機嫌が良かった。
それもそのはず1日でも早く開店させたいが為にここ数日、不眠不休でお店のメニューを試作したり。
愛之助と2人『あーでもない、こーでもない』と試食し、見た目がちょぴりポッチャリしたり。
開店予定日が2月なので、店内を少しバレンタイン風に内装を変えたり。
お店に必要な物を一つ一つ吟味しては調達して、一歩一歩開店に近づいていく嬉しさに、愛満の笑みは日に日に深くなっていった。
まぁ、本音を言うと、最初は自分自身が思い描いていた茶屋とは外装も内装も規模も違い。愛満の中で違和感があったのだが、今ではコレで良かったと満足している。
◇◇◇◇◇
そうしていると『チリ~ンチリ~ン』とお店入口についたベルが鳴り。
鼻の頭を真っ赤にした、淡いパステルピンク色で取り外しできる裏ボワの付いた暖かいポンチョ型コートを着た愛之助が、外掃除用の掃除道具を持ち、お店の中に戻って来る。
「愛之助、お疲れさま。
寒いなか、お店の前の掃き掃除大変だったでしょう、ありがとうね。
外、本当に寒かったでしょう。玄米ミルク作ってあげるから、こっちに来て飲んで温まってね。」
愛満が愛之助に労いの言葉をかけながら、小さなミルク鍋で玄米茶(葉)と牛乳、砂糖を沸騰させないよう2~3分煮て、玄米茶の香りを出し。
茶漉しでこしながらミルクカップに注ぎ入れ。完成した『玄米ミルク』を3席だけの小さなミニカウンターに置き。愛之助へと振る舞う。
「うーぅ、寒かったでござるよ。
外は強風がビュービューと吹いていたでござるし。太陽が出ているでござるのに、風が強すぎてまったく暖かくならないでござる!もう、寒すぎるでござる!」
用具入れへと掃除道具をなおしてきた愛之助は、ポンチョ風コートとキャラメル色のマフラー、毛糸の帽子を隣の椅子におき。
愛満が作ってくれた温かな湯気を上げる。『玄米ミルク』が入ったミルクカップを両手に持ち。
満面の笑みで『美味しい、美味しい』と絶賛の感想を伝えながら、大切そうにちょびちょびと飲み進める。
◇◇◇◇◇
ちなみに愛之助の服装は、愛之助自身が毎日寝る前に翌日の天気や気温などを配慮してコーディネートしており。
今日の服や小物達は、2日前に愛満チートを使った買い物中に発見、一目惚れしてゲットした愛之助お気に入りの品々になり。
なかでも、今一番の愛之助お気に入りのピンクの頭巾を被った某兎のキャラクターが描かれたシュシュで、長い黒髪をポニーテールにして、同じく可愛らしいピンクの頭巾を被った兎のキャラクターが描かれた白地のトレーナー、グレーベージュ色のチェック柄ズボンを着用し。愛之助1推しのメロディ兎がポイントのコーディネートになっている。
実は、移住2日目にお茶屋の参考になる書籍がないかと自宅にあった書籍室を調べていたら、様々なジャンルの本や漫画、アニメや映画のDVDなどを愛之助が大量に発見し。
愛之助の希望で、某サ○リ○キャラクターのマ○メロ○ィのアニメを観たところ、愛之助がマイ○ロちゃんにどっぷりとハマり。
それから必ずコーディネートにマ○メロちゃんのキャラクターが描かれた小物や服を好んでとりいれるようになり。
細身な体型でレディース用のサイズの服も楽々に着れる事から、マ○メロちゃん入りの服ならば、性別問わずレースや花柄のガーリーで甘々系の服でも平気で着るようになり。
顔が中性的なため、女性用の甘系の服でも浮く事もなく。大変可愛らしく似合ってもおり。
愛満も愛之助が着ていて幸せならばと、特に止める様子も無く。
そのため愛之助の部屋やクローゼットは、確実にマイ○ロさん一色に染まってきていて(侵食されていると言っても過言では無い)一見、花の香り漂うガーリーな乙女系の部屋に進化していっているのだ。
◇◇◇◇◇
そうして玄米ミルクを飲み、まったりした雰囲気の中。体がポカポカと暖まった愛之助が、何やら思い出したように
「愛満、一応頼まれたとおりに外の掃除が終わった後、『準備中』から『営業中』の看板へとひっくり返してきたでござるが、こんなに風が強く寒い中。お客さんは茶屋へと足を運んでくれるでござるか?」
不安そうな顔で、愛之助が外掃除中にずっと疑問に思っていた事を愛満に質問する。
「そっか、そんなに外が寒いなら、少しお店の暖房の温度あげた方がいいかなぁ?
それとお客様ねぇ…………う~ん……どうだろうね。そもそもよく考えたら、この1週間 家の前の山道を歩く人どころか、この周辺で人影一人見たことなかったからなぁ……」
今さら気づいた事実に、愛満はしょんぼりする。
それもそのはず、実は愛満の異世界移住のおり。
神様一族から授けていただいたチートの中に、家と移住者に対して五重の守りで防衛チートが発生しており。
家や移住者(愛満)、その回りにいる者達に危害や悪しき心を持つ者・出来事などは防衛チートが完全に防御してくれたり、弾かれたりと、近づいてこれなくして守ってくれているのだ。
そして最悪な場合。その場所や人物達の事等をきれいさっぱり記憶から消されてしまい。
本人も気付かず解らぬままに、防衛チートで守られている移住者や建物等に二度と辿り着けない強力な魔法がかかるのだ。
そのため隣の山を根城にしていた高額の賞金首がゴロゴロいた高レベルで、危険で邪悪な大所帯の山賊グループも、愛満の防衛チートに見事に引っ掛かり。
愛満と愛之助がのほほんと暮らしている間に、独りでに内部分裂し。お互いがお互いをいがみあい。
運が悪いことに自分達より高レベルの賞金首狩りチームにたまたま出会ってしまい。グループ全部の生存者0の自滅していったのだ。
なので逆に、厳しいチェックの入る五重の守りの防衛チートを通れた者は心根優しく争いを好まず。愛満や愛之助と相性が良く、何かしらの縁がある出来事や者達なのである。
そうしてそれから3時間。いつお客さんが来店してもいいように茶屋内をちょこまかと動いていた愛満と愛之助の2人は、この世界に移住して来て初めての異世界人であり。
万次郎茶屋お客さん第1号、2号になる小さなお客さんと対面する事になる。
◇◇◇◇◇
チリ~ン♪チリ~ン♪
待ちに待った茶屋の扉が開く時に鳴るベルの音に、愛満と愛之助の2人は満面の笑みで振り向き。
「「いらっしゃいませ。(でござる。)」」
実に晴れ晴れした笑顔で、嬉しそうにお客様を出迎える。
するとそこには、頭にピョンと真っ直ぐ伸びた真っ白なうさ耳とまん丸真っ白な尻尾を生やした。暖かそうな若草色のポンチョを羽織った小学生低学年位の男の子と3才位の幼児が立っていて
「こんにちわ!僕は、兎族のタリサ6才。横のちっこいのが弟のマヤラ3才。ここは何のお店なの?」
タリサと言う兎族の男の子が、小さな弟の手をひきながら、物怖じせずに愛満と愛之助に近づき。元気良く話し掛けてくる。
「こんにちわ。元気な自己紹介ありがとうね。
僕はこのお店の店主で、朝倉 愛満《あさくら よしみつ》と言うんだよ。気軽に愛満と呼んでね。
それからここはね、今日開店したばかりの様々な手作り和菓子と言う甘味や、ちょっとした軽食を食べられる。お茶屋の『万次郎茶屋』と言う茶屋になるんだよ。
2人とも外はとっても寒かったでしょう。タリサ君とマヤラ君もこっちに座って、ちょっと待っててね。今、温かい飲物と甘い和菓子を持って来てあげるね。」
頬や小さな手を真っ赤にして、寒空の下冷えきった様子のタリサとマヤラの2人に、愛之助が座るテーブル席の反対側のソファーに座らせてあげ。
愛満は2人をもてなすためのお茶やお茶菓子を取りに台所の方に歩いて行く。
ちなみに茶屋・万次郎茶屋の由来は、愛満の大好きな祖父 朝倉 万次郎の名前からきている。
そうして愛満がキッチンに行ってる間、タリサ達の前のソファーに座り。大好きなマ○メロちゃんと同じうさ耳を持つタリサとマヤラの2人をキラキラさせた目でガン見している愛之助は、満面の笑みを浮かべ。
「こんにちはでござる。拙者、名を朝倉 愛之助と申すでござるよ。
拙者の事は、愛之助と呼んでもらえると嬉しいでござる。」
自己紹介する。すると男性ながらちまっとした体格の愛満や中性的の愛之助の見た目に警戒心を抱かなかった様子のタリサやマヤラが元気良く。
「愛満に愛之助ね。よろしく。あっ、そうだ!僕やマヤラの事も呼び捨てで良いよ。ねぇマヤラ、良いでしょ?」
「あい。あいのちゅけ、よろちくにゃえ。ぼくマヤラじゃよ。」
「あぁ、こちらこそ宜しくでござるよ。
そうだ!タリサもマヤラも外は寒かったでござろう。ソファーの背にかけられた膝掛けを膝にかけると暖かくて良いでござるよ。
それにしても、こんな風が強く寒い日に良くここまでやって来たでござるね。何処からやって来たのでござるか?」
初めて会った2人に興味津々の様子の愛之助がタリサとマヤラに質問する。
するとマヤラに膝掛けの毛布をかけてあげていたタリサが、愛之助の質問を少し勘違いして
「うん!元は人がいっぱい住んでる大きな町で暮らしてたんだけど、戦争が激しくなってきちゃってさぁ。
町も危なくなってきたから皆で安全な所に逃ようって、父ちゃんや兄ちゃん達が話し合って決めて、それからいろんな所を転々と旅しながら移動してたんだ。
それで今は2週間ぐらい前から……えっと、今いる山の後ろの山にある洞窟で、父ちゃんや母ちゃん、兄ちゃんや姉ちゃん家族と皆で暮らしているんだ。」
「えっ!?裏山の洞窟でござるか?それは寒くないのでござるか?」
「うん!兄ちゃんや姉ちゃん達家族もいるから人数も多く、寒くはないんだけどねぇ。
………………ほら、洞窟てゴツゴツして薄暗いじゃん。だから火や明かりの側に皆が集まってきちゃって洞窟内スゴく狭いんだよ!
それに他のちび達の声が洞窟の岩壁に響いてうるさいから、弟のマヤラを連れては、この辺をブラブラと探検してたんだ。
で、そしたらこの場所にたどり着いた訳な………」
タリサが一生懸命身ぶり手振りを交えながら愛之助に話してくれていると、何かを見つめたまま、タリサの話がピタリと止まり。
急にタリサが黙りこんだため、何事かと心配した愛之助がタリサの目線の先を見る。
するとそこには、愛満が美味しそうな湯気を上げる4人分の丸い湯のみやお皿にこんもりと盛り付けられた和菓子が乗った木のお盆を持ち、愛之助の座るテーブル席へとやって来ていた。
「話の途中にごめんね。はい、万次郎茶屋第一号と第二号のお客さんへのおもてなしの品の『オレンジほうじ茶』と2月限定の『チョコ餡きんつば』になるよ。
オレンジほうじ茶は入れたてで熱いから、火傷しないように気を付けて飲んでね。
それからお茶菓子の『チョコ餡きんつば』もたくさん用意してあるから、遠慮しないでモリモリ食べちゃって大丈夫だからね。」
それぞれの前におしぼりや輪切りにしたオレンジを砂糖と水で煮て作った。スライスオレンジ入りのフルーティーで、香り豊かなほうじ茶入りのカップと『チョコ餡きんつば』が1つのった小皿のセットを置いてあげ。
テーブルの真ん中にはドンとお代わり用の『チョコ餡きんつば』が山盛りに盛り付けられた大皿を置き。タリサ達に遠慮せずに食べるように進める。
そんな愛満の優しい言葉にタリサはお礼を言いつつ。
愛之助が愛満から受け取ったおしぼりで自分の手を拭いてるのを見て、見よう見真似で真似をして、自分の手や弟のマヤラの手を拭いてあげ。
「うわーいい香り!こんな甘くて美味しそうな香り、初めてだよ!和菓子てスゴいね!美味しそう!」
初めて見て香る美味しそうな和菓子を前にワクワクドキドキした様子のタリサは大きく口を開け。勢い良く『チョコ餡きんつば』を食べ始め。
一度驚いた様子で目を見開き。それからはウサ耳をピコピコ動かしながら、次々と『チョコ餡きんつば』を食べ進めていく。
そうして幼いマヤラの隣に移動した愛満が、楽しそうにマヤラの世話をしていると。
愛之助と競うように満面の笑みで『チョコ餡きんつば』を食べて進めていたタリサが、冷めて飲みやすい温度になったオレンジほうじ茶をゴクゴクと飲み干し。
口の中に詰め込みすぎたきんつばを呑み込むと、マヤラの世話をしている愛満の方を向き。
「この和菓子もお茶も初めて食べたけど、すごーく美味しいね!
中の甘い豆みたいなのも美味しかったし。豆とは違うカリッとした粒が良いアクセントになって、香ばしくて良かっよ。
それに外の白い皮みたいなのがしっとりとした食感で美味しかった!」
夢中で食べた『チョコ餡きんつば』の感想を愛満に伝え。何やら悲しそうな表情で、残り一個になってしまった最後の『チョコ餡きんつば』を名残惜しそうにちびちびと食べ始める。
そしてタリサ達が座るソファーの前の席できんつばを食べていた愛之助も、ある程度食べて落ち着いたのかオレンジほうじ茶を飲み。
「この『チョコ餡きんつば』、一度試作の際に食べたでござるが、何度食べても実に美味しいでござるね♪
愛満お手製のほど好い甘味の粒あんの美味しさや乾煎りした粒粒のアーモンドの歯ごたえ、風味が実に香ばしく。ついつい手がのびてしまう美味しさでござるよ。
それにこのオレンジほうじ茶も香り豊かで気に入ったでござるよ。」
「マヤラもおいちかった。こりぇちゅき!」
※『マヤラも美味しかった。これ好き!』
3人からの嬉しいお褒めの言葉を頂いた愛満は
「3人ともありがとうね。そんなに誉められると頑張ってたくさん作ったかいがあったよ。
それからこの『チョコ餡きんつば』はね。僕の育った国のバレンタインというイベントを意識して
きんつばの中の粒あんに、ココアパウダーとスキムミルク、アーモンドダイスを足して、白玉粉入りの衣で焼いて作った変わり種のきんつばなんだよ。」
愛満が『チョコ餡きんつば』の説明をいるとお皿にこんもりと盛られたきんつばを食べたはずの愛之助達3人のお腹がグ~ッと鳴り。悲しそうな顔で、話している愛満と空のお皿を交互に見てくる。
そんな3人の表情見た愛満は、話の途中なのに我慢できずクスクス笑い。
「解った、解ったよ。きんつばだけじゃ3人のお腹は足りないみたいだから、もうすぐお昼になる事だし。
ボリューム満点に、昨日の晩ごはんの時にカツサンドにでもしょうかと多目に揚げてた厚切りトンカツとキャベツを使って、チャチャと作れる味噌カツ丼を作ってくるよ。」
食欲旺盛な腹ペコ子兎3人のために、空になった食器を持ち台所に移動する愛満であった。
◇◇◇◇◇
そうして、陽がまだ明るい内にタリサとマヤラの2人に家族のお土産にと品数多目の和菓子の箱詰め3箱や食料等を魔法の袋にあれもこれもと詰め込み。愛之助とお揃いのキャラメル色のマフラーを巻いてあげ。両親宛の大切な手紙などを持たせ。
「じゃあね、気を付けて帰るんだよ。本当に家まで送らなくても大丈夫?
それから家に帰ったら、直ぐにタリサとマヤラのお父さんとお母さんに預けた手紙を渡すんだよ。」
「タリサとマヤラと愛之助の間に遠慮は無縁でござるぞ。
今からでも家まで送るでござるよ。本当に2人で大丈夫でござるか?」
「愛満も愛之助も心配性だなぁ~。大丈夫だって、来るときも2人でこれたんだし。なぁマヤラ。」
「あい。マヤラだいちょうぶ!ふたりゅでかえれりゅ。」
※『うん。マヤラ大丈夫!2人で帰れるよ。』
「じゃあね、また明日。バイバ~イ(バイバ~イ)」
かなり愛満と愛之助の2人が幼いタリサとマヤラの2人で帰る事を心配しながら、2人の姿が見えなくなるまで見送るのであった。
◇◇◇◇◇
そして、タリサとマヤラに渡した手紙とは何かと言うと。
お昼に赤味噌ベースの味噌だれを使ったボリューム満点の『味噌カツ丼』、『トマト入り玉子スープ』、『人参とツナのサラダ』などを食べながら、タリサとマヤラの2人から家族の事や住んでる洞窟の事など詳しく話を聞くと戦争から逃れるための度重なる移動や兎族特有の多産な一族のため兄妹や兄妹の家族も加わり。総勢70人の大所帯になり。
一族全員の食材調達や安全を確認しながらの大人数の移動などの疲労やストレスが、大人から子供達までの一族全体にかなり溜まっている様子が、幼いタリサ達の話からでもひしひしと伝わり。
愛満は幼い2人の話を聞きながら、このままではタリサ達一族みんなが肉体的や精神的に危ないと考え。
それに加えて、まさにこの瞬間もかなり厳しい生活を強いられている状態だとも解り。何か力になれないかと心を痛める。
それから兄妹の話の中で、タリサ達の年の離れた兄妹やそのお婿さんやお嫁さんの中には、町で食堂をやっていた者や王都の高級宿屋で働いていた者、村のギルドの窓口で昔働いていた者など、風呂屋経営に活かせそうな様々な職歴の者が多く。
そこで愛之助とも話し合い。手が回らずにまだ開店してない風呂屋で働いてもらいながら、この場所に住んでもらい。
お客さんが来るまでの間は賃金は払えないのだが、一族全員の衣食住を保証するので、手伝ってもらえないかなどを手紙に書き。
もし話し合う余地があるのならば、申し訳ないのだが、明日万次郎茶屋まで来てほしい等を書いた手紙をタリサとマヤラに預けたのであった。
◇◇◇◇◇
こうして、万次郎茶屋開店日にして第一号・第二号のお客さんを出迎える事が出来た愛満達は、明日の事を心配しながらも、無事 万次郎茶屋 開店1日目を終えられた事に安堵しつつ。明日のためにせっせと準備を始めのだった。
◆◆◆オマケ◆◆◆
太陽も沈み薄暗いとある場所で、チートを使いサンサンとライトをかかげ。何やら汗水垂らして作業中の愛満は
「ねぇ、愛之助。タリサやマヤラ、タリサ達のご両親や兄妹の人達、その家族の人達は、この贈り物喜んでくれるかなぁ?」
思わず頭によぎった不安を口にする。
すると愛満と一緒に汗水垂らしてお手伝いしてくれている愛之助が元気良く。
「うん!きっと喜んでくれるはずでござるよ!だって、拙者や愛満がこんなに汗水垂らして頑張っているのでござるよ!
それにあんな素直で思いやりのあるタリサとマヤラを育てたご両親でござる。きっと愛満が頑張った事を感じて、無下な事はしないはずでござるよ。」
不安げな表情の愛満を励ます。そんな愛之助の励ましの声に何やら元気を取り戻した様子の愛満は
「そっか、そうだよね!」
「そうでござるよ!自信をもっでござる、愛満!」
「うん!何かヤル気出てきた!よ~し!後の残りもこのペースでどんどん仕上げちゃうぞー!」
元気良く叫び。チートを使い、とある物をどんどん生み出していく。
登場人物
・愛満
何やら万次郎茶屋なる茶屋を開店させる。
・愛之助
いつの間にやら某キャラクターのマイ○ロちゃんにドっぷりハマり。お洒落さんになり、部屋中がマイ○ロちゃん1色に
・タリサ 6才 兎族
物怖じしない好奇心旺盛な男の子。頭にピョンと真っ直ぐ伸びた真っ白なうさ耳や、まん丸真っ白な尻尾がチャームポイント。
食いしん坊で大食い。
戦争を逃れるために家族や兄妹家族と旅をしている途中の洞窟から、弟のマヤラを連れて探検中に茶屋へとたどり着く。
・マヤラ 3才 兎族
大好きな兄タリサと同じ、真っ白なうさ耳やまん丸尻尾がチャームポイント。まだまだ3才のため滑舌が悪い。