餅菓子『梅ヶ枝餅』と3人の賢者と学校
とある日の事、愛満が営む万次郎茶屋へと、ある3人の人物が何やら愛満達を訪ねて来ていた。
「へぇー、ベルさんの友人だったんですね。」
「そうなんだよ。ベルとは王都にある学園の元同僚でさぁ~。ベルが素晴らしい村を見つけたと知らせてくれてね。
あのベルがわざわざ僕らに知らせてくるほどの事だから、これは是非にでも1度は訪ねてみねばと話し合ってね。
3人で、この朝倉村を訪ねて来たと言う訳なんだ!」
「そうそう。俺達は暇をもてあました爺3人組だからよ。時間も資金もたっぷりある訳なんだよ。」
「そうですね。それにエルフ族の私と妖精・フェアリー族のアリーなどは、この星が活動を始めたさい。
最初に神が生み出したとされる。起源のエルフ族や妖精・フェアリー族の先祖の方々と特徴が良く似ていると言われており。
里に住む不老不死になる起源のエルフ族やフェアリー族の長老の方々から、2人は自分達と同じ不老不死になるか、またはそれに近い存在でいて
他のエルフやフェアリー達と比べ、長い長い時を生きる事になるだろうと教えられているんです。
それに神族で巨人族の父親と人族の母親を両親にもつタイタンも父親の血が強くでている為。神族特有の不老不死になり。
私達3人とも時間だけなら長い時が有るんですよ。」
「えっ!起源のエルフ族にフェアリー族??それに不老不死に、神族の方まで!?
いろんな意味で酷く驚きましたけど…………………一番に!こちらの星では、神族の方て普通に居るんですか?」
元々王都で長年教鞭に立っていたらしく。丁寧語ながらも相手を気遣い、優しい口調で話すエルフ族のリーフからの起源や神族等の話を聞き。
酷く驚いた様子の愛満は、思わずリーフの話を呟き。失礼とは思いながらも1番気になった神族の事を質問してしまう。
「ええ、居らしゃいますよ。
ただ、神族の方々は普段私達とは違う世界と言うか、異空間で生活していらしゃる為。
滅多な事では会う事は出来ませんが、たまに神族の方々が身分や姿を変え。地上に降りて来る事があるのです。
そうして愛の女神様のイタズラと言うか、………運命と言うか、……何かの拍子で地上の者と恋に落ち。まれに子供を授ける事があるのです。
その際、産まれた子供の体には必ず何処かに神族のそれぞれの種族の印、痣が現れ。
その子供の父親が神族のどの種族の方などかが初めて解るらしいのです。」
「えっ!?痣ですか!?」
「ええ、痣です。その痣と言うか印も、どの神族の方が子供の父親か解るように教会に古くから見本が厳重に保存されており。」
リーフが話を止め。3人の中で1番神族と関わり深い人物となり。
本人の生い立ちの話も絡む事なので、自身の隣の席に座るタイタンへと話を変わろうと目で合図するのだが、タイタンはめんどくさそうにしかめっ面を浮かべ。
更には首を左右に降り。そのままリーフが話すように目で合図を返され。
そんなタイタンの姿に少々苦笑いを浮かべたリーフであったが、長年よく知る面倒さがり屋のタイタンに変わり話を続け。
「それでですね。隣に座っているタイタンは、元は冒険者を生業にしていた女性を母親に持ち。
身重になり冒険者業を引退した母親が生まれ育った小さな里で産まれたそうなんです。
そうして母と祖父母との4人家族の生活のなか、初めは同い年の子達より体が大きく。
ただ頑丈な子供だと思われていたらしいのですが、ある日旅回りの神官からタイタンの背中に生まれつき有った痣と思われていたモノが神族で巨人族の印と解り。
神族でいて、100年ぶりの数少ない巨人族の半神族の子供という事もあり。
慌てて王都から教皇や枢機卿(教皇に次ぐ高位の者達)達が小さな村へとやって来て、タイタンの背中の印を確認後、そのままタイタンを含め。
母親や祖父母達共々王都へと生活の場を教会に移され。
王都に在る最高基準の教育を受けられる学園で学ぶ事になったらしいのです。」
「………へぇ!?親族の方の生活の場所は教会に移されるんですか?」
リーフの話にクエスチョン?マークが浮かぶ様子の愛満は、ちょいちょい驚いた様子で声を上げ。自身無意識のなかリーフに質問すると
「えぇ、生活の場を教会に移されると言っても王都に在る教会敷地内の区間に移住する事になり。
各々のプライバシーを守る為。1家族に一軒の屋敷が渡され。
世間の好奇の目や、悪意が有る無しに関わらず。無理難題を投げ掛けたりする貴族達から守る意味合いも持つのです。
他にも神族を片親に持つ半神族の者達は、親に似て囚われる事を嫌いますから学業の時期を終えた後、世界様々な場所を旅して回っては、自分が気に入った土地で自由気ままに暮らしていく方々が多いんですよ。
なのでその為、たまに送られてくる教会区間に住む家族への手紙で大体の居場所を確認したりしてるんですけど
まぁ、実際のところ教会や各国も半神族の者達の正確な居場所を把握する事は出来ていないのが実情なんですけどね。」
何やら自身も面倒さがり屋に加え。自由気ままな性格の半神族タイタンに苦労させられてる様子がチラチラと垣間見えるなか半神族の者達の話を教えてくれ。
「そうなんですか、………こう言ってはなんですが、それは良かった。
だって半神族の方々が変な柵に囚われる事なく、自由気ままに生きていけてるんですもの!」
愛満が安心した様子でため息を付き。半神族の者達が変な柵に囚われる事なく。その力を国の為にと戦争等に駆り出されず。自由気ままに生きていけている事にホッと胸を撫で下ろし安心していると
そんな愛満の心のうちを知らないリーフは、愛満が自身の友人でもあるタイタンの事を気遣ってくれている事に嬉しそうに笑みを浮かべ。何やら思い出した様子で
「えぇ、本当にそうですね。
あっ、けれどですね。長年の頭が痛い悩みと言いますか、純血の神族の方は無理だとしても、どうしても神族に近い方に会ってみたいとお考えになる熱狂的な方が何年たとうと居りまして
教会保護の元、王都の学園近くの教会区間に住んでいる半神族の者達や、ましてやその家族に近づこうとする事件が後をたたなくて困っているんです。」
困った様子で熱狂的と言うか、本人的には悪気がないらしいのだが、毎回教会所属の聖騎手達が手を焼いてる事を教えてくれ。
話が違うかも知れないのだが、愛満ではないのだが姉の友人で都会の大学へと進学した際、バイト先のお客さんで彼女の事を気に入り。
彼女がバイトのシフトに入る時間帯になると何処で調べたのか必ず店へと現れ。ずっーと彼女の働く姿を見つめ続け。
更には毎回ではないのだが帰り道の後を付けられたりもされ。
好意はありがたいとは思うものの。これはストーカー行為にあたらないのか?ストーカーと言って言いものなのか?
どうしたら良いのか分からないとの、友達からの悲痛な相談を受けた様子の姉と祖母の話を聞いた事がある愛満は、静かに怒りを覚え。眉間にシワを寄せてしまっていた所。
何かを感じ取った様子のリーフが少しおどけた調子で
「ですが今は確か、赤ん坊から20才迄の約37人にしか教会区間に居りませんし。かなり運が良くなければ半神族の子達に会える確率は無いに等しいですね。
それにそもそも半神族の者達に会おうにも厳重な教会の守りを掻い潜るか、強力なコネを使い。アポイントがとれたらの話になるんですがね。」
愛満に話しかけ。リーフの姿に深呼吸と共に気を取り直した様子の愛満もおどけて
「うへ~、それはなかなか嫌な事ですね。僕なら客見せパンダじゃないと文句言ちゃいそうですよ。」
「本当ですよね。
あっ、けど安心して下さい。今の教会トップになる教皇様は父上が先の王になり。母上は半神族の方になり。更には母方の曾祖父が元教皇になられ。
教会にも王族にも、どちらにも強い影響力をおもちになり。
大変半神族の方々を大切にされる人格者でいて、不正や賄賂を嫌うお方なので、まず絶対に半神族に会う為のアポイントを出されたりしないんです。」
現在の教会トップになる教皇様なる人物の事を軽く教えてくれ。他にもリーフが知る半神族の友人達とのエピソードを聞いていた所。
何やら話を聞いていて、とある人物達への静かな怒りが愛満の中でモクモクと沸き上がり。抑えきれなくなった様子で突然椅子から立ち上がり。
「そもそも!父親の神族の人達は、何故守らなくてはいけない自分の子供を宿してくれた妊婦さんや、自分の我が子になる赤ちゃんを置いて、自分の世界に帰っちゃうんですか!!
僕には意味が全く解らない!ううん、解りたくもない!」
興奮した様子で話し出し。椅子に置いていたクッションを怒りを抑え込むようにギュッと握り締めながら
「もうもう!なんて酷い父親なんでしょう!これじゃあ父親失格ですよ!」
「えっ!愛満君!?どうしたんですかいったい?お、落ち着いて、一旦落ち着きましょう」
「へぇ!?どうしたの愛満!?」
「おっ!?愛満、お前どうしたんだいったい!?腹でも減ったのか?」
突然怒り出した様子の愛満にベル達3人がビックリしていると、更に怒り心頭の様子で愛満が話を続け。
「僕の元住んでた国でも神族の方とは違いますが、父親が仕事の忙しさにかまけ。育児や家事を手伝わずに問題になっているんです。
そりゃあ、父親が働かなくて生活できませんし、ご飯が食べれなくなる事も解ります。
それに仕事の大変さや職場での人間関係の辛さ、大変さも微量ながら社会経験があるので、少しは分かってるつもりです。
けどね。ただでさえ妊娠中や育児中はマタニティーブルーや、出産してからもホルモンバランスなどが崩れやすく。
育児ノイローゼ等になる可能性が大いに有り。精神状態が不安定になりやすいんです!
家の姉も初めての妊娠で、お腹に甥っ子がいる時や出産してからも本当に大変で!
仕事で忙しい義兄さんも子育てに参加してくれながら、家族みんなで夜泣きやイヤイヤ時期等を助け合い。皆で子育てしてきましたよ。
けどね、それでも大変だったんです!なのに!なのに!神族の男は何をやってるんですか!!子供を授けるだけが仕事じゃないんですよ!ソコから1番大変なんです!
そもそも、そんな男に子供を作る資格は無いに等しいですよ!!」
リーフから聞いた半神族の子供達にしろ。その子供を一生懸命産み。周囲に未婚の片親だからと白い目で見られ。
それでも必死に頑張って我が子を育てていた母親や、その家族の事を思うと、自分の姉の手伝いで甥っ子や姪っ子の子育てを微力ながらも手伝ってきた経験が有る愛満は怒りを覚え。
抑えきれない熱を発散しつつ。怒っている愛満がワーワー話していた所。
いつにない愛満の姿に少し驚いた様子を浮かべつつも、次の瞬間には優しい眼差しを向けた愛之助がリーフ達の元へと静かにやって来て、リーフ達へとお代わりの煎茶やお茶菓子を振る舞ってくれる。
「ご苦労様でござる。
こちら『煎茶』のお代わりと、本日のお茶菓子になる『梅ヶ枝餅』でござるよ。
『梅ヶ枝餅』は中の『つぶ餡』が熱々になってるでござるから火傷しないように気をつけて食されるでござるよ。
しかし愛満、何をそんなに怒っているでござるか?」
リーフ達に温め直したばかりの熱々の『梅ヶ枝餅』を振る舞いつつ。
先程まで台所で本日のお茶菓子『梅ヶ枝餅』を温め治していた愛之助は、愛満とリーフ達との間の話を知らない為。
優しい眼差しを愛満に向けつつも、実に不思議そうに首をかしげながら、まだまだ怒り心頭の様子の愛満へと声をかける。
「えっ、愛之助!?何に怒ってるって、それはもちろん!」
愛満の気が愛之助にずれた瞬間。3人は素早く目配せし。話題を愛之助が持って来てくれたお茶菓子へと移す為
「うわ~旨そうだなぁ!…パク…熱!アフアフ………熱!ハフハフ………旨い!
なんだコレ!外側の焼き色がついた部分はカリとして、その他はモチッとした食感でカリモチッで旨いぜ!
それに中に入っている光沢のあるつぶ餡という甘い豆が、ゆる~くとろみがあり。くどくない絶妙な甘さで、いくらでも食えるぞ!」
身を犠牲にしたタイタンが『梅ヶ枝餅』の熱さに必死に堪えながら勢い良く食べ進め。瞳を潤ませながら、その美味しさを皆に伝える。
するとタイタンの隣で『梅ヶ枝餅』を賢く頭を使い。魔法で半分に切って、少し冷まして食べていたリーフやアリーも
「タイタンが言うように本当に美味しいですね。
カリモチッとしたお餅と言う物の食感も素晴らしいですし。
溢れんばかりに包み込まれたつぶ餡と言う物と両面焼かれた独特の香ばしさが合わさり。なんだかホッとするような、優しい気持ちにさせてくれます。」
「本当だね!食べるたびに口中に溢れるような優しい甘味がじ~んと広がってきてね。リーフが言うように優しい気持ちになるね!」
3人が口々に誉めてくれ。
「えっ、あっ!ありがとうございます。喜んでもらえて嬉しいです。」
先程までの怒りをコロッとと言うか、誉めてもらったらお礼の言葉を伝えるとの婆ちゃんからの教えを守り。3人へお礼の言葉を伝え。
そうなると勢いが止まり。先程まで怒りが薄まると言うか、手持ちぶさたになり。
「あっ、そうだ。僕が作る『梅ヶ枝餅』はですね。餅も餡子も少し手にベトつく程度のゆるさで作っているんです。
その方が餅も餡子も柔らかい口当たりになりますし。それにパリッとした焼きめと相性が良い気がして、美味しい気がするんですよ。」
3人が誉めてくれた『梅ヶ枝餅』の作り方のコツ等を手短に簡単に説明しつつ。
久し振りに食べたくなり。今朝作った『梅ヶ枝餅』と煎茶を皆で楽しみ。
まったりとした空気のなか、今度は愛之助達を交えて、朝倉村内で起こった楽しい出来事やオススメ等を話していた所。
たまに飛び交う少々難しい大人の話に飽きた様子のタリサとマヤラの2人が、いつものように隣のテーブルで愛満と愛之助がプレゼントしてくれた『積み木』や『パズル』、こちらの世界の言葉に作り直した『カルタ』等で遊び始める。
それを何気なしに見たリーフ達3人は、その『積み木』や『カルタ』の幼児期教育に役立つ利便性に驚き。愛満達に誰が発明したのか興奮気味に質問してくる。
「こ、これは!?愛満、アレは誰が作ったのですか!?
あんな素晴らしい幼児期教育の玩具など王都でも見た事ありませんよ!?」
「こりゃあスゲー!!愛満や愛之助が作ったのか?」
「何気なく遊んでおるようじゃが、コレは考えに考えられて作られておって本当にスゴいぞ!」
「えっ!そんなに驚く事ですか?」
逆に愛満達がビックリするなか。この『積み木』も『カルタ』も自分達の故郷ではポピュラーな子供の玩具になり。
自分も幼い頃から慣れ親しみ。大人になった今でも見た目は違うものの。『レゴ』やお正月等には『カルタ』で甥っ子や姪っ子時と遊んでいて、誰が発明したか等は詳しくは解らないと説明し。
ただ自分の両親が産まれた時にも、すでに世に存在していたと思うと説明した所。
3人は改めて驚いた様子で、何とか理解してくれた。
そしてその後、他にも茶屋内にあるタリサやマヤラ、愛之助達の遊び道具に始まり。
愛之助お手製のタリサ、マヤラの2人の為になる。
楽しく学べ、勉強出来る。計算、言葉などの何種類かのドリルを見て驚きながらも、更に愛之助達を質問責めにしてきて
「こ、これもスゴい!?
何ですかココは………余りの凄さに腰が抜けそうです。」
「なんじゃこりゃあ!ここは宝の山か!?何だかワクワクしてきたぜ!」
「ねぇ、リーフにタイタン。妖精族でも人族でも驚きすぎると驚きが無くなり。無になってきちゃうんだね。」
三者算用に驚きながらも何とか納得してもらい。愛満や愛之助達がホッと胸を撫で下ろしていた所。
なにやら3人でコソコソ話し込み出し。急に頭を下げ。
朝倉村に愛満や愛之助達に教えてもらった基礎を軸に学校を開きたいとお願いされる。
そんな突然の願いにビックリした愛満と愛之助であったが、タリサやマヤラ以外の村の子供達に学びの力を付ける事は良い事だと考え。
神社近くの手付かずの森に学校を開校する事を決心するのであった。
◇◇◇◇◇
そうして後日、いつものように愛満の力やリーフ達の力、アイデア等を取り入れ。
リーフ達の元職場でもある王都の魔法学校にも負けない。
父親の仕事の関係で東京を訪れたさいに愛満が一目見て、その見た目や細かな細工に目を奪われた。
東京の某所に在る。外観はネオ・バロック様式なのだが、内部の意匠には『鎧武者』などの和の要素がいくつも見られるらしい『迎賓館』をモデルにした。
ビュッフェスタイルの給食室、売店、校庭、温水プール付きの多目的運動施設
更には職員寮付きの広々して、おしゃれで機能性がある校舎を建築し、朝倉村初の小中高の朝倉学園を開校したのであった。
そうして村に住む子供達や親達からも大いに喜ばれる事になる。
リーフ、タイタン、アリーの3人と共に朝倉学園は、村へと受け入れられる事になる。
ちなみに朝倉学園は愛満の願いで、基本無料の制服やお昼の給食付きになり。自身で選べる様々な専門学を基本から学べ。
専門学の授業で作った商品や作物を販売して利益を得るようになっており。
子供だけではなく。勉強を習いたいと考える大人達にも学ぶ楽しさを味わえるようにと学園の門を幅広く開くことになっている。
◇◇◇◇◇
その日の夜。愛之助や美樹、黛藍と話ながら愛満は、リーフ達の話の中で気になっていた。この世界での妊娠や出産事情等を黛藍や美樹達へと聞いてみた所。
この世界では医療技術やお産技術が各王国の王都でさえ地球よりかなり遅れており。ほとんどが魔法頼りになり。
田舎の方に行けば行く程、昔は存在した治療魔法等を使える者も先の戦争でかなりの人数が召集され。
そのまま村や町に帰ってこない場合がほとんどで
助産師の方も地球のようにちゃんとした資格を持つ者は居らず。
ほとんどがお産経験者や年配の女性達が、自分達の使える魔法や昔ながらの知恵等を出し合い。助け合いながら出産を乗り越えるそうだ。
その為、田舎の方の魔法が使える者が少ない村や町等では、なかには力が足りず。悲しい出来事になる場合もゼロとは言えないらしく。
そんな、何ともやりきれない話を聞いた愛満は、朝倉村には有り難い事にマリアの友人の魔女リサが村に住んでくれ。
病院を開業してくれている事に改めて感謝の気持ちを覚えつつ。
いざとなったら神様一族から授けて頂いた自身の力を使い。なんとか手助けしようと心に決めているのだが、お産になると詳しい事が解らず。100%と助けられると言い切る自信もなく。
これからまだまだ増えるであろう新しい村人の為にも、何とかしなければと強く考え。思い悩む愛満なのであった。