「鰻とふあトロ玉子の蒲焼き丼」と、愛之助と雄叫び
家の探索を終えた2人は、次に隣の風呂屋を確認しに行った所。
豪華絢爛な外見もさる事ながら、優れた3種類の源泉の湯種類と効能等が確認でき。
「うゎ~~~!!何この壁画!スゴいスゴい!!
まるで(良く見る)富士山の風景を撮った写真を壁画に張り付けたようなリアル感で大迫力だよ!
……………えっ!?コレ、絵だよねぇ?壁画サイズに引き伸ばした写真??……………いやいや、やっぱり良く見ると絵だよね……………。
う~ん、それにしても本当にスゴいや!」
「ハァ~~~……………本当に迫力が有り、美しい絵になるでござるねぇ~………。
なんだか何時までも、こうしてずっーと見ていれるでござるよ。」
男風呂、女風呂それぞれの壁にデカデカと描かれた四季折々の富士山の壁画に愛満達は心を奪われるのであった。
◇◇◇◇◇
ちなみに愛満達が見惚れてしまっている大風呂の他にも種類様々な風呂達が確認でき。
そんな風呂達の種類はと言うと、男女共に風呂だけでも軽く10種類以上の種類が在り。
愛満サイズの人ならば、100人以上は優に楽々と一緒に入浴出来る大きさの『大浴場』に始まり。
贅沢に桧を使用した。桧香る『桧風呂』
マッサージ効果が期待できそうな『ジャグジー風呂』、『打たせ湯』
美しく咲き誇る花花や樹木を鑑賞しながらゆったり入浴出来る『露天風呂』
沢山の花や果実が贅沢に湯船に浮かぶ『花風呂』、『果実風呂』、『林檎風呂』、『柚子風呂』
効能たっぷり薬草香る『薬草風呂』
香り、見た目と共に楽しめる飲料風呂グループの『炭酸湯』、『茶湯』、『紅茶湯』、『珈琲湯』、『酒樽湯』、『ワイン湯』
少々珍しい風呂になる。種類様々な『濁り湯』、『流水風呂』、『歩行湯』、『全身浴風呂』、『寝転び湯』、『陶器風呂』、『畳風呂』、『水風呂』等々が在り。
サウナにしても『熱風サウナ』、『塩サウナ』、『低温サウナ』、『スチームサウナ』、『漢方サウナ』、『岩盤浴』等々の6種類のサウナが確認出来た。
他にも、風呂場以外の施設を軽く確認しただけで
風呂場の出入口に設置された『受付』、テーストの異なる3ヶ所の『食事処』、『売店』風の店舗に加え。
源泉の地熱を利用した『蒸し器が並ぶ調理場』、調理場横に設置された『温泉卵売店』風な店舗
『マッサージ店』風な施設、コインランドリー風の『洗濯室』、湧き水が無料で飲め、持ち帰りも出来る『水の給水所』
ちょっとした休憩が出来る大広間の『休憩室』が整備されているのが分かり。
愛満と愛之助が何気に一番気に入った。
お茶やちょっとした待ち合わせ、休憩等が出来るロビーに面した所に『中庭』が在り。
全面ガラスごしに見える。湧き水溢れる透き通るような美しい池と共に、綺麗に手入れされた自然豊かな庭が楽しめ。
何やらホッと出来る、素晴らしい空間になっていた。
更に宿泊できる部屋にしても四季折々の花花がそれぞれの部屋のモチーフになっており。
・1人用の芙蓉の間・菊の間・椿の間
秋桜の間・金木犀の間・桜蘭の間・紅葉の間の計7室
・2~4人用の向日葵の間
紫陽花の間・蓮の間・百合の間
朝顔の間・百日紅の間
桔梗の間・露草の間の計8室
・5~7人用の桜の間・藤の間
牡丹の間・小手鞠の間
沈丁花の間・蒲公英の間
菜の花の間・薔薇の間・菫の間
杏の間の計10室
・8~10人用の梅の間・福寿草の間
水仙の間・蝋梅の間・枇杷の間
ヒナギクの間・山茶花の間、スノードロップの間の計7室
・雑魚寝の広々した大部屋
男女専用の蓮華草の間
男専用の花菖蒲の間
女専用の桃の間の計3室
等々の部屋の各所に各部屋の名前にちなんだ。モチーフの花がさりげなく。またセンス良く描かれ。
シンプルでいて、使い勝手の良い美しい和洋折衷の客室の造りになっており。
まるで健康ランドとホテルが合わさったような部屋の造りになっていた。
「は、…………ハァ~~~、……………………こりゃあ、たまげた……………。
な、なんなんだこの建物は!
いやいや、何さこの豪華さ!べらぼ~~~うに高級旅館じゃん!いや、高級ホテル?健康ランド!?
いやいや、いったい何なのさ、この建物は!?
ねぇ、愛之助。この建物、いったい何だと思う???」
知らず知らずのうちに自分が生み出してしまった豪華絢爛としか言いようがない建物に、愛満が膝から崩れ落ちそうになる中。
軽くパニック状態で、隣に立つ愛之助へと愛満がテンパりながら問い掛けるのだが、愛満とは違った意味で興奮気味の愛之助が
「えっ?『風呂屋』じゃないのでござるか?
最初、愛満がこの建物は、何やら『千と何とか』の建物に良く似てるでござるから、きっと『風呂屋』だろうと言ってたでござるよ?
それより愛満。この『風呂屋』とやらは豪華絢爛でいて、実に品があり。本当に美しい建物になるでござるね♪
拙者、この『風呂屋』なる建物が気に入ったでござるよ!
今度一緒に風呂に入りに来ようでござるね♪」
後日一緒にお風呂に入りに来ようと話し。
そんな愛之助の話に、今だ軽いパニック状態の愛満は、上の空で返事を返しつつ。
「えっ?そうだったけ?…………………………。
後、一緒にお風呂ね、うん。今度一緒にお風呂に来ようね。」
「うん!約束でござるよ♪」
「うん、そうだね。…………………いやいや、それにしても………………ハァ~~~……………………。
アレ?良く良く考えてみれば、さっき見た風呂も部屋、施設なんかも、僕が爺ちゃんや婆ちゃん達と一緒に向こうで旅行した旅館やホテル、健康ランドに似ているような……似てないような…………………。
ハハハハーーー!いやいや、きっと気のせいだよね。
………えっ!?…………ま、まさか知らず知らずのうちに温泉や旅館の事思い出して造ちゃったの??……………えっ!?えっ!?
いやいや、気のせいでしょう。……………うんうん!気のせい気のせい!絶対気のせいだよ。
…………………………誰か気のせいと言ってくれーーー!」
1人、愛満が自身が生み出してしまった豪華絢爛な建物をどうすれば良いのか途方にくれ。雄叫びを上げる中。
その後、ロビーのテーブル席に座り。中庭の風景をボンヤリ見つめつつ。
心を充分に落ち着かせた愛満は、今はまだ『お茶屋』の準備が有る事から、直ぐには無理だけど、ゆくゆくは家の前の山道を通る人達を癒す為。
あの設備が充実し過ぎる。まさに豪華絢爛な『風呂屋』を開放して、頑張って運営していきたいね、と落ち着きを取り戻した様子で愛之助に話し。
更にプラスして、何やら気がついたら『風呂屋』に大勢集まって来ていた。
可哀想にもあちらコチラを怪我していたり。疲労感に包まれた。
かなりお疲れ気味な様子のチャソ王国に住んでいるらしい精霊達の治療をして上げ。
そんな精霊達がゆっくり休めるようにと、精霊達用の休憩所(温泉、泉(湧き水)等々込み)を風呂屋内に造ってあげたりして
比較的元気が有る精霊達へと『何かあったら教えてね』お願いをし。
あまり長居をしては精霊達がゆっくり休めないだろうからと、愛之助と2人自宅に帰るのであった。
◇◇◇◇◇
そうして自宅に帰って来た2人は、2月の寒い中を歩き回った事から冷えきってしまった体を暖房や炬燵で温めつつ。
まだ仕入れをしていなかった事もあり。
お茶葉無しの沸かした白湯をまったり飲みながら、これからの事や生活に必要な物を2人で相談しながら紙に書き出していき。
「えっと………愛之助の服が今着てる袴しかないから買いに行くとして、『…『愛之助の服は今着てるみたいな着物が良い?それとも僕が着てるような服の方が良い?」
少々…………いや、苦笑いを浮かべ。実に申し訳なさそう感を漂わす愛満が、自身の趣味が根強く影響されてしまった和服姿の愛之助へと今後の服装の事等を質問した所。
愛之助は、たまには今のように和服を着たいでござるが、普段は愛満と同じ服で良いでござるよと話。
その後も細々した要る物を相談して書き出していっていると、愛之助のお腹がグ~~ッと鳴り。
「…………えへへへ~♪……今日は沢山歩き回ったでござるから、拙者お腹が空いたでござる。」
空腹のお腹を押さえながら照れくさそうに照れ笑いをし。愛之助がお腹が空いたと照れくさそうに話す。
そんな愛之助の言葉を聞いた愛満は、そりゃあ一大事だとばかりに勢い良く立ち上がり。
「それは大変だ!可愛い弟の愛之助に、兄としてひもじい思いはさせられないよ!
よし!そうなったら異世界移住記念日として、今日は家でスゴーい頑張った時だけにご褒美飯として食べられる。朝倉家スペシャル丼を作ってあげるね。
愛之助、お腹を空かせて楽しみにして待ってて!」
女神様一族から授けて頂いた最強チートの1つ。ショッピングチートを使い。
村に居る時、良くまとめ買い等で利用していた。村から車で片道一時間半の場所に在る。町の一番の大形ショッピングセンターの扉を実現化させ。
愛之助と2人。無人の店内で、必要な食材の他に生活雑貨等をドッサリと調達するのであった。
◇◇◇◇◇
「フゥ~~!疲れた疲れた。アレもコレも見ていたら思わず時間くちゃったね。
愛之助、お腹が空いてるのにゴメンね。今から大急ぎでスペシャル丼作るから、もう少しだけ待ってて」
あの後、巨大なショッピングモールの中を見て回り。
アレもコレもと生活用品を含め。食品等を仕入れて来た愛満達は、大量の荷物をテーブルの上に置きつつ。
仕入れて来たばかりのエプロンから値札を外し、手早く装着。
手洗い、うがいを済ませると、お腹を空かせた愛之助に謝罪の言葉を伝え。
お腹を空かせた愛之助の為。愛之助ご所望の『煎餅焼いて、この道五十年 源さんの魂がこもった一枚! 手焼き!堅焼き煎餅 五種類のバラエティーパック』1袋と白い湯気上がる温かい緑茶を手渡し。
台所隅の休憩スペースに寒くないように膝掛けやヒーター等をつけてあげたりとお世話しつつ。その場に待機を命じ。
「よし!まずはご飯から始めるかな!
えっーと、今日は時間が無いから、米のつけおきは無しとして」
愛満は独り言を呟きながら、休憩スペースで愛之助がまったりと煎餅をバリバリ食べてる間に調達してきた『米』を5合分洗い。
炊飯器にセットして、今日は時間がないので早炊ボタンをポチっと押し。
米が炊き上がる間に『鰻の蒲焼き』を蒸す為の蒸し器を準備。
蒸し器からシュンシュンと湯気が出たら2等分に切った国産の鰻の蒲焼きを4匹分、約5分ほど蒸し始め。
「よし!鰻の蒲焼きはコレでオッケー!
じゃあ、鰻の蒲焼きが蒸される間に婆ちゃん直伝の『ふあふあトロトロのだし巻き玉子』を作りますか!
このだし巻き玉子、本当に美味しいだよねぇ~♪
まぁ、1からとるダシが決めてたんだけど、今日は時間がないからちょっと手抜きして
ジャジャ~ン♪主婦の味方『白だし』(ドラ◯もん風に)」
時間が無いと言いながら、ヤバい意味で興奮状態マックスの愛満は、何やら1人モノマネで、ドラ◯もん風に『白だし』のボトルを買い物袋から取り出し。
お手軽『白だし』を使った。少々……いや、ちょっとした厚みが有る『ふあふあトロトロのだし巻き玉子』を2人分、手早く焼き上げ。
蒸し器で5分ほど蒸した鰻の蒲焼きを取り出すと、今度は魚焼きグリルで約5分ほど焼き上げ。
『♪~♪~♪~♪~』との、ご飯が炊き上がったのを知らせる音を合図に。
何やらニヤリと悪巧みするような笑みを浮かべた愛満は、炊き上がったホカホカの白米を大きな深めの丼茶碗に半分こんもりと盛り。
そこに市販の鰻の蒲焼きタレを回しかけて、焼き上がったばかりの鰻の蒲焼きを1匹分の2切れを置き。
また白米をこんもりと盛り付けたら、そこに蒲焼きタレを少し回しかけ。
残りのカリふわの鰻の蒲焼きを2枚盛り付け。豪快に残りの蒲焼きタレを鰻の蒲焼きに回しかけ。
最後に婆ちゃん直伝『ふあふあトロトロ・だし巻き玉子』を鰻の蒲焼きの上に盛り付けると
何やらまた不適な笑みと共に不気味な笑い声を上げる愛満は
「フッフフフ~~~♪出来た!出来たぞ~!
コレこそ!婆ちゃん直伝・爺ちゃん大好物の『鰻とふあトロ玉子の蒲焼き丼』の完成だーーー!!」
『風呂屋』のアレからブッ壊れ気味のテンション上げ上げの愛満が、普段と違うテンションの中。
『鰻のふあトロ玉子の蒲焼き丼』の完成の雄叫びを上げ。
何にしても出来立て熱々が1番美味しいので、今か今かと待ち構えている愛之助に声をかけ。
お盆に乗った。白い湯気上げる丼共々ダイニングルームに移動すると、出来立て熱々のうちに2人仲良く、にんまり笑顔で
「それでは、いただきま~す!!!」
「いただきますでござるよ~♪」
ご飯を食べる時のお約束。食事の挨拶のかけ声を言い。
どう見ても2~3人前ありそうな大盛りの蒲焼き丼をモグモグと食べ進めるのであった。
ちなみに先程の調理時間の中、『鰻とふあトロ玉子の蒲焼き丼』の他に汁物料理になる。
『とろろ昆布』、『蒲鉾二枚』、『小ネギ』をお椀に入れ。お湯を注いだだけの簡単『おすまし』の他に
箸休めと言うか、簡単な副菜料理になる。
電子レンジでパッパッと作った『ほうれん草の胡麻和え』や
拍子切りした大根、種を取って粗みじんした梅干し、鰹節を和えた『大根の鰹梅肉和え』
等の2品を作っており。
2~3人分は有りそうな特盛丼と共に、みるみる間に愛満のちまい体や、愛之助の細い体の何処に消えてるのかと不思議に思う量をペロリと完食してしまう。
◇◇◇◇◇
「ごちそうさまでした」
「ごちそうさまでござる」
ご飯一粒残さず、全ての皿を綺麗に空にし。
満足そうに愛満の力を使い仕入れて来た。普段は、なかなか手が出せない少々高級な茶葉を使い。
愛之助が淹れてくれた。色良し、香り良し、味わい良しの美味しい緑茶を飲みながら、お腹一杯になったお腹と共に愛満がまったりしていた所。
初めての食事にテンション高めの愛之助が
「愛満!美味しいご飯を作ってくれてありがとうでござるよ。
どの料理も美味しくて、拙者スゴく感動したでござる。
それに『蒲焼き丼』という食べ物を初めて食べたでござるが、甘辛く奥深い味わいの蒲焼きタレが鰻の身に染み込んでおって、カリっふあとした食感で、そのまま食べても十分に美味しかったでござるよ!」
身ぶり手振り付きで、初めて食べた『鰻とふあトロ玉子の蒲焼き丼』の感想を話始め。
「それに蒲焼きタレが染み込んだ白米と一緒に口に入れた時のハーモニーが実に素晴らしいでござるよ!
そしてでござるね!『鰻の蒲焼き』と白米だけで十分に美味しいでござるのに!
ふあふあトロトロに焼き上げられた大金に輝く『だし巻き玉子』が、蒲焼きと白米が折り重なる丼の中に仲間入りした事により。
蒲焼きと白米、だし巻き玉子を合わせ口の中に頬張ると!!!
甘辛いカリふわの鰻の蒲焼きと、蒲焼きのタレが染み込んだ。ふっくらモチモチの『白米』をふあふあトロトロの『だし巻き玉子』が優しく包み込み。
更なる一体感が口の中で生まれるのでござるよ♪」
何処の美食家だとツコミ満載の中。空の丼茶碗をうっとりした様子で見つめる愛之助が、ノンストップで話し続け。
「ハァ~~~~~♪名残おおしいほど、本当に美味しかったでござるよ。
愛満、こんなに美味しい食べ物を拙者に食べさせてくれ。本当にありがとうでござる。
……………あっ!そうでござる。拙者、こんなに美味しい『鰻とふあトロ玉子の蒲焼き丼』を食べさせてもらったお礼に
今日から拙者の好物は『鰻とふあトロ玉子の蒲焼き丼』にするでござるよ!」
少々訳の解らない理由を愛之助が述べながら、『鰻とふあトロ玉子の蒲焼き丼』を好物と決め。
そんな愛之助の話を微笑ましそうに愛満が相槌をうちつつ。
2人の異世界移住1日目は、ほのぼのとした時間のなか過ぎていった。
【「鰻とふあトロ玉子の蒲焼き丼」と愛之助と雄叫び、の登場人物】
・愛満
今回、いろいろな衝撃と共に雄叫びを上げているご様子
婆ちゃん直伝のとある丼料理を披露する
・愛之助
今回、いろいろな物を見て衝撃を受け、大興奮するご様子
初めて食した『鰻』が大好物に!