美味しい物いっぱい!ひな祭りイベントとサクラ
「それでねござるね。ライ殿の所の黄金唐揚げ店のひな祭り限定商品が美味しかったのでござるよ!
まず、食べ歩き出来る商品な事に加え。小さい子やお年寄りでも食べやすいように粗みじん切りされた鶏肉や水切りした豆腐、野菜等が入ったチキンナゲットになり。
回りに粉末上の桜エビがまぶされ揚げられていて、風味も食感も最高なのでござるよ!」
何やら今日もマイメロちゃんコーデで寒さ対策バッチリの愛之助が、まだまだ冷たい風が吹く寒空の下。
町内のお店を紹介する大きな看板を前に兎族のライ家族が営む店をマイ○ロちゃん使用の指差し棒で指差しながら、先程食べて来た『チキンナゲット~桜エビ風味~』の美味しさを力説していた。
すると愛之助の話をヨダレを垂らしながら聞いていた。モコモコ姿のタリサが垂れるヨダレを拭き。
「う~~ん♪ライ兄ちゃんの所のチキンナゲット美味しそうだね♪………………食べたい。
………あ、そうだ!僕とマヤラ、菜緒弥達がさっき食べて来たリメル兄ちゃんの所のプリン専門店のひな祭りイベント期間限定『プリンとクレープのお内裏様とお雛様』も、この写真みたいにスゴいんだよ!」
愛之助から貸してもらった指差し棒でリメルの店と、その隣に貼り付けられた『ひな祭りイベント期間限定商品』の写真を指差しながら
「リメル兄ちゃん手作りの美味しいプリンをプレーン味の黄色、抹茶を加えた緑、苺のピューレを加えたピンク色のクレープ生地を重ねて、お内裏様やお雛様のお洒落で可愛い着物に見立てて着せてあるんだ!
他にもお雛様達のお顔が僕達の大好きな苺になってて、お雛様はキウイで作った扇を持ってるんだよ♪
本当~!見た目も味もバッチリで、お内裏様とお雛様がバラでもセットでも販売してるからお買い得なんだから!」
兄のタリサが自身の年の離れた兄の1人、サナの息子になるリメルの店の『プリンとクレープのお内裏様とお雛様ケーキ風』が美味しかったと何やら思い出し笑いしながら話し終える。
そうするとタリサの隣に立つ弟のマヤラと、その友達で猿族の菜緒弥が
「あのにぇ、リメルにいたんのおみちぇのプリンケーキも|おいちかったんだけじょ《美味しかったけど》
レムにいたんちゃちのやちゃいのおみちぇの『やきばにゃにゃ』もおいちかったんじゃよ♪にぇ~、なおたん!」
「うん!そのままのバナナも十分美味しいけど、焼くと甘味が倍増したみたいで、更に美味しくなった気がしてオススメなんだ♪」
リメルのお店に行く前に立ち寄ったレム家が営む八百屋の焼きバナナが美味しかったと楽しそうに菜緒弥と話し。
最近山背から美味しかった時に表す表現の1つだと習った。寒さで赤くなった自身の林檎頬っぺを手袋をはめた両手で2人同時に押さえて美味しいさをアピールする。
そんなマヤラ達の美味しそうな話を聞いていた光貴と黒エルフの和調も、マヤラ達の変わりにレムの八百屋やひな祭り限定商品の写真を指差し棒で指していたタリサから指差し棒を受け取り。何やら、とても張り切った様子で
「次は僕達へけっね!僕のオススメお雛様イベント料理は、今日みたいに寒い日のイベントにピッタリで、食べ歩きにも最適な黛藍のお店『包子屋』の肉包が美味しいへけっよ!
何が良いかと言うへけっと、いろいろ食べ歩き出来るように考えられた一口サイズになるへけっし。
ふかふかもっちりの皮に肉汁たっぷり詰まった肉餡が包まれて、良い塩梅に蒸されたお内裏様の肉包(肉まん)へけっに、ゴマ餡が包み込まれたお雛様包子がセットで販売されているへけっ。だからしょっぱい物を食べた後に甘い物を食べられ!まさに無限にループ出来る最高の組み合わせになるへけっ!
あまりの美味しさに和調と一緒にハフハフ言いながら一気に食べ終えちゃったへけっ♪ねぇ~和調!」
看板前に並ぶように立つ黒エルフの和調に話し掛けながら、自分達のオススメのひな祭りイベント期間限定商品の食べ物の事を少々大きな声で話す。
「うん!いつ食べても黛藍のお店の肉包や包子達は美味しいもんね♪」
◇◇◇◇◇
と、愛之助達がこんな寒空の下。いったい何をしていると言うと、3月1日から3月4日までの4日間。
朝倉町では今年もまた『ひな祭りイベント』のスタンプラリーが開催されており。
イベント参加店に置いてあるスタンプをスタンプカードに押し。必要な数だけ集め。イベント本部に持っていくと年々で変わるお雛人形を貰え。
更には、イベント期間限定にしか食べられない期間限定のお菓子や料理がお得に食べられ。人気をはくしていて。
只今、朝倉町はイベント参加のお客さん達で溢れているのだ。
その為、内外のイベント参加者達の為にイベント参加店や『ひな祭りイベント期間限定商品』(写真)が張られている大きな案内看板がイベント本部横に設置されており。
愛之助や愛之助の友達になるチビッ子達が何やら集まり。
『アソコのアレが美味しかった』や『いやいや、アッチのアレが美味しかった』やら、あーでもないコーデもないと大きな声で楽しそうに話し込んでいるのだ。
◇◇◇◇◇
そうして光貴達が話終えると、他のチビッ子達も待ちきれないようにウズウズした様子で光貴から指差し棒を受け取り。
「あ、あのね。うちの『純喫茶店』もスゴいんだよ。
お父さん達が今年のひな祭りイベントの為に桃を使ったロールケーキやフルーツがいっぱい乗ったタルトを限定商品で販売してるんだ。
桃のロールケーキは桃のババロアと桃風味の生クリーム、桃の果肉が一緒に巻かれていてね。見た目も可愛いし、一口食べると口の中が幸せに包まれんだよ。ねぇ、ルルナ」
「うん、そうなんだよ♪僕も一口食べたけど、あまりの美味しさにビックリしちゃった!
あっ!それにね。うちのじいじもタクのお父さんやお母さんの手作りしたケーキに負けないんだって、セットやお持ち帰りも出来る。ひな祭り限定のお内裏様とお雛様の顔が可愛く描かれたラテアートを販売してるんだよ♪」
「ルルナのお爺ちゃんのラテアートスゴい人気なんだよ。
それにお父さんのお友達のロッソさんやビアンコさん達も寒い日のお雛様イベントだからって、寒い中食べ歩き回って冷えきった体が暖まるようにと腕によりをかけて『蛤のクラムチャウダー』を限定料理で沢山作ってくれて販売してるんだよ。」
「そうそう!いつもアサリになるんだけど、ひな祭りだから特別に蛤バージョンになってるんだ!
思わず頬っぺたが落ちゃうんじゃないかってほど美味しいんだよ♪」
苺忍者隊メンバーにもなるケンタウルス族のタクや妖精族のルルナが自身の両親や祖父、父親の友人のコボルト族のロッソやビアンコ達が営む『純喫茶店』の話を誇らしそうにすれば。
義父が営む寿司屋のひな祭り限定商品の『ちらし寿司』を食べて来た元戦争孤児の子供達も
「それを言うなら俺達のお父さんが作った『ちらし寿司』も具沢山でいてスッゲー旨いんだぜ!」
「そうそう!見た目も味も期待を裏切らない旨さなんだ!」
リーダー格の礼文と神威が話せば。それに続けるように他の亮平家の子供達が看板前に出て来て
「そうなんだよ!亮平お父さんが作った酢飯の上に小角切りにされた鮪の赤身やサーモン、穴子の蒲焼き、こはだの酢じめと、……………えっーと、後なんだっけ?」
「えっ?空知あんなに美味しそうに沢山食べてたのに何が乗ってたか忘れちゃったの?
……もう、しょうがないんだから。残りの他の具材はね。小柱でしょう、それにイクラ、海老、胡瓜、厚焼き玉子なんかが乗ってるのよ。」
「そうそう。それに飾りに木の芽がバランス良く盛り付けられてもいるの。
私達もひな祭りイベント中に少しだけお手伝いしたんだけど、亮平お父さんが彩り華やかに仕上げるコツは、全ての具材が見えるように盛り付けるのがポイント(コツ)だよって教えてくれたの。どう?うちの亮平お父さん達もスゴいでしょう!」
おしゃまな女の子、留萌達がしょうがないなぁ~と苦笑いを浮かべ。兄妹1の食いしん坊の空知が忘れてしまったちらし寿司の具材や、ちらし寿司の盛り付けのコツ等を誇らしそうに話し。
最後には礼文が使っていた指差し棒を借りると、更に付け加え。
「それに礼文達は『ちらし寿司』とさっきから言てるけど、正確には『ばらちらし』と言うのよ。
数種類の刺し身を小角切りにして酢飯の上に盛り付けてあるから、お父さん達いわく、ちょっと贅沢にも見えるし。今日みたいなお祝いやおもてなしの1品に最適なんだって。
だから亮平お父さん達が作るうちの寿司屋自慢の『ばらちらし』を知らない人達皆に食べてもらいたいし。本当オススメのイベント料理になる訳よ!」
亮平達から教わった話を交え『ばらちらし』の美味しさを力説する。
そんな礼文達の話に、同じ主食扱いになるお米に密かにライバル心を持つ。愛之助達の友達でパン好きのエルフ族や妖精族、コプリ族のチビッ子達が看板前に飛び出して来て。礼文達と場所を入れ替わるように
「ターハ兄ちゃん達の所のパン屋さんだって、お雛様イベント限定のパンがスゴいんだから!」
指差し棒を留萌から受け取りながら話始め。看板を指差し棒で指差すのを小さな体でお互いに助け合いながら
「まずターハ兄ちゃんの桜パンは、可愛い桜の花びらの形をしていて。中には桜風味の白餡と生クリームが詰まってて、甘じょっぱい組み合わせで、食べなきゃ損な1品なんだから!」
「そうそう♪クミル姉ちゃんの桃パンにしても桃の形をしていてターハ兄ちゃんの桜パン同様見た目も可愛いんだよ。
それにパンの中には、クミル姉ちゃんお手製の桃のカスタードクリームや桃の果肉入りの桃ジャムがギッシリ入って、スッゴく美味しいんだ♪」
「更にね!ココム兄ちゃんは菱餅の見た目や色使いを参考にしてサーモンやチーズ、アボカドなんかの具材を具沢山に挟んだ。食べごたて大満足の『具沢山サンドイッチ』を販売してるんだよ!」
以下に自分が愛するパンが素晴らしいかを話し終え。
また場所を入れ替わるように他のチビッ子達のケンタウルス族の子供達が看板前に出て来て
「うちのお母さん達が出してる屋台もスゴいんだよ!
お父さん達が作った赤ワインを使って、大人用の『サングリア』と子供用の『ブドウジュースバージョン・サングリア』を販売してるんだ。」
「そうそう!いろんなフルーツやシナモンなんかが入ってるから、こんな寒い日に一口飲んだら体がポカポカするよ。」
「まだ飲んでない人は飲んでみてよ!スゴいオススメだから!」
等と話。チビッ子達は看板前の場所を立ち替わり入れ替わりながら大きな声で、実に楽しそうに自分達のオススメのイベント料理やお菓子、お店等を話し続けるのであった。
そうして、そんな愛之助やチビッ子達の話を何となく聞いていたイベント参加の観光客や、どこのお店に行こうかと考え込んでいたお客さん達が興味を示し。
チビッ子達が指差す指差し棒を頼りに、イベント本部で貰った散策マップ片手に思い思いの店へと足を向け始める。
◇◇◇◇◇
と、ここだけの話。
実は愛之助達はひな祭りイベント本部に頼まれたサクラになり。1つの店だけや、ある一部の場所の店だけにお客さん達が押し寄せない、混雑させないようにするため。
街中に放たれた本部委員の指示で、その時空いてる店や場所に客の足が向くように無邪気に(上手く)話をして
各々が担当する自分達の家族が営む店や、オススメの店へと客足を仕向けるというサクラのアルバイトをしていたのであった。
ちなみに万次郎茶屋には有難い事にお客さんが客足が途絶える事なくチラホラ来ており。他にも大盛況(忙しくてなる事)を嫌がる看板ボーイの山背の指示でサクラはしてなかった。




