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◆ある塩問屋の悪事



「だ、旦那様 申し訳ございません。やはりこの道は通れないようでして……。」


馬車を操作していた奴隷の1人が主人でもあるサカミにおどおどした様子で声をかける。


「またか!くそー、忌々しい道め!毎回毎回なんだと言うのだ!」


中肉中背の少し小太りの体型に、どこか神経質そうで目の下に濃いクマがあり。黄土色した肌色の不気味な雰囲気を醸し出した。

とある街にある大きな塩問屋の主人サカミは、イライラした様子で爪を噛み。

ある日突然、何か見えない壁に弾かれるように通れなくなってしまった山道を睨み付け。


「この山道さえ通れば最短ルートで海に続く道に抜けられ。馬を疲れさせずに大量の塩が運べると言うのに!

どうして私の馬車や荷馬車だけ毎回毎回 通れないのだ!」


馬車から降りたサカミが怒りで顔を真っ赤にし。見えない壁を蹴りつけながらイライラした様子で怒鳴り散らす。

すると、そんなサカミの怒りに奴隷達が怯え。いつものように土下座しながら許しをこう。


「も、申し訳ございません、旦那様。お許し下さいませ。」

「お許し下さいませ。」

「お許し下さいませ。」


「チッ、クソが!もう良い。今回もいつものようにもう1つの道から行くぞ!早く馬車の準備をしろ!」


悔しそうに唾を吐き捨て、怒鳴り付けるように奴隷に声をかけ。今回も遠回りするため馬車を操作させる。



◇◇◇◇◇



実はサカミ、国への申請が必要な塩小屋を海辺近くに秘密裏に建て、違法に手に入れた元塩職人の奴隷達を使い。


タダで使える使い放題の海水を使っては、大量の塩を休みなく作らせ。自身が営む塩問屋で秘密裏に売りさばき。国に申告しない裏金を儲けているのだ。


そのため塩小屋の事を他人に知られてはいけないため。疑い深いサカミは、大きな塩問屋の主人にも関わらず。

毎月3~4人の奴隷と共に、自身が乗る馬車と塩を運ぶ荷馬車を連れ。人通りの全く無かった、サカミには大変都合の良い。

現在朝倉町が出来た山道を通っては、街の関所の隊員に金を握らせ。自分の店へと塩を運びいれていた。


しかしある日、その山道がサカミやサカミ達の乗る馬車や所有する荷馬車を弾くように、何故か通れなくなり。

いつしか人通りも増えてきて、商人仲間の話では何やら珍しい街が出来たらしいのだ。


そして不思議な事に商人仲間からその街の内部の話を聞くのだが、何故かサカミは直ぐに忘れてしまい。なのにその事を不思議にも思わず。


毎回 塩を取りに行く際、山道の前で立ち往生する時にかすかにその街の事を思い出し。

仲間から聞いた街の内部の事などを思い出そうとするのだが、頭の中に霧がかかったように何も思い出せず。

最短ルートを通れない事もあいまって、尚更イライラしてしまっているのであった。



◇◇◇◇◇



「くそ~!本当に忌々しい道だ。私は1番時間を無駄にする事が大嫌いなのだぞ!この無駄にした時間でいくら稼げると思っておるのだ。あんな山道、私の力で無くしてやろうか!」


今だ収まらないイライラに悪態つきながら、サカミはいい考えだとほふく笑み。


「そうだ、そうしょう。それにどうせ、あんな寂れた山道にある街など、たいした事ないだろうからな。

そうと決まれば店に帰って早速 伯爵様達へとお願いせねば、こんな時のために毎回たんまりと金を融通してやっておるのだから

まぁ、せいぜい頑張ってもらおうではないか。フッ、なんたって私は無駄が嫌いな人間ですからね。」


呟き、高笑いし出すのであった。



◇◇◇◇◇



しかしその後、朝倉町へと手を出そうとした因果か

あっさり秘密裏に建てた塩小屋や違法に手に入れた元塩職人の奴隷達の事など、数々の悪事がバレ。

サカミと繋がりのある貴族達も1人残らず、今までの悪事が暴かれ。

サカミ達は身分剥奪のうえ全財産没収等の重い罰を言い渡され。奴隷落ちするのであった。


ちなみにサカミの塩問屋で、無理矢理働かされていた違法に手に入れた奴隷達や塩小屋の元塩職人達は、サカミの財産から慰謝料込みの今まで支払われ無かった給金が国の計算のもと支払われ。身分も元の身分へと戻され。無事、奴隷の身分から解放される。


そして問題の塩小屋は、国王からの恩赦で、塩小屋の第一発見者でもあり。

働かされ過ぎて疲労や栄養失調等で倒れていた元塩職人達を手厚く看病し、助け。朝倉町にあるギルド長にこの事を知らせた。

この事件の功労者でもある大吉村の克海からの願いにより。


塩小屋はそのままに元塩職人達が塩作りを生業として働け。安心して生活できる村へと整備され。

元塩職人達やサカミの塩問屋で無理矢理働かされていた元奴隷達が移り住み。

朝倉町とも交流を持つ事にもなる命の恩人でもある克海の一字をもらい『克塩村』が誕生するのであった。




今回は、感想にも書いていただいた朝倉町から弾かれる悪役の話を書いてみました。

そして食べ物無しの話になっております。


頑張って書いたのですが、作者が書ける悪役はこのレベルしか書けず。期待外れになってましたら すいません。面目無いすっΣ(ノд<)


精進して頑張ります(`◇´)ゞ



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