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山背の甲羅アイスケーキとグッタリ山背



その日は朝からあいにくの曇り空で、1日中ムシムシしていて、とても蒸し暑く。

こちらの世界にもあるらしい梅雨の到来をひしひし感じると主張する山背が、茶屋店内は涼しいのに愛満にワガママ言って用意してもらった水の入った大きなタライの中に浸かりながら、やや元気が無い様子で店番をしていた。



◇◇◇◇◇



「山背、どう?もう蒸し暑くない?」


「山背、大丈夫でござるか?タライの水は(ぬる)くないでござるか?」


「山背、大丈夫へけっか?」


「やまちぇ、どう?しゅじゅしい?せにゃかにおみじゅ かけたげようか?」


「4人ともありがとなのじゃ。しかし今日はいつになく蒸し暑いのう~。ワシは蒸し暑さに弱いから、こんな日は本当に辛いのじゃ。」


「タリサも暑いの嫌い!」


「暑いと大変へけっ!」


「そうでござるね。寒さは着込めば我慢できるでござるが、暑さはどうにも出来ないでござるから本当に辛いでござるよね。」


「やまちぇ、たいへんにねぇ。」


「あ~ぁ、そこじゃそこ、気持ち良いのう~。」


元気の無い山背を心配した愛之助達が優しく声をかけながら、マヤラが最近お気に入りのゾウさんジョウロを使い。山背の甲羅に冷たい水をかけてあげる。



◇◇◇◇◇



そうしていると山背の辛そうな様子を見て、何やら台所で作業していた愛満がおぼんに牛乳パックや包丁、お皿などを持ち、茶屋内に戻って来る。


するとその事に1人、目ざとく気付いたタリサがテーブル席に座った愛満の隣にちゃっかり座り。


「あれ~?愛満それ何?牛乳?牛乳飲むの?けど牛乳飲むのには包丁はいらないし、何なの?」


「コレ?これはね、牛乳パックなんだけど、中身は牛乳じゃなくて今日のおやつになるんだよ。」


何やら意味ありげに話をする。

そのタリサと愛満の話し声に山背のいるタライで水遊びをしていた愛之助達は、愛満が戻って来た事に気付き。

水に濡れた山背にガウンを着せてあげながら、4人で愛満とタリサの2人がいるテーブル席にワラワラ寄って来て


「えっ!牛乳じゃないの?おやつなの?」


「牛乳のおやつなのかのう~?」


「牛乳のおやつへけっか!?う~~~ん………あっ!牛乳プリンへけっ?」


「おやちゅ?きょうのおやちゅ にゃんにゃの?」



「牛乳パックで作ったおやつでござるか?中身が何か気になるでござるね、楽しみでござる!」


牛乳パックで作られた『おやつ』に愛之助達が興味津々のなか、愛満が牛乳パックごと切り分けながら、今日のおやつを説明する。


「今日のおやつはね、山背が蒸し暑さでキツそうだったから、メロンとマンゴー、バニラアイスクリーム、ビスケットを使って、『メロンアイスケーキ』を作ってみたんだ。」


「メロンアイスケーキ?」


「うん!『メロンアイスケーキ』

側面を切った牛乳パックに砕いたビスケットを敷いて、柔らかくしたバニラアイスクリームと角切りにしたメロンとマンゴーを混ぜたのを、そこに詰め。

また砕いたビスケットを平らにのせて、冷凍庫で冷やしただけの簡単『メロンアイスケーキ』になるんだ。

今日は朝のフルーツヨーグルトとして食べた。使いかけの半端に余ったメロンとマンゴーがあったからメロンとマンゴーを使ったけど

中のフルーツはメロンやマンゴーの他にも、バナナやオレンジ、パイナップル、桃、みかん、洋梨なんかで作っても美味しいんだよ。はい、どうぞ。召し上がれ。」


今日のおやつの事を説明をし終えると同時に切り分け、盛り付けた『メロンアイスケーキ』を皆の前に置いてあげる。


「うわ~~美味しそう!いただきま~す。」


「………モグモグ………モグモグ…うんうん!冷たくてメロンやマンゴーがゴロゴロ入っておって旨いのう~♪

それに上と下にくっいておる砕いたビスケットが、底がしっとり、上がザクザクしておって良い食感をだしておるのじゃ、旨い!」


「つちゅめちゃくて、おいちい♪」


「バニラアイスクリームの滑らかな舌触りやメロンやマンゴーのほのかなシャリシャリ感が楽しめて美味しいへけっね!」


「本当に美味しいでござるね♪

それに切り分けられたメロンアイスケーキの断面が、メロン色とマンゴーの黄色の2種類のモザイクで柄みたいで、まるで山背の甲羅の柄みたいでござるよ!」


タリサ達が『美味しい、美味しい』と食べるなか、愛之助がメロンアイスケーキの断面を見て、山背の背中の甲羅に似てると言い出し。タリサやマヤラ、光貴も食べかけのメロンアイスケーキを見つめ。


「本当だ!山背の甲羅に似てるね♪」


「にちぇる!にちぇる!」


「本当へけっ!似てるへけっね。」


「そうだ、愛満!このメロンアイスケーキ、山背のために作ったおやつだから、名前を『山背の甲羅アイスケーキ』にしょうよ!」


「おっ!それは良いのう~。自分の名前入りのお菓子など始めてじゃ!………フッフフフ~~~~♪まるで王様にでもなった気分じゃの!」


楽しそうにお喋りしながら冷たいおやつを食べ、蒸し暑い1日を乗り切るのであった。



ブックマーク、お気に入り、評価をしてくださった方、本当にありがとうございます。

誤字、脱字が多々ある作品ですが、これからもよろしくお願いします。



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