チート無双屋の冒険 ~どこまでも遠くへ~
オレの名前は武藤宗也。
気がついたらいつのまにか、この真っ白な空間にいて拘束衣を着せられていたんだ。
・・・正直、ここに長時間いたら気が狂うかもしれん。
だが・・・
「気がつきましたね、武藤宗也」
「あんた誰?」
なんか見知らぬ偉そうな女がいる。
「私の名は、ナローア=ルアネーヨ。108万の煩悩を統括する絶対神です」
108じゃなくて一万倍の煩悩かよ・・・神様スゲェわぁ・・・。
「突然ですが、あなたには私の見守る世界へと行って貰います」
「なんでさ?」
なんでオレなんだよ。
「あなたを選んだ理由は何となくです、意味も理由もありません」
ヒデェ・・・。
「行って貰う理由は、簡単に言うと”賑やかし”ですね」
「なんだそりゃ?行く意味あんの?」
なんでわざわざこんな所に呼び出してんのかもわからんしね。
「シムシティで街がある程度完成してしまうと、安定してしまって手を入れる必要なくなることって有るでしょう?あれって、最初のうちは『私ってばやるじゃん』とか自分で自分を褒めてあげたくなるんだけど、見てるうちに見守ることに飽きちゃってちょっかいかけたくならない?そんな理由よ」
「・・・」
最悪だ、コイツ・・・。
「そんなわけで『私が楽しむために世界に刺激を与えよう』ということで賑やかしというかコンパニオンとして、あなたから見て異世界となる世界に行って貰おうと相成りました、マル」
「・・・」
「ああ、コンパニオンと言えばやっぱり美しい女でないとね。えいっ☆」
シビビビビーーーームッ!!
「うぎゃーーっ!!」
いきなりなんかされた!!?!?!?
「はい、鏡どうぞw」
「え?」
そこには知らない女の姿が映っていた。面倒なので細かい描写は避けるが、簡単に言うとゲームやマンガからオタクの妄想が飛び出てきた感じだ。ついでに拘束衣も脱げて、薄いヒラヒラの服を着ていた。
「っていうか、ムスコは!?長年連れ添ったオレのムスコーーーッ!」
「なに?チ○○欲しいの?」
「折角美人なのにチ○○とかいうなっ!」
「いいじゃないの。んじゃ、フ○○リにしてあげるわね-。そぉい☆」
ポワワワワ~ッ
「うぎゃーーっ!!」
さっきと効果音が違う!!?!?!?
「それは形も大きさも堅さも継戦能力も自由自在の万能チ○○よ。普段使わないなら小さく収納していればク○○○○と同等性能となるわ。もちろんあなたには○○○も付いてるから産むも産ませるもご自由にってところね」
なんか途中からごっつ下品な下ネタ作品に成り下がってきているような・・・。
「さて、あとは異世界転移の定番『ポイントでスキルゲット!』だけね。あなたはかなりのポイントを貯め込んでいるからスキル選び放題よ~」
「ああ、今までに善行をしていればポイントが高いとかいう・・・?」
そんなに善行に励んだ覚えはないけどなぁ?
「いえ?ヨ○バシとかツ○ヤとかのポイントね」
「なんぞそれ!!」
「スタンプカードとか諸々含めて、全部で328,309ポイントね!」
「・・・」
「剣豪スキルで40ポイント、不老不死スキルで500ポイントだから本当に全てのスキルを取得してもポイント余るわよ」
「・・・その余ったポイントはどうすれば?」
「基礎ステータスに振り分けるのね。そうしたらスキルもステータスもチート級で異世界で無双できるわよ、良かったわね☆」
「・・・はい。ていうか、スキル取得の必要ポイント少なすぎませんか?もしくは、レートがおかしいのか?」
現金換算で30万円ほどあれば異世界でチートな人生を送れるとか、エグすぎる。
「ああ、別にいいのよ。だってあなたがポイントを使ってスキルを手に入れても、私には損も得もなにもないし、どうでもいいの」
ヒデェ!本格的にヒドイわ、コイツ!!
ピ・ポ・パ
ん?
「さ、面倒だからスキルは全部取得しといたわよ。あとはステータスに余ったポイントを振り分けてね」
「ちょ、おま、勝手なことすんなよ!」
「大丈夫よ、マイナス効果のスキルは無いし個別でオンオフも自由に切り替えられるから。気にしない気にしない☆」
本当になんなんだよコイツ・・・orz
ピ・ポ・パ
え?マジか・・・?
「ステータスも、あなたくらいにポイントあったら平均的に上げる方が強いから振り分けもしといてあげたわ」
「もう、好きにしてくれ・・・」
ただただ疲れた・・・・・・
「準備もできたことだし、そろそろ新しい世界に旅立ってちょうだい」
「なんて勝手な・・・」
「人間の都合なんて知らないわ、神様だもの」
みつを・・・
「心配しなくても大丈夫よ。スキルもステータスもチートで地形適応も陸海空宇オールS。あなたは多分死なないわ、私が見守るもの」
「そーねー」
「マグマにダイブしても、熱膨張も平気よ!」
「ソーネー」
心が疲れた・・・
「なんかツマンナイわね。もういいわ、バイバイ」
ビカーーーーーッ!!
あ、最後の効果音は分かりやすい・・・・
そうしてオレは異世界転移することになったのだった。
・・・そして100億年後
いやぁ、生身で宇宙空間にいても超新星爆発に巻き込まれても、どっこい生きてる。
(あひゃひゃひゃひゃ)
スキルのせいか狂うこともできないし、こりゃあ本格的に死ねないみたいだなぁ。
(はぁ・・・、笑った笑った。いやー、あなたを送って正解だったわね☆)
そして、女神のテレパシーがうざい!!
(どこか他の星を探して入植してよ。あなたもボーッとしてるだけじゃつまらないでしょ?)
それもそうだな。
(無限に広がる大宇宙はあなたの海よ。あなたなら行けるわ武藤宗也、どこまでも遠くへ)
ああ。
オレの冒険はこれからだ!
完
最初は偉ぶって神様っぽく振る舞おうとしてたはずが、素がでちゃった。
モチロン続かない。




