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不思議な塔にまつわるあれこれ。  作者: ちびやな@やなぎ
15/96

013-1 探検中のあれこれ。

管理番号が半端なのは、この先を書いてから差し込んだためです。

話の時系列通りになっていますので気にしないで下さい。

 塔に来てみたもののいらだちが収まらないまま、ざくざくと歩きまわる。


 まぁ、ただの時間つぶしだし、部屋に戻されればそのまま数時間は眠ってるわけだから、丁度いいってだけだ。


 習慣通りマップを呼び出して、確認しながら壁沿いに移動する。

 別に壁伝いじゃないといけない理由はないんだけど、こうしていれば少なくとも壁に面している側から攻撃されることだけはないのが安心だから。

 やっぱり多少なりとも安全な方がいいし。


 しっかし、この塔、元からこんな内装だったのかなぁ?

 床は土間だし、壁もなんだか質素だし……。

 正直言って、上層部が宝物庫になっているにしてはしょぼい造りに見える。


 気にはなるんだけど、わざわざ確かめる程の事でもない気もするし、放りっぱなし。


 けどまぁ、いらいらした時に発散する方法がないのが困ったもんだよなぁ。

 昔は――日本にいた頃は音楽を聴いたり本を読んだり、色々あったんだけどどれもこれもこっちでは無理なことばっかりだ。


 そんな事を考えつつ歩いていると、前からポリバケツ(仮)が。

 あぁもう、腹いせに思いっきり殴ってやろう。


 これだけはもう慣れた距離の詰め方で、私が先に行動できる様にする。そして右腕を振りかぶると景気よく振り下ろす。


 ぱっかーんっ


 やけに景気のいい音を響かせて、ポリバケツ(仮)が吹っ飛んだ。


 ……はい?


 きょとんとしている私の前に戻ってきて停止。


 …………ええと? 何が起こったんだろう?


 いや、何が起こったかは予想がつく。

 きっと、今のなぐりでノックバックしたって事なんだろう。

 でもなんでそんな事がいきなり起こったんだかはさっぱりわからないけど。


 ターン制のいい所はこういう時にゆっくり考え込んでいられる所だろうか。


 けど、考えてわかることでもない、か。

 この手甲の効果が発動したっていうのが一番ありそうだけど、そんな事、私には確認しようがない。


 とりあえず今重要なのは、再現性の方だろう。


 今回、今までと違ったことといえば八つ当たりアタックだったことか、力一杯殴ったことくらいだし。

 今までは手が痛くなりそうなんであんまり力いれずに殴ってたんだよね。

 手の怪我とか、本当しゃれにならないし。


 よし、壁際なのを有効利用するとしよう。


 片手を壁について思いっきり蹴り飛ばす。


 ぱかんっ


 やっぱりかなり景気のいい音がしたけど、ノックバックはしなかった。

 そして、ぺふりと体当たりを食らう。


 ……ううん、思いっきりの方じゃなかったのか。

 八つ当たりアタックの方は、なんか毒気抜けちゃったしなぁ。

 検証のためにむかつくこと思い出すのも嫌だし保留しようっと。


 ……ん? 今ふと思ったんだけど、左手なら殴ったら思いっきりやっても怪我しないんじゃ?


 この手甲、普段つけていても素手でいるのと変わらないからほとんど意識しなくなってきてるけど、実は結構目立つ。


 どんな物質なのかはよくわからないけど、明らかに金属だとしか思えない質感。

 色はシルバーにラメ入りの透明マニキュアを塗った感じとでも言えばいいんだろうか。

 携帯とかスマホの塗装にあったら結構好きな感じ。


 で、形状は指先のない肘下までの手袋を想像してもらいたい。

 運転用のUVカットグローブ、と表現するのが一番近そう。

 質感さえ布っぽかったら防具には見えないこと請け合い。


 ただし、不思議なことにこれ、私が自分の右手で触る分には普通に腕に触ってる感触があるし、風とか布が触れる感覚もある。

 でも、ぼんやりしててぶつかったりすると金属音がして、衝撃がほとんどない。


 そう考えると、私が何かを殴った衝撃も吸収してくれそうな気がする。

 うん、きっとそうに違いない。


 んじゃま、景気よくいってみますか。せーのっ。


 ばきゃっ


 ちょ?! いきなりポリバケツ(仮)が陥没したっ?


 そしてそのまま沈没。リサイクルセンターで小銭になりました……。


 ええぇ……? 私、そこまで思いっきり殴ってないんだけど……?

 しかも利き手じゃない方でだから、たいした威力なさそうなのに、なに今の豪快な陥没……。


 あぁもう、ここまで親切なのに攻撃力とか保有スキルとかだけ見られないのは何でなのっ。

 とりあえず、これからは左手で殴ることにしようっと。



 その後、何度かポリバケツ(仮)と出くわしたけど、左手で軽く殴ると一撃必殺なんですが……。

 なに、このチート威力。


 つか、なんで左手限定なのっ?

 普通、利き手じゃない方で殴るとか考えませんから!

 右手にくっついててくれたらもっと早く気づけたのにっ。


 うん。帰ったら何で左手につけろって言ったのかディノのこと問い詰めてやる。

 んで、なんとなくとか言ったら左手でデコぴんしてくれるわっ。

 デコの真ん中に痣でも作って笑いをとればいいんだ。


 一撃で敵を倒せる様になったからか随分と順調に探索が進んで、なんと一階から脱出成功!

 やったねっ。



 二階に行くと、内装は一階とまったく同じだった。


 ……あの、ここ二階だよね?

 何で全面土間なんですか?

 どんだけ頑張って土運び上げたの……?


 そんな事を考えつつ私が一歩離れると階段が消える。

 中に入った時も入ってきたドアが消えていたからそうなるだろうとは思ってたけど、やっぱりか。

 こんな所も某ゲームそっくりです。

 まぁ、ゲームそっくりだから慌てずに済んでるんだろうけどさ。


 少し歩きまわるとなぜかポリタンク(仮)が現れた。

 いわゆる石油の携行缶? 石油ストーブをお使いの方にはおわかりいただけると思う、赤いあれが現れた。

 つか、なんでポリシリーズ?

 こっち来てからその手のものは塔の中でしか見たことがないんだけどなぁ。

 どういう事なのやら不思議でならない。


 ……相変わらず突っ込み所の多い塔でございます……。

お読みいただきありがとうございます♪


相棒に「一体いつまで塔の中に入らないの……?」と突っ込み食らったので急遽差し込んでみました。


私ももう少し塔の中のことを書く予定だったんですが、主人公が言うことを聞いてくれません^^;

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