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第10話:はじめての防具作り

挿絵(By みてみん)

鍛冶場


初めての防具作りの大変さは、

想定を遥かに超えていた。


まずは設計書を書いた。


書いては消して、書き直して。

修正、修正、修正……


行き詰まった時は、ドウジに頭を下げ、

鍛冶場にある防具を、試着させてもらった。


身体を動かして試し、自分に合う防具を模索した。


そもそも、どの防具も着慣れているはずもなく、

体を動かせば、邪魔に感じ、動きを鈍化させた。


動きづらさは、ゴーレム戦では致命的だ。


動きやすく、ある程度馴染みのあるもの……


幼少期の記憶にたどり着いた。


公園で、ローラースケートをしていた。


その時に装着していた、

スポーツ用の、プロテクターが頭に浮かんだ。



納得のいく、設計書が仕上がった。



達成感に浸る暇もなく、

次は、ベースの製作に取り掛かった。


叩いて、曲げて、削って、合わせて、

修正、修正、修正……


形が合わない。サイズが合わない。

何度も何度も作り直した。


時には、背後からこっそりドウジを観察し、

技術を盗み、試し、自分のものにしていった。



少し不細工ではあるが、ベースの形が整った。



ラスト、核を組み込む工程に挑む。


鍛冶職人としての、腕が試される気がした。



まずは、スライムの核。


スライムは二回のクエストで、計二十匹討伐。


全て、スキルを使って倒していたので、

スライムの核は、二十個も保持していた。


この核の特性は、打撃軽減。


ゴーレムの攻撃は、拳、踏みつけ、岩投げ。

攻撃の全てが、打撃攻撃だった。


特性との相性は、抜群だ。


両肩、両肘、両膝、両手には、各一個ずつ。

頭、胸、背中には、贅沢に四個ずつ使用する。


持ってる限りの核を、全て組み込むつもりだ。



そして、ホーンラビットの核。


ホーンラビットは、討伐した数は十匹。


スライムとは違い、通常攻撃で倒したものも多く、

核の数は、二個しか所持していなかった。


追加で倒しに行こうかとも思ったが、

受付嬢の鋭い眼光が頭をよぎり、断念した。


この核の特性は、素早さUP。


ゴーレム攻略には、背後への回り込んでの攻撃。

攻撃を躱すための回避。そのための移動速度が必須。


こちらも、相性は抜群だ。


両足に、各一個ずつ組み込む予定だ。


肝心の加工方法。


スウィフトハンマーの製作時に、

試行錯誤して、やり方は習得していた。


ふう


呼吸を整え、精神が安定するのを待つ。

目の前の、この一打だけに、全神経を集中させる。


…すう



「核心の一打」




制作を始めてから、

五日が経っていた。



……完成!


僕は、出来上がった防具一式を、台上に並べた。


皮と鉄の混成。

ところどころ、埋め込まれた核が、鈍く光る。


気になる箇所はいくつかある。


でも。


いま、やれることは、全てやったはずだ。



ふう



僕は、深く息を吐いた後、生まれたての防具たちを、

丁寧に丁寧に身に着けていった。


少し、重い。


でも、笑みが溢れて抑えられなかった。



最後に、靴。

履いて、鍛冶場の中を、少し歩いてみる。


か、軽い。


さっき感じた防具の重みを相殺……

いや、それ以上だ。



「……いける」



そう呟いた瞬間、

背後から聞き馴染みのある、低い声。



「おい……」



振り向くとドウジは、

口を開けたまま、固まっていた。



「……なんだ、そりゃ」

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