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異世界転生………。
確かに異世界転生したと考えればこれまでの違和感に合点が行く。
あれだけボロボロだったのに治ってるし、星座やっぱり無いし…。
それにしても、さっきの短剣と盾はどっから出てきたんだ?
ダメだ、ここが異世界だったとしても分からない事が多すぎる。
「キュウキュウ」
「お前達が無事で何よりだよ。」
子ぎつねと子ウサギ双方怪我なく小鬼を退けられたのは、素直に自分を褒めていいだろう。
「お前らはこれからどうすんだ?」
周りを見た感じ、生き残りは居ないようだ。
きっと、命がけでこの2匹を逃がしたんだろう。
「はぁ…まあしょうがねえか。お前ら一緒に来るか?」
一応2匹にそう言ってみると、言葉が理解できたのか、子ぎつねは肩に乗り、子ウサギは胸に飛び込んで来たので抱える形になった。
「お、おい!自分で歩いてくれよ!」
動物は好きだから別に飛びかかってくるのはいい。
いや、むしろご褒美まである。
けど、肩に乗られた状態で歩くのは話が違う。
疲れるからな!!
まあけど、こいつらも今日は散々だったんだ。
「ったく、今日だけだからな。」
こんな子供の頃に、家族みんな殺されたりしたら、自分だったら耐えられないと思う。
家族か…。今頃みんな何してるのかな…。
おれが居なくなったことにどれくらいで気づくのかな。まあ、何年も連絡を取ってないから気づかないだろうな。
「とりあえずお墓でも作ってあげたいけど…」
穴を掘るにしても手でやってたら何日かかるのかも分からない。どうしようか…。
「キュウ」
「どうした?」
子ぎつねが鳴き声を上げて肩から降り、またひと鳴きすると、辺りが青白い明かりに照らされた。
「な、なにこれ。お前が?うわぁ!?」
「キュウウ」
子ぎつねの周りに青白い火の玉が何個も現れ、哀しげに横たわった無数の亡骸たちを包み燃やした。
「火葬で良かったのか。ちゃんと弔ってやろうな。」
てか、これ狐火って奴だよな?
こいつら妖なのか?まあ、とりあえず手を合わせてっと……。
「目を開けるのじゃ」 「さぁ、顔を上げるのです。」
何この声、顔を上げろ?言われた通り……。
「いっっっっ!?」
言われた通りに、目をあけ顔を上げるとそこには無数のキツネとウサギの亡霊がいた。
「我が一族の子を守って頂き感謝致す。」
「貴方のお陰で私たちも安らかに眠ることが出来ます。」
すげぇな、動物って死ぬと喋れるのか。いや、もしかしたらこの世界の動物は元々喋れるのかも…。
「いやあ、守ったなんてとんでもない。成り行きでこうなっただけだよ。」
「事実、こうしてこの子らは生きているのじゃ。其方の名を聞いておこう。」
「名前?嶺亜だよ。」
「レイア殿か、珍しい名じゃ。ではレイア殿一族の子を守ってもらった御礼じゃ。受け取ってくれ。」
彼がそう言うと、彼の周りにいた他の狐の亡霊達がおれの身体の中に入ってきた。
「うげっ!?なんじゃこりゃ。」
「我が一族の力が使えるように力を授けた。」
うおおお!てことはさっきの狐火も使えるってことか!
「ウサギの一族からも、貴方に力を与えます。」
さっきと同じように、ウサギの亡霊達が身体の中に入ってきた。
「ありがとう、うさぎさんキツネさん。」
「それともう1つ、レイアさん、これからこの森を奥まで進んで抜けて先に町があります。そこに向かいなさい。」
「町があるのか!いい事を聞いた。ありがとう向かってみるよ。」
「それともう1つ、我々を弔ってくれた事も感謝じゃ。これから頑張るのじゃぞ。」
そう言うと、狐族?のみんなと兎族?のみんなは消えた。
すげーな、一連の展開めっちゃファンタジー。
「てな訳で、その町まで行ってみるか?」
「キュウ〜」
「ははっ、やっぱ言葉は喋れねえか。」
森を突き進んで、町に行けばもっとこの世界のことが分かる気がする。今はとにかく歩こう。この子達と共に。




