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虐殺されたキツネとウサギの遺体
それに群がる小柄な怪物達
食い漁る者もいれば、まるでおもちゃで遊ぶかのように弄ぶ奴もいる。
「なんだよこれ………」
一旦身を隠すために木の後ろに立って、その光景を覗き見た。
夢……では無いんだよな。
余りにも非現実的な光景が、驚きと恐怖心を煽る。
目を覚ましてから今まで、確かに少し不思議な体験をしているなとは思っていたけど、これは度が過ぎてる。ホントに現実なのか?
そんな事をボーッと考えてると、群れの何匹かが会話をしているのが目に入った。
「ウギャーギャアギャア」
何を喋ってるのかは分からないけど、コミュニケーションを取ってるのは間違いないと思う。
一通り話終わったのだろうか、ギャアギャア喋っていた数匹が話さなくなった。
そしてこっちを見た。
「やばい」
ここを離れなきゃと気づいた時には後の祭り。
一瞬にして、この怪物達は距離を詰めてきた。
「ギギギギャアアア」
奇妙な声を出しながら飛び跳ねて、手に持った棍棒のようなものをおれに振り下ろしてきた。
ガンッ!!!!
恐怖で目を瞑り、咄嗟に出した腕は……
あれ?痛くない。
恐る恐る、目を開けるといつの間にかおれの手に盾が持たれていた。
「え、なんで?」
そう思ってるのはおれだけじゃないみたいで、怪物達にも戸惑いを感じる。
「ウゴオ!ギャアギャア!」
もう1匹も飛びかかって来たが、それは勿論盾で防ぐ。
ガンッガンッガンッ
何度も何度も怪物達が飛びかかってきて、その度に盾で防いだけど、何時までもこれを続けてたってしょうがない。
けど、武器が無ければ反撃なんて………
ビュンッ
一瞬で、さっきまで相手の攻撃を防いでいた盾が消え、代わりに短剣のような物に代わった。
「…どうなってんだよこれ。」
「ギャアアア!」
と、とにかくこいつらをこれで倒すしかない。
落ち着こう、まずはしっかり相手を見なきゃ。
おれに興味を示して、襲いかかって来たのは目の前にいる3匹だ。残りの数十匹はこっちには目もくれず、キツネ達の遺体を食い漁ってる。
この3匹のうち、2匹は棍棒を手に持ち、もう1匹は何やら骨で作ったであろう、小刀?のようなものを握っている。
どれから仕留めるべきだ?いや、おれから攻めるのは危険だ。相手の動きを見て避けて刺す。これを繰り返すんだ。
「グギギ、ギャア!!」
棍棒を持った1匹が飛びかかってきた。
相手を、見る、見る………。ここだ!
振り下ろされるタイミングで避けようとすると、思っていたより自分の身体が身軽だったのか、イメージ通りに避けれた。
避けた次は?どうする?もう攻めに出ていいのか?
相手は飛び跳ねて棍棒を振り下ろしてきたから、着地するまでの間は、反撃したり回避したりするのは難しいだろう。
「なら、ここしかねえだろ!!」
目いっぱいの力で、小柄な怪物の背中に短剣をぶっ刺した。
「ギヤアアアアアアア」
悲鳴を上げながら大量の血を出して死んだ怪物を見て、少し吐き気が込み上げた。
「つ、つぎ!」
「グ、ググ、ギャア!」
仲間がやられたのを見て怯んだのか、残りの2匹は逃げた。他の奴らもさっきの悲鳴を聞いて身の危険を感じたのか、森の奥に消えた。
な、何だったんだよこれ。
どこから盾が出てきた?短剣もそうだし。
てか、あの怪物なに?緑色で小柄で……あれ?
「もしかしてゴブリンってやつ?」
小鬼
よくゲームとかに出て来る定番モンスター。
ゲームとかに……。
「あれ、これもしかして…」
異世界に来てる?




