#5 生命の尊さとは?(Be angry)その三,の巻
長めです。
2024年3/19に全体の修正加筆とセリフの変更を行いました。
3/20最後の優依の言葉を変更しました。
5/7、日本の記述を変更しました。
優依が不意の一撃で陥没し落下した地下1階は、くり貫かれたような神秘的な空間が広がり上段には儀式の祭壇がある。
フリーモンデは祭壇の台座の1番上、真ん中に1人で待ち構えていた。
竹神楽 優依は、この世界に召喚された昼から連戦と疲労を引き摺りながらも迎えた深夜の出来事は心身共に限界が訪れようとしているのを感じながらも彼が彼自身から来る特有の性格が災いしてか無理を通し切ると覚悟を更に決心させる。
村長ギアに迫る1号と呼ばれた奴隷の命令に優依は激昂していた。
「やめろぉぉぉぉぉ!」
自身の柄や醜聞を脱ぎ捨て叫ぶ。
しかし優依の肩や背・足には瓦礫が邪魔をして圧迫しては抜け出せず状況は何一つ、一変出来ていなかった。
「‥‥おい‥‥‥オッサン。
‥‥‥お前がフリーなんとかか?」
時間を稼ごうと普段から態度や礼儀が成ってないと言われ思われては、それが堪らなく嫌なのを今は、わざと自分から演じる。
「くっ…………貴方、さっきから失礼ですよ。
‥‥‥まぁ良いでしょう!
如何にも私が彼の有名なラスカル家の2代目当主フリーズ・モンデーウェイン様です!!
それにしても汚ならしい。
そのまま野垂れ死になさいな!」
「うる‥‥せぇーー!!」
時間稼ぎとフリーモンデの言葉で冷静さを取り戻した優依は特異能力を軋み痛む身体に無理やり発動させると暴走させてプラズマを纏いながら疑似的に昼間に体感した状態を真似て再現すると瓦礫を電撃の乗った衝撃波で吹き飛ばすと立ち上がる。
優依の上方から天井や床、と地下、1階、2階、と屋根を破壊して上空にオーロラが出現し夜空に緑から赤に変化しては舞い踊るカーテンの様だった。
優依は頭から流血し背中や太腿、脹脛等に瓦礫の破片や鉄筋が刺さってしまっているのを見てフリーモンデは恐怖と驚愕を同時に覚える。
「あ、貴方は‥‥わあ、は、ほ、は何者なんだぁ!?
‥‥‥1号。
1号!!?
先に、先にコレを殺しなさい!!」
言いながら尻餅を突いて後退しながらステッキを振り回しながら喚き散らしていた。
「‥‥知るか。」
血涙を袖で払うと優依は発光している瞳を更に煌めかせると瞬時に姿を消したかと思った矢先、村長ギアを握り締めて左手で殴ろうとして命令変更で優依へと向かおうとして苦しいように叫んでいた巨漢の1号を殴り飛ばし転倒させると高速移動を停止して仁王立ちの身体の周囲をパチパチッバチバチッと弾けているプラズマを余所に、ぐふぅと吐血すると破片や鉄筋を取り除き投げ捨てるとプラズマを終息させて倒れそうになるのを堪えるも咳をして微量の血を吐く。
オーロラは消え通常の帯電とプラズマに切り替わると、ゆっくりと歩みをフリーモンデへと向けて動き出す。
「‥‥次は‥お前だ。
………フリー何とか。」
「うおっ!?
早く、早くっ!!
遅いぞ、何してる!?」
フリーモンデはタキシードの胸ポケットから呼び出し用の人には聞こえない笛を取り出すと勢い任せに吹くと奴隷を呼ぶが遅いのを愚痴りながら逃げ惑い走る。
「‥‥うるせぇ。」
1号が壊し優依と落ちてきた穴から降りて来たり、1階から地下に通ずる階段の扉を開けてと数十人が優依に飛び掛かって現れる。
『体が熱い、だが寒い。
電気を飛ばすとは‥‥‥やっぱムリか。』
敵の剣を殺気で察知して避けると殴って天井に着地すると磁力操作を解除して落下しながら蹴って次の相手を殴り飛ばすと床に着地する。
掠り傷を作り打撃を少なからず受けながらもカウンターでヒットさせつつ敵に苦戦しながら倒していく。
「ユウイ様!?」
「大がぁはぁ!!
‥‥‥‥‥大丈夫だ。
‥アンタは今の時に逃げろ!」
背中から壁に押し付けられるも蹴って退けると村長に避難するように言って村長に近付けされないように前に出て戦闘を再開する
「されますか!!
1号っ、何時まで寝ているのです。
今すぐ起きて、この父親を殺せ!
殺しなさい!!」
「‥‥させねぇって言ってんだろ。」
電気ショックの威力を中にした事でやっと気絶させられると気絶させた男性を1号に投げ飛ばして気を引かせると1号の前に移動してギアに手出しさせないように殴るもビクともせず逆に優依が痛がってしまう。
「ユウイ様。
マボスを、息子を助けて下さい」
「勿論だドバァ!?」
1号の大振りのパンチを躱すも前蹴りを喰らい壁に激突して倒れて壁の瓦礫や塵が背中に落ちる。
急いで起き上がって直ぐに飛び蹴り、ドロップキックをするが囲まれ倒しきれていなかった奴隷の棍棒を諸に喰らってしまう。
「だらぁクソォォォォォォォォ!!!」
叫びながら立ち上がると電撃の殴打で飛び込んで自棄糞気味にヒットアンドアウェイで戦い始める。
「マボスを、マボスを殺して楽にしてやって下さいませんか!!」
大粒の涙を流しながら顔を押さえながらギアは息子マボスの殺害を優依に懇願していた。
「村長!
‥‥アンタはそれでいいのか!?
ぐはぁ、‥‥うら!
息子は、マボスはまだ生きてんだぞ。」
後ろのベルトバックに指を伸ばし中身を漁り、目当ての物を手探りに探していると注意力散漫の所を1号が雄叫びを響かせ背中から踏みつけられてしまう。
踏まれた背中から腕に掛けて激痛を感じながら隙を縫ってバックから、お目当ての物を見つけるとソレを掴むと確認もせずにクチに運んで含む。
即効性的に帯電の出力が上昇すると1号を跳ね退けて立ち上がると村長に向き直って言葉にする。
「アンタも本音は嫌なんだろ?
俺は嫌だ‥‥‥俺は嫌だぞ。
だから俺は……アイツを、殺したりしない。」
「ユウイ様…………。」
「ふざけるな!!
貴様、貴様は何者なんだ!?
いきなり強くなって関係ないコイツらの味方をする。
付き合いの浅いと言うのに何故ソコまで肩入れするのだぁ?」
「‥‥損得だけで全員が………生きてると思うなよ。
‥‥安心しろ、お前はとっくに俺の敵だ。
‥‥‥あと‥‥これはパワーアップアイテムだ。」
手の平を見ながら優依はクチに含んでいた残りを噛み砕くと、口を手の甲で拭う。
優依が所持する後ろ手にあるベルトバックは彼の知り合いが特異能力の黒色異次元の裂目で空間を広げて容量に通常より多く収納されている特異能エネルギー補給強化用の掌より少し小さい位の飴玉とチョコ玉の劇薬が500個確保され常備されていた。
服用の副作用は1度に1個、同日に連続服用は禁止され使用後には特異能力が数時間、使えなくなり効能が切れた後は意識が無くなったり意識は有るが身体が動かなくなったりなどするため元の世界にいた頃から使用には許可が必要で緊急措置でのみ、だったソレを優依は無許可で独自判断で後先考えずに使用した。
そしてそれは、もう補充はされない事を意味し満タンから在庫の1つにカウントが切り替わった瞬間となる。
そして強化薬の効能が特異能力を爆発的に上昇させてから効果が切れるまで、あと10分。
「俺の世界の科学技術だ。
‥‥‥お前はもう眠ってろ……スタンガン・強……。」
「と、う"ざ、ん"………。」
グオォォォォと唸り声を上げていた1号ことマボスは目映い火花と飛び回し蹴りで壁に大穴と皹が天井まで破壊して瓦礫の下敷きになり昏倒する。
「これで目が覚めても身動き出来ないだろ。
‥‥でも、やっぱり出来ないか。」
「何が、何が出来ないですって!?
ハハ‥‥フフッ‥フフフハハハハハハハハ!!
ここまで私を追い込んでくれるとは貴様が初めてですよ!!」
儀式の台座の窪みにステッキを指すとカラクリの動く音がしたと思ったら儀式の台座は1度一段と高く上がり天井近くまで展開されると、そこからステッキに仕掛けが合体して何かをし終えると段々と低く小さくなり地面と同じ高さに収まるとギアや優依へとフリーモンデを移動して運ぶ。
少し通り過ぎてからステッキを力任せに引っこ抜くと動きを止めると台座から降りてからステッキをグルグルと回転されると、カラクリの出来にギアも驚いている様子ながら満足げにフリーモンデは良い顔をする。
この場所の事は儀式用の台座が残されていた事や改造させた事は知っていながらも始めて仕掛けを起動させた事を表していた。
「‥‥うるせぇ」
だからか優依の一言よりギアの表情で気を良くしたフリーモンデは寛容にステッキを腕で回しながら不敵に微笑む。
「ふっフン………取り乱してしまいましたよ。
コホン」
身なりを直し咳払いすると歩きながらフリーモンデはステッキを持つ右腕から魔法を発動させる。
「〈右回転〉!
〈左螺巻き杖〉!
私は属性魔法の適性が無く、ノーマルの魔法しか使えませんでした。
フフっフン。」
杖の尖端で魔法陣を溶かして吸い取るとステッキに取り付けられた水晶玉が火属性の模様に光り魔法陣が起動してスキルが融合発動すると水晶玉から機械的な音声が読み上げられる。
「{焼孔貫通刺火}」
「プラス、〈ファイアーホーン〉!!!
ですが?
この通り!
国のお偉いや他国の研究とは素晴らしい!!
適性外の魔法が使えるようになるのですからね!
この力で幼少期に、この私を虐めてくれた愚か物共には死んでもらいましたから。
貴方もその仲間入りです!」
『これがちゃんとした攻撃スキルか。
ウィザードの奴のとも、プラザのともシークエンスが違うな。』
近付いて来るフリーモンデに合わせるように優依も後ろに後退って砂を擦る音をさせる。
「二重陣併掛詠唱を成功させられるのも私の才能あっての事なのです。」
気分を良くして高笑いするフリーモンデの瞬間を狙って優依は磁力を操作してフリーモンデの後方の壁に高速で瞬間移動のようにすると、いきなりの事に振り返った時には飛び降りて首根っこを掴んで拐うように地下から地上の光りを入れるための高所にある窓に目掛けて激突ける。
「当たらなきゃ意味ねぇ~だろ。
‥‥‥‥‥ぐふぅ。」
窓が割れ、枠組みや破片と宙に放り出されてフリーモンデは咄嗟に笛を吹いて部下に守らせると地上に飛ばされながらも地面に衝突する前に奴隷に守られ軽傷で立ち上がる。
「卑怯な!!
この私に血を、血を流せさせるなんて!!!
もう離しなさい!
許さないぞーーー!!!」
屋敷の外、村の住人達のエリアに通じる坂道付近で誇りを払いながら奴隷を、一通りステッキや蹴り終わるとハンカチで顔とシルクハットを綺麗にすると優依の特殊な能力や容姿に合点がいくと大声を張り上げて此処まで来るよう怒鳴り散らす。
地下にまだ残っていた優依は村長を立ち上がらせ1階から出るように言うと地下の地上に繋がる外へのトビラをスタンガンの高出力の高電圧で熔して壊すと暗がりを足を引き摺りながら進んだ。
◇◇◇◇◇
『さっきは空の時のを真似したけど今はもう‥‥ダメそうだな。
左足も腫れてるな。
こんな事ならチョコの方を食っとけば、よかったか?』
激痛を他には見せないように地上に出ると待ち構えたようにフリーモンデはニヤリとするとステッキから火球を撃ち出すが優依は伸ばすと右手で掴み握り潰すようにスタンガンで爆発させる。
以前にも同じような事が有ったなと感想を抱くと何も無かったように再度、フリーモンデへと歩みだす。
『バカな!?
生半可な火力の魔法では無いんだぞ!!
それを片腕でだけで??
………有り得ん……それに最初から奴には変な所が多い。
お!?』
「何ですって?
魔力の反応が薄いだと!?
と言うより皆無に等しい、そんな!
奇怪しい、不自然だぞ!
…まさかっ………別大陸の勇人傑族の血筋なのだと、すっかり思っていたが。
そうか。
………騙さ~れていましたよ。
そうだったのですね!
その純粋な黒髪に黒目は。
噂に聞く異世界人の召喚に天界人共は成功していた証拠!
…………なんと言いましたかな?」
別の部下に教えられるとステッキで焼き殴ると笑顔に張り変えて手を差し伸べる。
「ユウイさん、商取引と行きませんか?
私は物を売り買うのが仕事、元々戦闘を生業とはしていません。
会話で解決するのなら、それに越したことはありません、そうでしょう?
違いますか?
どうやら貴方は彼等、獣人に御執心の様子。
彼等の支配権を差し上げますから此処はどうか大目に見てくださいよ。
どうです?
正にWin-Winな関係ではないでしょうか?
自分の才能が恐ろしい~」
「話は終わったか?
長ぇ~よ。
俺はなぁ、お前みてーなヤツが1番嫌いなんだ。
あのクソ父親みてぇーな考えの奴は懲りもせず繰り返す!
その場しのぎの嘘の八百と復讐を考えるんだよ!!
頭ん中じゃあ、どう逃げるか考えてんだろ?
えっ?
違うかよ悪党。
俺はここにいるぞ、掛かって来いよ!
オラァぁぁぁぁぁぁああ!!」
「なっな、なんて下賎で無礼千万なんでしょうか!
‥‥フフフ、ハハハハハハ……いいでしょう。
ここまでのようですね。
あたり前だろうが、ここまでコケにされておいて。
貴様と手なんか組めるかぁぁぁぁあ!!
下手に出てやってるってのによぉ!
報復しねー方が可笑しいんだよーーーーー!」
フリーモンデは地団駄を踏んで落ちたシルクハットを踏み潰したまま手に取ろうともしない。
「なら、もう分かってんだろ?
答えはNO。
いいえ、だ。」
「‥‥‥残念です。
クヒ、フハッフハハハハハハハハハハハ!
貴方は選択を誤りましたね。」
「あ?」
そこには、すまないと謝罪やそれぞれの言葉を優依に掛けている村人の内の1人がクナイを首元に当てて人質のようにして連れている1人の少女の姿があった。
優依は思いもしない状況に眼を大きくして開いた口が塞がらなかった。
「プラザ!?」
◇◇◇◇◇
優依がフリーモンデの館に派手に侵入して優依自身を的にプラザから気を引くように騒がしく暴れ回っていた直ぐの事だった。
プラザは村長宅に忘れられていた優依が昼間に使用していた鉄パイプの存在を思い出すと取りに戻った所で運悪くフリーモンデの命令が更新されている村人達に捕まってしまうのだった。
そして現在、身動きを封じるように数人に掴まれて優依の前に連行されていた。
「ほうほうほう。
これが村人達が必死に隠しては私に見せないようにしていた例の少女ですか?
おや?記憶では…………。
まぁいいでしょう。
ユウイさん、分かりますね?
私にしては賽低目な手法ですが英雄気取りの貴方には効果覿面でしょうか?
妙なマネをしたら、この奴隷、いや少女を殺しますからね。
動かない事をオススメしますがどうします?」
「申し訳ありません、ユウイさん。
守られて助けられているだけなんてイヤだったんです。
‥‥ごめんなさい。」
「ほうほう。
フフフ、ハッ健気った奴ですか。
ですが貴女は彼の足を引っ張っただけてすからね。
バカですよ!
マヌケな獣人らしい、実に阿保丸出しです。
所詮は獣!
獣は獣らしく家畜のように、ご主人様に飼われていれば良い物を~。」
「‥‥‥上等だ。
そんな事、ねぇーよ!
ありがとな。」
「期待や希望に…………ん?
何ですか?
何が上等なんですかね?」
「これ以上、喋ってくれるな。
‥‥プラザ、もう少し待ってろ。」
「ユウイさん、私の事なんか放っておいて逃げて下さい!」
「フフフのフフ、ハッ!
泣かせますね。
ですが、この状況からどう助けると言うのですかね。
動いたら殺しますけどね。」
「{ファイアー・ボール}」
「〈スティング〉」
ステッキの水晶玉から放出された火の玉にステッキに魔力を乗せた石突きで優依に攻撃する。
優依は避ける事も無く、されるがままにフリーモンデや奴隷達から殴られ蹴られ魔法の攻撃に遂に土に膝を着く。
「もう、もう止めて下さい。
ユウイさんを。
ユウイさんを助けて下さい。
お願いします。」
「フヒ、良いですよ。
お前が私に侍く・な・ら・ね。」
「‥‥‥分かりました。」
フリーモンデが手で拘束を解くようにチョイチョイと合図するとプラザはフリーモンデへと、ゆっくりと進み出す。
「ユウイさん、ありがとうございました。
‥ちゃんと守られ切れなくて、‥‥‥ごめんなさい。
でも救われたんです。
貴方といた時は楽しくてポカポカして初めての気持ちを知れました。
本当にありがとうございました。」
震えているのを、怖いのを表に出さないようにしているのが分かって優依は起き上がろうとして奴隷の魔法攻撃で吹き飛んで民家を半壊するも急いで出てくると声を必死に荒げる。
「はぁはぁ‥はぁ。
‥‥プラザッーーーー嗚呼!!!
イヤなら止まれーーーーーーー!
ごめんなさい、ごめんなさいって‥‥ありがとうございますって。
‥‥‥友達とか仲間に要らないんだよーーーお!!!
分かったか!
‥‥‥‥‥‥‥‥まぁ俺も受け売りなんだ‥‥けどな。」
最後になるにつれて弱々しくなって掠れていた所を奴隷の魔法が直撃しそうになってしまう。
その時だった、雄叫びを上げる1号が射線に割り込んで攻撃を防ぐように現れる。
「‥お前は‥‥。」
「1号!?
何をしているのですか!!
ソイツを殺しなさい!
ソイツを!!」
「それは、もう無理な話しですよ。
フリーモンデ!」
「村長のジジィ!?
何をしたのです!」
「ワタシから説明しましょう。」
マボスの至る所に嵌められていた枷の全てが壊されていて村長の手には、その1つが壊れた状態で握られていた。
「よいですかな?
奴は、フリーズ・モンデーウェイン・ラスカルの父親アグレッセルは、この土地に伝わる神職に目を付けたのです。
しかし無理矢理隷属させた、までは良かった物の肝心の巫覡が誰か見つけられず。
我らも奴隷の隷属より協力な神の力で教えはしなかったために、お前は次の計画に進め無かったのですよ!」
その時、プラザを後ろから抑えていた1人がプラザから預かっていた優依の鉄パイプを投げるがギリギリで届かず落ちそうになるもマボスが軽々キャッチして優依に笑顔で差し出すと奴隷達を蹴散らし始める。
「うぅ。」
途端に苦しみ出す村長に駆け寄る優依とプラザ。
見ると村長ギアに魔法のタトゥーが浮かび上がり光り燃え盛り出している様子だった。
「おい、どう言う事だよ!?
知ってるか、プラザ?」
「そ、そんな。
マボスくんだったなんて。
‥‥‥ハイ、多分ワタシやマボスくんは……奴隷の紋印、魔法を施されていないからです。」
「さっきの、そうか。」
「そうです。」
ギアは苦しみながら真相を語り出す。
「‥‥現代の巫女の従者、神官がマボスなのです。
そしてワタシは捕まる前に代を継がせてしまっていた。
これ程、後悔しても悔やんで悔やみ切れない事は無いのです。
はぁ、ぐあぁあ!
うぅぅ。」
「おい大丈夫か!」
目で訴えて続きを話す事を諦めないと大玉の汗を浮かばせながらと言わんばかりに立ち上がると続ける。
「これ位の痛み、マボスやネイサ。
村に比べたら、どうって事ないのです。」
言ってギアは倒れてしまう。
死んだのでは無く眠っているだけと分かるとプラザは少しだけ安堵するも状況はそれを良しとはしていなかった。
「ネイサ?
えっ、あっ?
ネイサって誰だよ。」
クナイがプラザを狙って飛んできたのを鉄パイプで弾くもクナイを投擲したのはムサヴ達で、地面に降り立ち現れる。
「あのバリバリを、もっと強めに撃ち込んで、いないからワタシ等は早く目覚めてしまったよユウイ。」
クナイで斬りかかる忍者達に鉄パイプで応戦して躱しては防御に徹して此方は攻撃せずにプラザに近付けさせないように立ち回っているとムサヴは口元の布を外してギアの続きを語って優依達に教えてくれた。
「いいか?
戦いながら、でも死なないように聞き遂げろ!
プラザの母親のネイサは妊娠していた時に、この村はフリーモンデ…クゥ…ぅ……さ…ま…の暇潰しの余興で襲撃された。
それでも長年、巫女の存在を隠匿してきた我らは、決して教えはしなかったんだ。
‥‥‥‥‥何が遭ってもだ。
だからネイサも必死に耐え、隠れて……無事、プラザ達を産んだ。
分かるか?ユウイ。
その覚悟が。
曲がり捩はしない不屈の闘志と母の、女意地を!!」
「‥‥‥‥‥あぁ。
分かってるつもりだ。」
小さく心の底から漏れたような声にムサヴは臆してしまう。
その瞬間、死を見た気がするも優依は止めを刺さず過ぎ去ろうとしてムサヴは座り込む。
そこに優依はプラザに名を呼ばれて振り返えって我に帰る。
「ワタシも連れて行って下さい。
もう、覚悟が持てましたから!!」
「…………ハッ!?」
「フン………ユウイ!
あの巨体、マボスも奴隷はされていない!」
「えっ?
だって。」
「奴はプラザの身代りを買って出たんだ。
………プラザ、お前達を守っていたんだ!」
「そんな、そんなこと。
ワタシ………。」
「しかしバレてしまったのか。
それとも巫女と疑わず操るために、あんな卑劣な実験をしたのか。
それは分からない。
だが、マボスに触れている間だけは奴隷されているはずの私達も自身の意思で、奴の命令を無視して行動出来るようになるんだ!!!
‥‥‥獣人達に関わり、でしゃばって、味方をするのを咎めも侮りも、もうしない。
だから、我らの。
颯流弩獣を!!
今まで奴に苦しめられ、惨痛に死んでいった同胞の、‥‥‥家族の仇を取ってくれ、ユウイっ!!!」
「あぁ分かった
‥‥‥‥‥任せろ‥‥。」
静かに身を震わせて泣くのが当たり前の生活を強いられ癖になってしまっているプラザを優しく抱き締めたあと、横抱きに抱えると優依はプラズマを纏ってフリーモンデへと颯爽と翔る。
その表情はプラザには見えず、しかしムサヴ等が思いを託して尚、怖いと感じさせる程に激情を体現していた。
サイトnoteにて開催されていたコンテストに作者本人が応募した作品になります。決して無断転載や盗作では御座いません。
両サイトnote、なろうで注意事項や連絡確認済みです。
https://note.com/4869_joker555/n/nc064a437bb93?sub_rt=share_pw
この作品はフィクションです。
実在の人物・団体・事件・災害・国家・歴史・時代とは一切関係がありません。