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#10ノ巻

本日1回目

竹神楽たけかぐら 優依(ゆうい)の体調が良くなり明日にでも、この里から旅に出ると浮き足立つラウザの旅支度の様子の、一幕。


 ホワイトボックス、魔法のマジックアイテムで専用の使用所持者の魔力を込める事で、その本人の限界を越えない限り容量を増やし生き物以外を取り出しできる便利な、この世界の必需品の1つである。

そのホワイトボックスの機能が符合加工された革のショルダーバックにはショルダーハーネスが取り付けられていてバックリュックにもなる優れ物だ。

村の皆から餞別に貰った食べ物や、お金を仕舞うとリビングのテーブルに置き、自室に戻るとクローゼットから旅用の服装を吟味してはベッドに服を並べて、どれにするか考える。

手に取ってみたり、鏡を観客に身体に当ててポーズをしてみたりしていると気が付けば数時間が経っているのが部屋に射し込む光と影で気づくとラウザは急いでキッチンへと向かった。


 視力の快復した優依は此処数日の間、ラウザの出す料理に文句等は言わず食べている。

レッドスライムのレッドはスライム故なのか雑食性なので好き嫌いは有れど、やはり文句無く可愛く揺れながら間食する。

不満があるわけでは無いが感想くらいは欲しいものだ。

だからでは無いが少し意地悪をしたくなった。


「ねぇ~そう言えばユウイ?」


「呼び捨てにすんな。」


「いいじゃない!

それともアンタって呼ばれるのが、お好みなのかしら?」


「っで?

何だよ。」


「ふふ~ん。

ユ・ウ・イって何歳なのかしら?」


「はぁ?

なんだよ、いきなり!?」


「そうね、私は56歳の子供なのよね。

ん?

どしたの?

教えてってば~!」


「はぁ、お前‥‥‥誰から聞いた。」


「えっ何々なぁに?」


「知るか。

あの偉そうなエル(なん)とか様に教えて貰えよ。

‥‥分かってんだろ、教えない。」


「エルシィ様よ。

でもそう、ならやっぱりアンタ!

私より年下なんでしょ??」


「どーだろな」


「そうシラを切るの?

この子は見た感じ、生後半年も経ってないわね。

それで?

ユウイくんは何歳なのかな?」


「ぷるる??」


「はぁ。答えるまで、この遊び続けるつもりかよ。

めんどくさいから教えてやる。

けど!

絶対、茶化すなよ。」


「うん!

分かったわ当然でしょ?」


「はぁ~胡散臭い。

‥‥‥‥‥‥17歳。」


「ね~~!

赤ちゃんじゃない!!」


「あ~~~。」


「何よ?」


「別に。

もう寝る、行くぞレッド。」


「そう?

なら夜泣きしないように寝かし付けて上げましょうか?」


「いい。」


「なら、一緒に寝てあげよっか?」


「うるせ。

入ってくんなよ」


「ふふん。

可愛いんだから」


 無愛想な彼でも里の連中と仲違いする事なく円満に受け入れられ森に同行しては狩りをしたり特異能力と言うらしい魔力とは別の力の特訓や庭でナイフや格闘技の素振りをしていたりと大忙しに過ごしている様子をラウザは時折、発見しては眺めていた。

そんな事を感慨深く食事中の優依を見て思考を飛ばしていたラウザは目の前の優依の衣服が目に止まり、思った。

戦闘の勘と感覚を戻すためとラウザの目から見ても危険だと分かるソレに彼が持っていた服とは別に村の服を渡した衣服がボロボロになって帰ってくる。

魔法で言うところの雷属性とは根本的に異なる天然の雷や静電気を纏ったりとその現象に衣類が()いていけていない証拠だ。

キッチンに1人になったラウザは、一晩考えに考え抜いて、ついに名案を思い付く。

 それは旅用の優依用のバッグや靴に里に住む電気属性や、それ由来の種族の毛皮で作ったり編み込もうと考えたのだ。

毎日のようにラウザ自身が急かしていたのを忘れると彼女は里の女連中や縫製職人とを、一緒になって作業を始めた。

幸いにもフリーモンデが運んでいた荷の中にダンジョン由来の装備アイテムや素材も合ったのでラウザはコレ幸いにと遠慮無しに使う事にした。

優依が昼間に留守にしている間に始め徹夜は出発の日の最後だけはしなかった。

そして秘密のプレゼントを直前に渡すワクワクでラウザは寝れず寝坊してしまい、起こしにきた優依に起こされて文句からのケンカになるまでのセットで、お約束の展開に発展するのだがソレは又、いつか。

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