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12/22

#9ノ巻

作者も忘れていましたが主人公は左利きでした。

今後、優依は左想定で書きます。

なので以前の、お話しは修正していく予定です。

同日、2回目

 ──竹神楽 優依──

彼の現装備品類は上から学園指定の制服、これは優依専用にチューンナップがされている物で彼の身に纏う物は全て電撃耐性やレセプタ・絶縁体が設置、縫い込まれている。

不足の事態にでも出会(であわ)さない限り優依は自身の特異能で火傷等のダメージは負わないように設計されている。

そのため今回は例外的に上履きだけは通常の市販製品だった。

制服の下に政府仕様の高性能なジャージを1枚と今は優依からプラザに、そしてラウザへと渡った政府仕様のパーカーを召喚時は羽織っていた。

同様のシャツも着ているが優依はYシャツを着ていなかった。

ベルト部分の後ろにはポーチのようなバックが有り、ナイフがポーチの下に装着されている。

そして彼の同僚の特異でポーチの容量は異次元に膨れており外からの外見からは考えられない量を取り出す事が出来る。

但し新しい物を入れる事は不可能。

下着も電撃仕様で制服のズボンや靴下も耐性が施されている。

またアクセサリーの類いは付けていない。

何故なら優依の特異能が雷と特殊性から鉄等は危険だからである。


 次に彼の戦闘時の癖や態勢について。

優依は腕の袖から裾がハミ出すのを直すクセがあり、それを1度の戦闘で何度も繰り返す事がある。

これは1種のルーティンや彼独自の調子の良さを表すパラメーターや願掛け、余裕の現れに該当するのかも知れない。

そして戦闘時、優依はこれまでの経験や教えから独学のスタイルをとる。

まず左足を前に出し腰を少し落とし姿勢を曲げて右腕をクチや頬近くや、その位置で構えて静電気を発生させる。

この時、左腕は前に出す時と出さない時が有るが格闘戦時は柔らかく拳を作ったり、ぶら下げて内腿や外腿にダランとしている場合もある。

基本はナイフ想定で左手に装備する構えを取る場合が多い。


◇◇◇◇◇

 現在は黄瓢きん(じだい)(ぶゆう)()天直(あまつか)1292年。


 優依は夕日に、びしょ濡れでプラザと彼女の住むという村にプラザを保護・帰す名目で案内されていた。


「大‥丈夫‥です‥?

風邪、引くと大変‥なのでやっぱり乾かしますね。

清浄(バブル・)な水(ウォーター)

乾燥の温風(アリッド)〉」

 プラザが唱えると手の平から透明な魔法陣が現れ優依や衣服の汚れを綺麗にして乾かしていく。


「うお?

なんだコレ?」


「スキルです。知らない、ですか?」


「ああ‥‥‥知らないな。」

 どちらも二の次が出ず、気まずい雰囲気が流れ始める。


「えっと、助かったよ。

‥‥‥良い天気だな?」


「‥‥‥雨降ったので、気持ちの良い晴天です…ね。」


(わる)い。

気ぃー使(つか)わせたよな。

(くち)ベタなんだ。

‥‥でも受けた恩には酬いたい、ってか。

義理とか人情って言うと木っ端(こっぱ)()かしいしキャラじゃね~けどさ、大切しはしたいと思ってるんだ。

‥‥‥礼、言ってなかった‥‥な。」


「えっ?」


「いや、これの事じゃなくてよ。

さっきの事だよ。

ありが、、と、な。」


「なんだか元飼い猫なのに他人に懐かない野良育ちの猫みたいな人物(ひと)ですね。

‥‥‥貴方の気持ち、ワタシの家にも似たような人がいるので分かる気がします。」


「そうか?

‥‥‥‥‥またネコか‥‥‥いや何でもない。

んでさ、気になってんだがココってマジで地球でも日本でもないんだよな?」


「にほん?ですか。

ごめんなさい、知りません

そこにはスキル、魔法は無いんですよね?」


「あぁ、そんなの無いな。

CGでもないのに魔法陣だっけか?

あれは手から出たりしないしな。」


「えっと、さっきの仮面の人が発動させていたモノや貴方が使っていたのも私の知る魔法、スキルとは違っていました。

それは何なんですか?

あっ!?

ごめんなさい、ワタシなんかが!!」


「ん?

別に、これは特異能力って言ってな。正式名称は長くて覚えてないがサイキック、エスパーって……流石に分かんないか。」

 左手で軽く静電気をクーロン力で反発させて見せる。


「スミマセン、始めて聞きました。」


「いや、‥‥‥‥じゃあよぉ?

その頭の耳も本物なんだよな」


「はい、ワタシは獣人ですから。」


「じゅうじん、なんだそれ?」


『‥‥やっぱり。

神様の空のもっと上の国から来たのでしょうか』


「この世界には人族以外にも沢山の種族がいるんです。

えっと‥‥‥‥人族は500年から長くても千年は生きません。

逆に獣人は少し短くて300年から500ちょっと位です。

亜人は種族に因って、まちまちですけど人族と同じ?くらいらしいのです」


『なんかアニメとか漫画の話みたいだな。』

 無い知識を記憶から引っ張り出して優依はファンタジーの定番を思い出す。


「もしかしてエルフってのいるのか?」


「エルフですか。

エルスーンならいますけど?」


「こう耳の長い?」


「はい、こう耳の長い!

本で読んだ限りだとそうだったと思います。

あとはドドルゴム(ドワーフ)、リュース(龍人)もいて、エルスーンとリュースは平気で千年以上を生きるって聞きました。

魔族もそれと同じ位です。」


「‥‥‥‥‥んじゃあよぉ?

こう、なんて言うか背中から鳥の翼みたいなのがある奴らも知ってるか。」


「それは!?

優依様が見たというのは天空人だと思います。

聞く話だと何千年も生き続けていて、この世界を支配していると言うので大変長生きなんだと村長が言ってました。」


「ほ~ん、そうなのか。

あいつら確かに偉そうだったもんな。」


「あの、私も聞きたいことがあるのですが宜しいですか?

あの歌は、なんですか?

優依さんの世界の歌ですか」


「歌?

あぁ戦ってた時、つい口に出た奴な。

あれは3~4歳の時に作ったか歌ってたかの奴で、多分(なん)かしらのパクりとかだとは思ってんだけどな。

まぁ簡単に言えば()べて嬉しくなって口ずさんだのかもな」


「そう、なん‥‥です‥‥か。

良かっ……た……です」

 言いながら、いきなり力尽きたように倒れ眠ってしまうプラザに慌てて近寄る優依を腕だけで制して地面に胡座を掻いて座るとプラザの発する雰囲気と瞳の色彩は赤色から紫色に様変わりしていた。

◇◇◇◇◇


「なんだ貴様。

‥‥‥取り敢えず身体が疲れておる。

焚き火の準備をしろ。

何をしている、さっさと枯れ枝を集めてこい!

落ち木だ、生えているのを折るなよ。

まったく最近の若者は常識を知らん!!」

 突然の事に呆然とする中、釈然としないまま優依は土道から暗森に入っていった。

数本の木を脇に抱えて戻ってくるもプラザの瞳は視線が鋭く。

纏っているオーラのようなモノも異なり近寄り難く、それでいて神秘性を感じさせていた。


「もうそれは、よい。

魔法で事足りた。

‥‥‥‥問題は貴様の方だ。」


「あっ?

どういうことだ?

そもそもアンタってか、お前何なんだよ??

又、魔法って奴かよ?」

 小枝を地面に散撒(ばらま)きながら悪態を付く。


「口の聞き方がまるで成っていない。

‥‥‥まぁ許してやるか。

プラザの記憶を確認した、礼をくれてやる。

だが問題は山積みだぞ、次は貴様のも見せろ。」

 立ち上がり優依の額に人差し指と中指で触れようとプラザは()める。


「‥‥‥‥‥出来ないか……。

お前本人が話せ!」


───数分後───


「そもそも俺は高校なんか行きたくなかったんだ。

でも、アイツが取り敢えず行ってみろって言うわ、何だで言いくるめられて。

修学旅行だけでもって。

その学校の俺の時が1年で行われてる時期でさ、そしたら修学旅行先で色々と合って、今はこの有り様だよ」


「‥‥‥‥分からぬ。

こことは別の次元、世界から来た事は確かか。

‥が経緯から話せと、やり(なお)させたが余計に分からぬな。

しかし壱国(いちこく)か………日本(にほん)ではないのだな?

いやニッポンとも呼んでおったような?」


「イッゴクだろ。

なんだそれ?」


「なるほど、完全に違うと言う訳か。」


「ふーん。

それでアンタ、二重人格なんだろ」


「‥‥‥二重人格か。

言い得て妙だな。

しかし当たらずとも遠からずだぞ?

しかし何故そうおもった。」


「仲っ、知り合いにそういう奴が丁度居るんだよ」


「しかし、そうか地球か。

懐かしい。

異なる次元というのも興味深い所ではあるが」


「知ってんのかよ。」


「我を誰と心得る?

昔、1度だけ最初の魔陣召喚を見た事が有ってな。

しかし、ココ暫く数万年は伝達失われて久しいはずなのだが古文書でも見つかったか………まさかな。

それで?

その知り合いの仲間の者とはどんな関係なのだ。」


「そこ気になんのかよ!?」


「なんだ?

ニヤニヤ、話せんと言うのか。」


「‥‥分かったよ。その代わり地球とか魔陣召喚について、教えてくれよ。

‥‥‥‥ん、んう、ん。

半年とちょっとの付き合いになるゴリラ女と出会ってな。

ソイツが二重人格みたいな奴なんだよ。」


「その言い様、その女子(おなご)の友にキツく当たっていると言う訳か」


「はぁ!?

別に‥‥‥心開いてたって言うと恥ずかしいけど多分、信頼関係はあったよ」


「‥‥‥で(ニヤニヤ)?」


「ったく、面白がりやがって。

‥‥‥‥でも学校じゃ、顔見知りなの伏せてくれって頼んで後は色々あって最近は……って何でこんな事まで赤の他人に話さなきゃいけないんだ!!」


「他人行儀な態度は、お主の心を保つためだったのだろう。

知らぬ単語も有ったが楽しめたぞ。

まぁ気にするな、また再開すれば謝ればよいのだ、仲良くしてくれとな。」


「そんなんじゃねぇ~って言ってんだろ?

で、そろそろ話せよ」


「よいだろう、ん?

背におるのはなんだ。」


「は?

あぁ、こいつ?」

 フードから取り出して寝ているスライムをプラザに渡す。


「安心仕切って寝ているか?

ふむふむ、なるほど。

これは、なかなか凄い事に懐いているのか。」


「タコじゃないよな?

スライムっての知らなくてさ。」


「ぴぃ?」


「そうだな、スライムでは間違いないだろう、ふぁ~あ。

そろそろ眠くなってきた。」


「おいおい!?」


「こやつ、プラザは頑固だろう?

奴隷なのだと己に言い聞かせている伏しがある。

だからではないが命令と言って優しくしてやってくれ。」


「おい、ちょっと待てよ」


「ではな。」

 元のプラザに戻ると、さっきまでの彼女はエルシィ様だと教えて貰う。

本当の神名(まな)は口にも文字にも出せず知られてはいけないだとかで仮名らしく、プラザの里に代々守り護られている存在で、あまり広言しないようにと普段から躾られていると言う話をしつつ歩き始めた。

辺りは、すっかり夕日が過ぎてゆこうとしていた。


◇◇◇◇◇

 優依が目覚めてから数日後のンの村、プラザ・ラウザの家。

ラウザはバックを肩に掛けて元気いっぱいに声を張り上げる。


「支度できたわね!!

アンタ頼り無さそうだし、それにワタシ年上だから!!

準備しといたわよ」

 ペッタンコな胸を張って後ろ手に隠していた物、バック等を優依に差し出すと説明を始める。


「アンタが履いてた、がっこう(・・・)上靴(うわぐつ)っての?

壊れてたでしょ?

だからフリーモンデが運んでた荷物のマジックアイテムにブーツがあったから里の、そういうのが得意なオジジがいてね!

頼んで雷属性なんかに強くして貰ったんだから!

ハイ、どうぞ。」


「おぉ、おう、‥ありがと‥な。」


「ふふん。

どういたしまして!

あとコレ、蓄電(チャージャー)(ひつじ)って呼んでるモコモコ・ヒツジリスの体毛を編み込んだ上着とキャップもね。」


「キャップ!?」


「うん、村長が言うにはアンタの髪とか瞳は目立ち過ぎるから隠しときなさいって!

今来てるジャージっての?

にもフードあるけど、一様って感じで帽子も急遽作ったんだからね!!

私達に感謝してよね。

あっ!?、でも帽子もフードも獣人(わたしたち)仕様に耳の部分が跳び出てるけど我慢してね。」


「!?

あり、……わる‥‥い‥な。」

 首を傾げながら礼を言う優依に満足しながらラウザは玄関を思いっきり開けると少し家の中を見てから外に出る。


「お礼が言えて偉いわよ!

んじゃ行くわよ!!

‥‥‥‥それじゃ‥‥プラザ、行って来るわね。」


「お前、ガキ扱いするんじゃね~よ!!

‥‥たくっ!‥‥‥‥‥‥行って来ます……………。」

 年齢の事を言うんじゃなかったと後悔しているとラウザの小さく囁く声が聞こえて優依はそれ以上を口にせず彼女の後に続いた。


 ラウザが背負っている物とラウザが優依に渡したバックには【ホワイト・ボックス】と言う魔法で空間を歪めている。

白核(クリア)球体(キューブ)】、【ホワイトホール】と呼ばれる錬金術で作られた2つの技術でバックに異次元を作り内容量を魔力で増加、付与・符合加工搭載されているからだ。

またラウザのショルダーバックはハーネスを伸ばせばリュックにもなり所謂サッチェルバッグのようなデザインで優依のバックは小型のロールトップバッグで各々(それぞれ)、旅に必要な食糧やサバイバル用品のテント等の他に少量の近隣諸国で使える紙幣や硬貨(金貨)が入っている。

一式を詰め込んだラウザは里の入り口へと歩く。


 そこには村長を始めムサヴ他、沢山の村中の者達が見送りに集まっていた。

歓声や口笛、楽器で演奏とまるでパレードのようだ。

アーチ下にやって来た時、村長のギアは喜びの涙を手で拭うと優依達に近付いて、ある物を渡す。


「ユウイ(さま)、コレを。」

 ギアの手の平に取り出されたのは1つの金色の指輪だった。

ピンク色の宝石が四つ葉のクローバー形に嵌め込められている以外はシンプルなデザインで重たくも無い。


「フリーモンデの財産は没収されます。

しかしそれは彼の本邸、ここではないようなのです。

今回、フリーモンデが運んでいた荷物は押収もされないと言う事で憲兵さん達の計らいで我々の復興費に回しても良いとなりました。」

 軽く相づちを打っていた優依はリングを受け取って太陽光に透かしたりと見ていると不意にリングに違和感と刺激を感じて(ちゅう)に放り飛ばしてしまう。

難なくキャッチするとリングに特異能力の静電気を吸収されて驚く。


「これは!?

流石ですユウイ様!!」


「??

‥‥えっと説明してもらえますか。」


「はい、それはテイマー・リング、通称 と言いまして使い魔、モンスターや魔獣等とのテイム機能とテイムしたモンスターを保管する事が出来る代物にあるのです。

この宝石は通常の物とは違うのでフリーモンデが特別に作られたのだと思います。」


「ほ~ん、なるほど、よく分かんないが分かった。

後でラウザに聞いとくよ」


「なんでよ!!!」


「あとさ、もうアンタらは奴隷じゃないんだ。

オレの事は普通に呼び捨てで呼んでくれよ。」


「そ、そ、それは、そんな事は出来ません。

奴隷云々を無しにしても貴方は私達の恩人なのですよ?」


「そう言うの木っ端()かしいって言うか馴れてないんだよ。」


「もう、何も入り口でクダグダしなくてもいいでしょ?

出鼻挫かれてるみたいで、そっちの方が恥ずかしいわよ!

ほら行くわよ!!

村長!みんな!バイバーイ!!

荷物ありがとー!!

お土産楽しみにしててね~!

いってきまーす」

 慌ただしく、賑やかに引っ張られながら皆に見守られながら2人と1匹は元気よく景気に旅立っていた。

2人が見えなくなった里では静かに物悲しさが立ち込める。


 ムサヴはこれで最後ではないと敢えて別れの挨拶をせず屋根の上から同僚達と見下ろして酒を飲み眺めていた。

しかし愚痴を溢して呆れる。


「あの野郎、せっかくの晴れ姿だって言うのに来やがらないとは男の風上にも置けないな!

おっと零れちまった。」


「風上はここじゃないですよコケ?」


「そう言う意味ではないさ。

まぁ嫁に出すようなモノだ、あやつも父の自覚が芽生えたのかも知れないな。」


「えっ?

イデンさん、どういう意味っすかコケ?」


「今頃、泣きながら秘蔵の酒でも飲み干してるかもね?」


「それはズルいコケコ!!?」


「茶化しに行くかい?」


「行くッすコケケケ──ゴケっ?──」


「俺達もそれなら、お供させてください──ぐげげっ!!──」


()しなさい」


「イデンさん、首絞まってるッスよ、絞まってるッス

クケ……………。」

 現代で言うトコロのプロレス技が決まり苦しそうでいて楽しんでいる様子は(まさ)に送別会と呼んで言いだろう。

場所が地面ならば。


「隊長、ギブっ!ギブアップ!

ギブアップです!!」

 屋根でのムサヴやイデン、トビメ達の宴会と会話は酔った1人が屋根から落ちるまで続いたという。


◇◇◇◇◇◇

 優依達が旅立つ数日前の事、まだ優依の視力と特異能力が使用出来ない不調で眠っていた頃、二人組の人物がンの村に訪れていた。


「居ない‥‥か………行き違いを起したか?

やっぱ出遅れたぞ、ババァ。」


「光の柱跡を見た方が善いに決まっておろうが!

事実、遺跡の瓦礫ようなモノに戦闘痕も確認出来た。

痕跡は充分に残っておるさ!

それにコレを調べられる機会が出来たのだ、充分に僥倖と言える成果だろう?

ここまで来た甲斐が有ったというモノだ。

それに違えば別を探せば善かろうに?」

 手に持てる大きさの瓦礫を見せながら苦言を呈したフードを目深に被った人物はバッグに瓦礫を戻す。


「それが本音かよ。

好き勝手に言いやがって。

結果、擦れ違ってたら苦労はねぇ~だろがよバーさんよ!

‥‥‥‥でもまだ居るはずなんだがな?」


「そうとも限らんさ!

そのうち、巡り会えるものさね!」


「ったく、お気楽でいいな。

クソババァはよ。」


「なんだとぉ!?

ババァ、ババァと貴様はいい加減!

む!?」

 すると村の屋根に3つの影が姿を表す。

2つは人のようだったが、もう1つは2メートル程の大きさにゴツゴツと突起やボコボコと、おおよそ人には思えない風貌をしていた。


「おやおや?」


「アンタ達が例の光使いかな?」


「誰だ!!」


「まさか、こやつ等は!?」


「答えてやろう!

我らは謎の強烈な光の正体と調査解析──」


「──いや分析だボォー!」


「ふん、どっちだって変わらないでしょう?」


「ようするにだ!

我々は偵察及び解明!!

さらには回収、捕獲(なん)て事にもやって来た特別スペシャルエリートなのさ!!」


「貴様ら諸君が例の(くだん)の閃光の柱を起した張本人ならば我らには用があるボォー!」


「おとなしく協力するなら痛い目にはみないで済むだろうねぇ?」


「この強引で傲慢気回りない阿呆(あほう)な態度、ウィザードで間違いないな。」


「こんな田舎にも、お前ら偽者共は現れるのかよ!

さてはテメェら暇なんじゃねぇーか?」


「なんだと言わせて置けば好き勝手に無礼な!!」


「我らの恐ろしさ知らないのね?

いいわ、特と御覧に入れてやろうじゃない!」


「泣いて謝っても許さないぜ、ハハン♪」


「ウィザードの力を見せてやれボォオーン!!」


「ババァは引っ込んでろよ、此処は俺が1人でやる。」


「好きにせい。

その代わり早く終わらせよ、よいな」


「辺り前だのクラッカーってね!」


「何だソリャ?」


「俺達が生まれる前に流行ったらしいギャグとか?

なんか、こんなんだった気がするって説明させんなよ!!」


「貴様らぁ、舐めんじゃないわよ」


「その余裕、直ぐに泣きっ面にしてやるさ」

 双方のこの宣言の通りに、いきなり勃発してしまった、この戦闘(邂逅)は簡素で意外な結末を迎える事になるのだが、それが語られるのは残念ながら今回では無く近いうちに持ち越しのようだ。

理由は長くなってしまったから。

答えはそれまでの、お楽しみに言う事で。

今週一杯は続きます。

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サイトnoteにて開催されていたコンテストに作者本人が応募した作品になります。決して無断転載や盗作では御座いません。 両サイトnote、なろうで注意事項や連絡確認済みです。 https://note.com/4869_joker555/n/nc064a437bb93?sub_rt=share_pw この作品はフィクションです。 実在の人物・団体・事件・災害・国家・歴史・時代とは一切関係がありません。
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