○第62話~エルメス遺跡群③~
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「…。ハァ…。あんなに苦労したのにたいした成果が得られなかったなぁ。」
「そうね…。」
途轍もなくほこりと砂にまみれたユートとミザリーはぐったりした様子でミストルティンの町を目指して歩いていた。
─ あの後もあの調子で探索すべき遺跡をすべて捜し終えたのはよかったのだが、結局の所あの『特質級』のアイテム以外にこれと言った成果が無かったのだからぐったりするのも無理もない。
「まぁ、この『破邪の聖槍』と『聖なる錫杖』を入手出来ただけマシだったからよかったが、入手出来て無かったらただの骨折り損になるところだった。」
「アハハ…。そうね。」
ミザリーは苦笑していた。
「それにしても1番当たりそうだった『ファリアス遺跡』の『癒やしの泉』が枯れて無くなっていたのは誤算だったな。」
「そこよね。」
─ ユート達の本命であった『ファリアス遺跡』の『癒やしの泉』は多分ここにあったのだろうと思われる痕跡だけを残してその存在を消してしまっていたのだ。
ひょっとしたらここに『癒やしのグラス』があったのだが何者かに持ち去られたのかもしれない。
それがユート達の推測である。
もし、持ち去られたのであれば一体何処に行ってしまったのだろうか。
「とりあえずここはハズレだった事をフレチャでギルマス達に報告しないとな。」
「そうね。」
─ 因みに『フレチャ』は『フレンドチャット』の略で、フレンド登録している相手と話が出来るVRMMORPGお馴染みのシステムである。
勿論、ギルドメンバーは全員フレンド登録を済ましている。
ユート達はミストルティンの町にたどり着くと宿を取り、トキヤ達がログイン中であることを確認するとフレンドチャットを起動した。
ユート《ギルマス、今フレチャしても大丈夫か?》
トキヤ《大丈夫だぜ。》
ユート《よかった。実はな、エルメス遺跡群には『癒やしのグラス』は無かったんだ。ギルマス達の所はどうだった?》
トキヤ《カラカラ砂漠もハズレだったぜ。今、アキ達と『ロレンス山脈』と『アルカディア海底遺跡』のどちらに行くか相談してた所だったんだ。》
ユート《そうか。ギルマス達はどっちに行くかは決まってるのか?》
トキヤ《まだ決まって無いぜ。ユート達の方は決まってるのか?》
ユート《いや。それを決めようと思ってギルマスに報告がてらフレチャしたんだ。》
トキヤ《あ~そう言う事か。ならユートの方はそっちの近い方を選びなよ。俺達の方は同じ距離だからな。》
ユート《OK!なら…。そうだな『アルカディア海底遺跡』にでもするかな。ここから7日ほどだが10日か掛かる『ロレンス山脈』よりは近いからそっちにする。》
トキヤ《分かった。よろしく頼むな!》
─ ヴォン…。
「フレチャ終わったぜミザリー。俺達は『アルカディア海底遺跡』に行く事になった。」
「そうですか。分かりました。」
こうしてユート達はフレチャを終えるとログアウトしたのであった。
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