○第76話~朝日昇る時~
お待たせしました!最新話投稿しました(≧▽≦)
─ あ、終わった…。
誰もがそう思った。
全てがスローモーションになり、ゆっくりと今にも振り下ろされそうな剣を目を見開き皆が見ていた。
そんな時奇跡が起きたのだ。
水平線から朝日が昇りデイヴィー・ジョーンズを照らした。
するとデイヴィー・ジョーンズの体から水蒸気のような煙が立ち上り顔を苦しげに歪めた。
「ちっ…。タイムオーバーか。野郎共!!引き上げるぞ!」
デイヴィー・ジョーンズが忌々しげにそう言うとスケルトン・パイレーツ達が幽霊海賊船『フライングダッチマン号』へと撤退していった。
そして最後にデイヴィー・ジョーンズが乗り込むとこちらを向いてニヤリと笑った。
「お前ら!!なかなか楽しませて貰ったぜ!!もし次があったら今度こそ俺達が勝つからな!!野郎共!!出航!!」
デイヴィー・ジョーンズが合図を出すと幽霊海賊船『フライングダッチマン号』はゆっくりと動き出し、水平線の彼方へと消えていった。
「…。お…。終わったのかな?」
「死ぬかと思った。」
等々口にしながらプレーヤー達はへたり込んだ。
パッパラパッパッパッパッパ~♪♪
『CONGRATULATIONS!!レイドクエストクリア、おめでとうございます!!』
ファンファーレと共に声が響き渡った。
「…。やったー!!クリアしたよぉ~!!」
「強敵だったな。」
町中からポツリポツリと歓声が上がり始めた。
「何とかクリア出来たね。」
「ああ。」
「つかれたわぁ~。」
「一時はどうなるかと思ったよ。」
アキ達もホッとしたのか笑みがこぼれていた。
「皆さん!町を守って頂きありがとうございます。」
何処からか紫色の髪に目をした美丈夫が緑髪の美女を伴い現れた。
─ この待ちの領主、サテリアジス=アトランティアとその妻、グミナ=アトランティアだ。
一応言っておくが今回の防衛戦で、領主が何もしていないと言う事は無い。
領主本人も軍を率い海賊達と戦ってはいる。
ただ、主にプレーヤー達がスケルトン・パイレーツ達と戦い、領主とその軍は住人の避難と護衛に回っていたと言うだけの話だ。
「御礼としてささやかですが宴を開きたいと思います。ですが…。皆さん大変お疲れでしょうから宴は夜とします。それまでこちらで宿を手配いたしますのでそちらで夜までお休み下さい。」
サテリアジスの宣言にプレーヤー達から歓声が上がった。
「あっ!!いたいた皆~♪」
「ただいまにゃ~♪」
「ただいま。」
と、ミザリー達が合流してきた。
「お帰り。」
「お帰りぃ~♪」
和気藹々と宿へと向かおうとしているとユートが
「アキちゃん、戻る前に頼みたい事があるんだがいいかい? 」
と、声を掛けてきた。
その手には古ぼけた杯が握られていた。
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