E is going to search a mirror.
およそ400字の超短編小説です。
400字という短い物語を書いたのは初めてなので、これからもっと色々とできるようになっていきたいと思います。
出来るだけ400字の超短編は毎日書いていきたいと思います。
よろしくお願いいたします。
26のタイルを巻き付けた櫛で髪を梳く。鏡も要らない慣れ親しんだ動作だ。カーテンの向こうの天蓋の目覚ましを背に座るアパートの卓上。
「今日はこれでいいかな」
僕はちり紙で顔をきれいに拭いた。そうだ、荷物も整理しないと。
ナイフと、拳銃。講義用のノートも持っていかなくては。レポート試験に使うから、板書を取る筆箱も。
よし、最後に鏡を見よう。
僕はリュックサックを背負って、洗面台へ向かう。辿り着いた鏡の中の僕の鏡像はしかし、想定と異なり、禍々しく燃え盛る炎を纏う怪物になっていた。
「あれ、ちゃんと確かめたのにな」
慌てた僕は、リビングに戻って、ごみ箱に頭を突っ込んだ。
そうすると頭は消えるから、また櫛とちり紙で整える。それからもう一度向き合った鏡像は、けれど今度は鋭利な針を突き出す怪物に変わっていた。
「またかよ……」
勘弁してくれ、と鏡を殴った僕は、またごみ箱に頭を突っ込む。
鏡が僕を映してくれるその時まで。
他に書いている作品を進めつつ、やってみました。