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Vの世界で理想の美少女やってたら、幼なじみに見られた……俺。  作者: 花月夜れん
めんどくさい新人配信者と俺の話

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日直は二人だけど一人で向かう俺

「おはよう、遠坂!」

「なんでお前が最初に挨拶してくるんだよ」

「え、ひどいな。ミツ――あ、あー友達だろ!」


 いまミツキって口に出そうとしなかったか? バラしたらどうなるかわかってるだろうな……。


「……おはよう」


 今日も菊谷は俺に寄ってくる。近寄るな、あっち(リア充)の世界に戻れよ。まじで。

 俺は全力で祈った。が、神様は聞いちゃいなさそうだ。


「おはようございます、イツキ君」

「おはよう、樹」


 マリヤはクラスの女友達のところにいた。ユウキは俺の机の上。荷物置きたいからどいてくれ。


「なぁ、樹」

「ん?」

「お前、ふくいいんちょになんかしたのか?」

「は?」

「いや、なんかめちゃくちゃこっち睨んでるんだが。それこそ親のかたきのごとく」


 俺は副委員長、鵜川うかわあやみの席を見た。あれ? あれは誰だ?


「いねーぞ? 副委員長」

「いや、いるだろ」

「いや、眼鏡とったら美少女とか漫画的なあれなのか? な人はいるが、あれか?」


 ユウキが頷く。まじか。すげーな、女の子。化けるんだな……。今日の鵜川は本当に美人になっている。

 マリヤが戻ってきて話しに加わった。


「鵜川さん、好きな人でも出来たんですかねー」

「そうなのか?」


 席に着き、スカートのすそをなおしながらマリヤは頷く。


「好きな人に気がついてもらいたくて変身するって女の子にはよくあることだと思いますが。ほら、男の子にもありませんか」

「ある! あるな!」

「あります」


 ユウキと菊谷が返事する。あるのか? 会ってから変わった覚えがないんだが。髪が数ミリ伸びたくらいじゃないのか?

 あー、でも……。そういや、俺もあった。気持ちの変化は。可愛いじゃなくかっこよくなりたいって気持ち。


「で、もしかして、気がついて欲しいからこっちを見てたり」


 ふふとマリヤが笑う。いや、ないだろー。彼女から俺達までの間に男は他にも数人いる。きっとその中のだれかだろう。


「なあ、樹は今日の日直だろ」

「あ、やべ」


 ユウキが指さす黒板には俺の名字が書かれている。隣の名字は鵜川。


「あ、もしかして俺に仕事しろって言いたかったのか」


 一人納得し、急いで荷物を置いた。女子の分はすでに終わってそうだ。さすが副委員長、真面目だわ。

 教室を出て職員室を目指す。すると鵜川が教室から出てきた。

 うげっ、小言でも言うつもりか?

 そう思った俺は小走りで先を急いだ。特に追ってくることはなかった。俺の勘違いだったみたいだ。


「お、遠坂。スマン、鵜川に持たせるのは可愛そうだったんでコレよろしくな」


 職員室に待ってたのは段ボール箱二箱の荷物だった。

 いや、一箱ずつ持たせりゃいいだろ! 先生!!

 気のせいか先生はデレデレしていた。まあ、あの変わりようだ。驚いて頼み忘れたのかもしれないな。


「わかりました」


 俺は男だからな! これくらい軽い軽い!!

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