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Vの世界で理想の美少女やってたら、幼なじみに見られた……俺。  作者: 花月夜れん
めんどくさい新人配信者と俺の話

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見ちゃダメと怒られる俺

「猫月ヒカリ?」

「はい、どうしても参加したいとメールが。ナミとも話してたんですが。あ、もちろん加入させるつもりはないんですが」


 猫月ヒカリって、この前俺に勝負しかけてきたヤツだよなぁ。

 まあ向こうはクエスト失敗に終わってたけど。


「「ミツキを追い出してあたしをいれろ」って言うんです。樹君、何か知ってます?」


 真樹はのんびり花に水をやり、ナミは木工をしている。ミツキはマキちゃんの隣で木を揺らす。


「ってー、ハチぃぃ!! にゃぁぁぁぁぁ」


 配信オフモードなのに俺はにゃぁぁぁとか言ってるあたり、戻れない度が上がっている気がしてきた。


「今行きます!」


 真樹が道具を虫網に切り替え、めっちゃモンのように華麗に虫を捕獲した。


「ふー、ありがとう」

「いえいえ」

「あ、それで、猫月ヒカリなんだけどソイツこの前俺にもメール送ってきてたんだ」

「果たし状の相手ですか?」

「あ、そうそう。見たの?」

「樹君の配信は全部見てますよ」

「あ、そっちじゃなくて猫月ヒカリの方」

「いえ、興味ないので」


 つまり、マキちゃんは俺の動画だけでこの相手だと推察したのか。


「どうやら俺をライバル視してるみたいなんだよな。ただ、知らないヤツだし、構ってやるつもりはないんだけど」

「うーん、ライバルですか。ミツキちゃんの人気をそのまま自分のものにしたいんですかね」

「よくわからないんだよなぁ。ゲームはポンコツだし、始めたばっかりっぽいし、なんていうか女の子っぽさが足りないんだよな。中が男だってわかるくらい」

「すごく見てるんですね」

「あ、あははは。いや、ライバルになりたいなんてなんかちょっと可愛いじゃんって思って」

「絶対チームけもラブにはいれません。樹君ももう見ないで下さい」

「は、はい!」


 えっと、マキちゃん? どうしたの急に。

 俺が固まってるとマキちゃんはふぅと息をついた。


「樹君、ストーカーの件、忘れてないですよね」


 もちろん、覚えてる。俺はこくこくと首を縦にふる。


「危ないって思わないと! ほいほい見に行ったりして、もし何かしかけてあったりしたらどうするんですか」

「あ……」

「その日に登録した人とかチェックしてるかもですし」

「あ……」


 そういや、ユウキが登録したな。あとでチェックしとこう。じゃない!!


「あー、もう! 樹君、だいぶ有名人なんだから自覚持って下さいよ! チャンネルだってかなりランキング上位だし、リアルバレなんて危険なんですからね」


 はい、よくわかってます。だってリアルバレからの地獄に引き込まれましたから、俺。

 うーん、ユウキを引き込むのはやっぱり悪手かなぁ。


「私達だって、ここまで登録されるなんて思ってなくて、すっごく気を付けてるんですから」

「ごめん。気を付けるだったね」

「はい、気をつけて下さい」


 マキちゃんがゲーム機を手に持ち、水やりに戻る。


「はぁ、なんだか嫌な予感がします」


 そう呟いて――。

と、言われても送られてくるのはチェックするんだけど……、うーん。

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