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Vの世界で理想の美少女やってたら、幼なじみに見られた……俺。  作者: 花月夜れん
めんどくさい新人配信者と俺の話

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新学期な俺

「おはよ、樹」

「はよ」


 いつも通りの学校が始まった。


「イツキ君、おはよう」

「おはよう、マリヤ……」


 違う、いつも通りじゃない。あまりに自然に座ってるものだから気づくのが遅くなったが、お前、なぜそこにいる!?


「おはよう!! 遠坂!! 今年もよろしく」


 菊谷ぁぁぁぁぁぁぁ!?

 なに、しれっとまじってるんだよ。お呼びじゃねーんだよ。なんで、新学期そうそうお前におはようを言わなきゃならないんだよ。何だよそのキラッとした歯は! 今年? お前とは一回限りの関係だろう!?


「あ、あぁ、おはよう……」


 無視なんて出来るわけもなく、俺は挨拶をする。返事しないヤツとかいってこいつのグループで噂されても嫌だしな。


「いやー、まさか七瀬もこのゲームしてるなんてな」

「そっちこそ、こういうのやってるとは思わなかったし」


 そうか、ユウキの方と意気投合してたのか。そうかそうか、向こうでやってくれないか?


「なぁ、樹お前もこのゲームやってたろ? 今度七瀬のうちで一緒にやろうぜ」

「いや、俺は」


 今装備を作りなおしてるとこだし、配信予定つまってるし、何より――


「遠坂のキャラクターってあれだよな」


 そう、ミツキのキャラクターなのだ。見た目だけでなくキャラクターネームまで。

 さすがにバレるだろ。配信を知ってるコイツが見たら動きとかクリア状況とか……。防具を切り替えていけばいいって? いや、ほんと無理だろ。

 他の武器はまったく、これといって作ってないからな!! 今から装備作れと言われても無理だ。


「やるなら二人でやっとけよ」

「なんだよ、付き合い悪いなぁ」


 無理なんだよ! ユウキだけなら配信知らないだろうからバレないだろうけど、菊谷がいるとだな!


「このゲーム僕、推し配信者がいるんだけどさ」


 おい、やめろ。

 菊谷がユウキに動画を見せる。


「一緒に見ながら狩りいこうぜ」


 ユウキにそれを見せないでくれぇぇぇぇ!


「うわ、すっげぇぇぇ。動きがエグいな。おぉ、ここ、そう動けばいいのか!!」


 エグいってなんだよ! 何見せられてるんだよ!


「な、女神だろ。このミツキちゃん。毎回神プレイしてるんだぜ」

「へー、登録しとこ。名前何だっけ」


 あぁぁぁぁぁぁ。ダメ、ダメ、だめぇぇぇぇ!!

 ユウキが登録してしまったようだ。

 やりにく!! もう、こうなったらコイツもこっちの世界に引きずり込むか……。そうだ、そうすれば……。


「イツキ君、なんだかこわくなってへん?」


 こそっとマリヤが俺に言う。はっ! 俺はいったい何を考えているんだ。

 まあ、でもいつかユウキだけは引き込んでおいたほうがいいかもしれないなぁ。


「大丈夫だ、マリヤ。なんでもない」


 そんな俺たちのやり取りをじっと見てる女がいた。

 あれは、副委員長の鵜川(うかわ)あやみ。三つ編み眼鏡模範制服の典型的真面目女だった。

 あれは、菊谷を見てる?

 じーっとこちらをみている。ぱちっと俺と目があった瞬間下を向いていたが、なんだ? あれ。

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