僕は見つけた(菊谷学視点)
それは本当に突然だった。
人違いだったマリヤさんにちゃんと謝ったからミツキちゃんが導いてくれたんだ。
そう、僕の唐揚げが彼女の存在を教えるように空を飛んだ。
「そうか、そうか、そうだったのか!!」
嬉しさで僕は叫びながら走っていた。今度こそ僕は見つけた。彼女こそ本物のミツキちゃんだ。
遠坂のいとこだったのか!! だから、一番最初から知ってて応援してあげていたんだな。あのレア映像もミツキちゃん本人と繋がってたならゲット出来て当たり前じゃないか!!
なんだ、そうだったのか!!
「ミツキちゃん……」
彼女を見た瞬間僕の中をビビビッと電気が走った。今度こそ間違いない。見た瞬間、僕は恋に落ちたのだから。そう、Vのミツキちゃんを見つけたあの時のように。つやつやなショートカットの黒髪。長い睫。ちょっと気弱そうだけど、そんな自分を変えたくてVチューバーになったに違いない!
ショートカットヘアのせいで男の子に間違われているのかな? それで、女の子だって言い出せないのかも。
うぉぉぉぉ、僕は全身全霊応援するよ! ミツキちゃーーーん!!
はやく、君に会いたい。今日は夕方から配信初めだったはずだっ!!
僕は自分の家に向かって全速力で走る。
愛が止まらない!!




