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異世界革命  作者: パラダイス タイム
第4章 降り掛かる災厄
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78 開拓記録と顕微鏡作成

 僕は離れ家へと帰宅する。


「お帰りなさいませルイス様。


お食事のご用意はいたしております。


いかがなさいますか?」


 帰るなりドメイさんが出迎えてくれた。


「ただいま戻りました。


ロディ君のご容態どうですか?」


 ロディはあれからの3日間ずっと目を覚ましていない。


「本日、お昼頃に目を覚まされました。


まだ動けそうになさそうなのでこちらで介護させていただいております。」


 目を覚ましたのなら大丈夫そうである。


「では僕はロディ君に挨拶だけしてきます。


そしたらすぐに食べに降りてきますので。」


 僕はドメイさんにそう伝え階段を登っていった


 部屋前に着くと中からは騒音が聞こえた。


 気にせず部屋へ入る。


「いったな!マイク!治ったらボコしてやるよ。」


「できるもんならやってみな!猪如きで動けなくなりやがって!」


 2人はまさかの喧嘩をしていた。


「2人とも!!!落ち着いて!」


声を荒げて制止させる。


「「 あ、ルイスさん! 」」


 あまりにも息がぴったりで2人はそれにムカついたのか睨み合いを始めてしまった。


「ロディ君、体の方は大丈夫ですか? 」


 容体を聞いておくことにした。


「え、あぁ大丈夫大丈夫! 全身筋肉痛で少し動けへんだけさかい。


1週間あれば治るから心配せんてええよ。」


「3日で治せよ。」


ボソっとマイクが吐いた言葉でさらに睨み合いが加速した。


「マイクさん、ロディ君は怪我人ですよ。優しくして下さい!


僕は食事を取ってきますね。」


 そう言って僕は部屋を出て食堂へと向かう。

 ロディが目覚めてくれて安堵感で満たされていく。


 食堂へやってきた。


「ドメイさんロディ君とマイク君の分もお願いします。


後僕たち部屋で食べてきます。」


 僕はひとまず2回に分けて3人分を運ぶことにした。


(今思えばこの離れ家って相方の前世でいうところの寮的なやつに近いのかな……。)


ふとそんなことを思いながらも僕は部屋へと戻ってきた。


「持ってきましたよ。


さぁ食べましょう! 」


 本日のメニューは魚の煮物とあら汁、サラダ、パン、ジャガイモの冷製ポタージュである。


「「「 いただきます! 」」」


 意図した訳ではないが3人の息がぴったりと揃った瞬間だった。


 元々マイク君とロディ君の息は一際ぴったりだったしそれに僕が合ってしまっただけのように思えるが心地良いとさえ感じる。


「ルイスさんどうでしたか?」


 マイク君が聞いてきた。


「どうってなんかあったん!? 」


 ロディ君はずっと寝ていたため上級文官委員会のことは何も知らないようなので説明する。


「上級文官委員会に最上級文官の推薦枠としてお声をかけていただいていたのでそれに参加してきました。


いやぁ上級とだけあって皆さんのプロ意識というのですかね? バチバチとしてて凄かったですよ。」


 今振り返って思うのは何より議長の入場時だろう。


 皆が情報交換やら私事を話し合って包まれていた喧騒が一気に霧散して体感温度を下げられた気分になったからだ。


「へぇルイスさんより凄い人っているんですね。」


 マイクが衝撃的なこと聞いてきた。


「マイク君、あなた僕より筋肉はありますよね?


それと一緒ですよ。どの分野で凄いと思うかは別問題で優れているかの判断はそう簡単にはできないものですよ。


まぁ最上級文官の人全員からは度肝抜かされましたけども。


やはり格が違うってやつですかね。」


 終わってから知ったことだが最上級文官は4人だった。


 また、その4人で議長を回しているのだとか。


 老師、リリアンさん、サンダルフォンティアさん、そして今回の議長ダナスティアさんである。


 老師は実質的なNo.1らしく発言に対する周りの信用度は凄まじまいものがあった。


 議長・ダナスティアさんは聞いた話、どうやらNo.2らしい。老師がいれば老師の横、居なければ老師の席に座る事になっているらしい。ご存知の通り、統率力は群を抜いていた。


 そしてリリアンさんがNo.3、そのため老師がいる時は必ず老師の前に座る事になるのでダーリン呼びなのではというのを他の上級文官に教えていたいだいた。また、金融に関しての所謂、スペシャリストというやつで一部文官からは姐御と呼ばれているのだとか。


 最後にNo.4がサンダルフォンティアさんで最上級文官としては末席かもしれないが繁栄のためなら例えどんなことを犠牲にしてでもやり遂げる実行力に長けている。

 彼の取り仕切る村や街は発展が早く、何人もの弟子志望者がいるのだとか。


 委員会での人物像の話で花だけ咲かせて置き、内容は漏れ出ないように場を取り持つことにした。


 普段こんなことはしないのだがどうしてもあの化け物2人が喧嘩をしていたという恐怖心が頭を過り続けるのである。


 そうこうしているうちに灯りをつけなければならないほど暗くなっていたため僕は3人分の食事の後をを下げてから自室へと戻った。


 油式ランタンの油量を確認しつつ打ち(うちがね)を使い火をつけた。


 一息なんてついてる暇はない。


 すぐさま紙を取り出して開拓記録を記入していく。




☆★☆★☆★☆★☆★



 僕たちは着船後まずテントを張り積荷を下ろし準備した。


 その後、食料確保組、住居確保組。素材加工組に分かれて開拓開始となった訳だ。


 食料確保組のミリンの手伝いをして僕は噴火の脅威を実感した。


 火山灰が積もってできた土の中から貝塚と沢山の人の骨が出てきたからだ。


 そのおかげで建築の方も捗る結果になったとはいえ何十年、いやひょっとしたら百数年前に住んでた人が火山灰で埋もれるくらいの大噴火が起きたということであり同時にそれは今後起こりうることなのだと再確認させられた。


 そしてリオンさんにモルタルの具体的な作り方を教え、最適な分量を手探りで探ってもらいこれにより建築は飛躍的に進むこととなった。


 今なら皆が全力出せば1日で3件以上家が立つはずである。


 次に山の中に井戸を掘った。


 水の汚染などを心配して村には作らなかったが調査の結果問題なかったという虚しいやつである。


 今では山の井戸は主に貯水用として使われ、村のタンクと農場の方へ流れるようになっている。


 山の井戸前と村にタンクがあるおかげで例え村の井戸が断水したとしてもしばらくは問題ない。


(そういや井戸の土壁を岩壁に張り替えた帰りにクマに襲われましたね……。


懐かしいですねぇ。)


 後日、堀掘りを利用した僕の筋トレ計画も始動したというわけだ。


 その後、肉類確保を安定させるために猪の養殖に手をつけることにしてそのために簡易型の発電機を作ることとなった。


 磁石を作り円盤を作り、部品が似ていたためついでばかりにと自転車も作ったりした。


 電気を確保できたためここで紙生産が開始となる。


 もう2度と羊皮紙なんて使う必要性はないだろう。多分……。


 紙を作ったのには理由があり磁石作りの後にやってきたアルベルトさん達と共に環境調査の依頼が来たからだ。


 帝国直々の依頼とあって念入りに調べてある。


 まだいくつもの資源ポイントには手をつけていないがそろそろ温泉には手をつけたいなぁ。


 依頼のそもそもの原因は硫酸の成分が川に流れていたことであった。


 対策として原因となっていた硫酸泉の1つを反対側にあった地割れの方へ削り川への流入を止めた。


 ここから科学的な躍進が始まった。


 コイルを作り、チェーンと刃を作り、電池を作り、組み立て、チェーンソーを完成させた。


 これのおかげで今帝都へと陸路で帰還できた訳だ。


 延々と生えていた木もチェーンソーとマッチョの連携プレーでは雑草と同じだった。


 この頃から炭、木材が大量に確保でき色々と資材的余裕も生まれることとなる。


 だが資材的に余裕がないものがあった。


 それは金属類である。在庫が尽きてきたのだ。


 徹底的に掘り集めるため竹を蒸して作ったフィラメントとガラス、水銀を利用して電球を作り、山をくり抜く形で鉱石収集することになった。


 運良く山が真っ二つに裂けたような地形があったためその場所を鉱石収集の拠点として利用することにした。


 結果は上々、おまけとしてエンペラークロウが僕たちの後をついてきた。


 名前……、は後で考えよう。


(っていって忘れ続けるんだろうなぁ。)


 その後汚水処理問題解決のためスライス捕獲計画が始動、こちらは道が繋がった村伝いに湿地の村まで向かい無事解決。


 今では溢れたスライスをどう処理するか問題が発生している。


 その後僕たちが作った磁石をアルベルト君から返してもらったため発電所を作ることへの決意を固め長期計画が始動した。


 これと同時に村では船造りが本格化、新たな橋の足がかりだけでなく商業船としての運用も期待されるところである。


 発電所を作るのは一苦労だった。


 いや発電所自体の仕組みはそんなに難しくはない。


 だが今後のために交流から直流へと変電させるのが中々の荊棘の道なのだ。


 ダイオード、それは数多の可能性を秘めた人類史上最も画期的な発明だろう。


 半導体とやらが前世の相方の世界で溢れかえり使われなくなったとはいえ人類が徐々にしてきた進化の歴史を急加速させたものこそがダイオードだからである。


 整流作用、増幅作用、電子集約、これらによりより複雑な信号を分けることができ電気製品のほぼ全てにこれらの技術が使われていることからもこれの重要性がわかるだろう。


 そんな真空管作成のために超強力な金属を手に入れるために奔走した。


 ガラスの原材料の1つである炭酸ナトリウムが金属を精錬する際にもいることになり今後の事を考慮して先に貝殻の粉末と塩と水だけでいくらでも炭酸ナトリウムと塩化カルシウムを作ることができる装置を作り出した。


 これによりケイ砂さえあればいくらでもガラス器具が作れるようにもなるわけだ。


 そして大量生産態勢が整ったガラスで早速新しい器具を作ってもらいその器具を使用して硫酸から塩酸を作成した。


 炭酸ナトリウム、塩化カルシウム、塩酸、アンモニア、最後に高温水素、これらをフル活用して金属精錬を行い最強金属タングステンを手に入れた。


 炭化させて鉄と混ぜるもよし、そのままフィラメントとして活用するもよしの優れものである。


 アンモニア取る際についでに得たリンとタングステンフィラメントを使い、二極真空管(ダイオード)を作った。


 これにより交流をいつでも直流電流へと変換が可能になったわけだ。


 これまでの隙間時間にロビン兄弟と必死に作った鉄コイルはヒーター用に、銅コイルは発電機用へと使われて組み立てられる事になった。


 こうして苦労の末発電所も完成しついでばかりに作ったヒーターで冬も快適に暮らせるようになったのだ。


(まぁ各家一台置くには流石に鉄コイル足りなくて皆が集会所へ集まってましたけどねw


懐かしいなぁ……。)


 開拓記録はこれで終わりである。


 これらをより詳細に纏め終わった頃には日が昇りかけていた。


「え、もう朝か……。」


 思わず口から洩らしてしまう。


 眠気故に相方と入れ替わる形で僕は深い睡眠を取るのであった。



☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★


 俺は老師より渡された羊皮紙の場所へ朝早く向かった。


 そこは帝国の城敷地内にある職人街と言われる場所の一画であり陛下直属となる凄腕職人の場所だった。


 唯一、城の敷地内で一般人が出入り、利用できる場所でもある。


 また、話によるとウッディとガンツの2人はここの職人街で対角に店を構えていたライバルだとか……。


「よおルイス。お前、早いな。こっちだ。」


 呼ばれた声に振り返るとゼノが壁にもたれかかっていた。


「ゼノさん、おはよう御座います。


ゼノさんもお早いですね。」


 軽く挨拶を済ませたらゼノはついてこいとだけ言って歩き始めた。


 何も言わずにただついていくととある工房の前に到着した。


「ここだ。既に老師は昨日から入り浸っていてな。お前がきたら早いところ案内してやらないと老師のお身体に障ると思ったんだよ。」


 悪態口調でそう訴えてきて思わず苦笑いを浮かべてしまった。


「では早いところ済ませないといけませんね。


睡眠は大事ですので老師に睡眠取っていただかねば。」


気持ちを切り替え中へと進むとそこはとあるガラス工房だった。


「おっちゃん連れてきたよ。老師は?」


 ゼノがそう挨拶すると奥から1人がたいの良い職人が出てきた。


「よぉゼノお帰り、早かったじゃねぇか。老師は上の部屋で寝られたよ、上がりな。」


 そう奥の部屋から出てきた男には少し見覚えがあった。


「あ、ガラズさん!お久しぶりです。」


 開拓前の人員募集のために頼らせて頂いた、帝国専属硝子指導技術士のガラズその人であった。


「おぉなんや老師が見つけた面白い若者ってあんちゃんか。


そりゃ面白いはずや面白くないわけないわな。ガハハハ」


 ついてこいと言わんばかりの手招きと共に奥へと案内された。


 奥の部屋は工房になっており整形窯、徐冷窯、研磨台等が部屋を埋め尽くさんとしていた。


「おや師匠、またお客さんっすかここ最近多いっすねぇ。」


 整形窯の陰から人影が現れた。


「アメリ、例の人を連れてきたぞ。


さぁやるぞ。」


 ガラズの合図と共に顕微鏡製作が始まった。


「ガラズさんはこれくらいの大きさのレンズをお願いします。」


 既にあれこれ試作跡があるがお構いなしに要求した。


「そんなに小さくですか。まぁやってみましょう。」


 最初にお願いしたのは直径5センチの凸レンズである。


 その間、俺とゼノさんはせっせと木の板を鑢を使い加工する。


 小1時間が経過した頃、ガラズが立ち上がった。


「おっし、それじゃ磨くぞ。アメリ、すまんが頑張ってくれ。」


 5センチのレンズを4つほど持ち、2人は研磨台の方へ向かう。


 どうやら今までのサイズ分のガラスで4つ分レンズができたみたいだ。


「せい! せい! せい! せい! せい! ………。」


 アメリは掛け声を発しながら二本の紐を交互に引っ張っていた。


 ブンブン独楽の要領で研磨部を動かしているらしい。


 甲高い研磨音をBGMにしながら作業を再開する。


 絞り、レンズを填める筒、ギア、持ち手、検体を乗せる台、それらをひたすら鑢と鑿だけを使い削りだしていく。


 職人ではないので時間はかかるが削りだすだけなら木を割るミスもほぼない。


「ルイス、これで良いか?」


 ゼノにも手伝ってもらってちょくちょく確認を受けていた。


「上出来です。ありがとうございます。」


 ゼノには土台などの大雑把な部分を、俺は組み立て部の溝などの細かいところを担当してひたすら彫っていく。


 かれこれ1時間した頃、レンズ組が5つ全てのレンズを加工し終え確認を取ってきた。


「ルイス君! どうだい? 」


 加工後には直径が1センチほど小さくなったそれを覗き込んだり他のレンズと重ね合わせたりして細かく見る。


 光は速いだけでなくあらゆるものに影響を及ぼし影響されやすい物体だ。


 レンズのちょっとした歪みも光の屈折を利用するためには致命的である。


「3つダメです。この2つはオッケーですかね。


もう少し小さいレンズ作れます? 後表面はもう少し滑らかにできますか? 」


 みるみるうちに職人は顔色を青く変えていった。


「わ、わかった。アメリ、いけるか? 」


「う、うす! 」


その後もダメ出しのオンパレードとは知らずにガラス職人の研磨地獄が始まるのである。


☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★


 後日出社感覚で俺は文官詰所へと来ていた。


 開拓記録と開拓計画書の提出をするためである。


 僕は2、3人で会談できる用の椅子と机が複数個並んでいる部屋を訪れ書類整理と最終チェックを行なっていた。


 そんな僕の背後に2人、懐かしい声で呼んできた。


「「 ルイス 」」


 それはコンゴさんとインデイア様の2人である。


「コンゴ! インデイア! お2人ともお久しぶりです。」


 同期の懐かしい顔である。


「ルイス! 探したわよ! 戻ってきているって情報嘘かと思ったわ! 」


なぜか威張り散らすインデイア様、態度は相変わらずの女王様といったところ。


「あんた失礼なこと考えてるわね。」


 ギクっとするがどうやら既にバレてるらしい。


「というかルイスってでかくなりました??


なんか前よりがっちりしてるなって思うのですが。」


 コンゴさん的には僕の体の変化の方が大事みたいである。


「あぁ開拓でですね。少し筋トレ始めたのですよ。」


 それとなく答えたのだが向けられた視線は哀れみが込められていた。


「どんまい。苦労してんだね。」


「やはり開拓地が開拓地ですからね。今はゆっくり休まれて下さい。」


2人が口開いたかと思えばこれである。


「2人ともなんか勘違いしてますよ。


大体、火山地帯とはいえ噴火無ければただの山ですから。


開拓なんてむしろ順調ですよ。」


 慌てて誤解を解きにいったが2人からは無理して笑顔作っているように捉えられたようで話がより複雑になってしまった。


 誤解を解くつもりが逆に誤解を招いてしまったのだ。


 なんだかんだで2人の説得に丸1時間かけることになったのだ。


「というわけで僕はまだやるべきことあるのでまた後日、どちらにせよお2人ともまだ残っておられるのですよね?」


 やっと誤解を解けたというところでそろそろ9時を回りそうなのでお暇させてもらうことにした。


「僕は明後日出発しますよ。


僕は開拓ではないので統治計画だけ立てればよろしいので。」


 どうやらコンゴはもうじき出発するようである。


「では明日またここで今度はお互いの1年を振り返り合いましょう。」


 そう2人に告げて急いでその場を後にした。


 2人と別れ、計画書等の提出後、僕は職人街のガラズ工房とは別の工房を訪れていた。


「お邪魔します。ダダンさんいらっしゃいますか? 」


 ガラズさんの紹介でダダンという刃物鍛治職人を尋ねることになったのだ。


「わっちに用とは誰だい?」


 奥から低めの身長の女性が現れた。


 見た目ほど若くはなさそうな風貌で両手にミトンをはめていた。


「文官のルイス・ヴァーミリオンです。


ガラズさんのお使いとして研ぎ汁を貰ってこいとの事でしてよろしいでしょうか?」


 お使いというのは刃物を研ぐ上で必ずでてくる泥みたいなものを貰ってこいとのことだった。


「あ、ルイスってもしかして火山の開拓の?


師匠元気でやんすか?


わっちはガンツの二番弟子のダダンでもうす。


研ぎ汁っすね。小1時間ほど待つでやんす。」


 待つ間はひたすら店内を見回っていく。


 何か理由があるわけでもないが既に木彫りでの物は作り終えているのでやることがない。


 包丁、剣、鍬、鉈、ありとあらゆる刃物が並んでいた。


 シャリシャリとしたリズミカルな音をBGMにワクワクしながらただただ楽しむのであった。


 


 

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