表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界革命  作者: パラダイス タイム
第3章 発展する村と困惑する国
57/87

54 設備完成と硫酸革命1

乾留後、得た材料はもう少しの間は使わないので倉庫行きとなった。


「でこの2箇所循環してるやつを作ればいいのかな?」


リオンさんが仕組みはわからないものの構造はいち早く理解してガラス器具を運びだした。


「では始めますかな...」


エッフェルさんも立ち上がりマッチョ4人に指示をだす。


今回手伝ってくれるマッチョは食糧難乗り越えてむしろ余り出してから漁業する必要がなくなり暇を持て余したウォン君、残りの3人は帝都で主に建設業で出稼ぎ経験のある人たちである。


身長の大きい順にダン君デン君ドン君である。


名前がたまたま似てて顔と名前がなかなか一致しないため体格と名前で一致させ覚えることにした。


中でもドン君の身長はなんと僕より少し小さいのだ。


おそらく155センチ前後だろう...



なのにこの体付き...正直圧巻の一言である


小さくてもマッチョというだけでここまで風格が出るものなのだなと思わせられる人だった。


そんな3人がリオン工房の横に組み立てて建築中なのは石灰を加工してとある炭酸化合物を製作する装置というか器具である。


それは炭酸ナトリウムと塩化カルシウムの2つをなんと水と塩と貝殻だけで同時かつ大量に生産し続けることが可能な装置である。


ごちゃごちゃややこしい物にすると整備がとてつもなく面倒臭いので3つの機構に分けてそれぞれを繋げて作るしたものを作る。


メンテナンスは1つずつの機構ごと外して行えば問題ない。


そういえばこの世界ではガラスは普及しているのだが原材料の1つである炭酸ナトリウムはどうやら賢者様が製法を伝えたらしく海藻から作成されている。


だがもう一つ手に入れられるものはどこを探してもなく思案の結果、この装置を作るに至ったわけである。


両方が大量に必要となるためこの装置は必須といえる。


主な構造である。


1、石灰を加熱、これにてモルタルの元となる粉と二酸化炭素に分かれる


2、加熱後の粉と水と塩化アンモニウムを混ぜて蒸留、これにてアンモニアと必要となる白い粉の塩化カルシウムが手に入る


3、アンモニアと塩と水を反応させた液体に二酸化炭素を通して塩化ナトリウムを沈殿させる


この時アンモニアは塩の塩素とくっつき塩化アンモニウムになる。


4、3でのやつを熱し冷却し塩化アンモニウムを2の装置へ送る


以上である。


1での二酸化炭素は3へ

2でのアンモニアは3へ

3での塩化アンモニウムは2へ


送ることでアンモニアは減らずにひたすら反応をさせ続けられるのだ。


ということで作るのだが上の3つの物の行き来する管などの設備はそれぞれ取り外しが簡単にできるように組み立て式で作っていく。


「で最後にこの蒸留するやつと冷却水の管をつければ完成かな?」


リオンさんに作成してもらった2つのフラスコを階段のように繋げたような器具を接続し冷却水をめぐらせる用のガラス管を用意だけして完成となった。


冷却は4つの反応工程を終わらせた後熱して濃縮させた後冷却して塩化アンモニウムを取り出すのにつかうのだ。


ちなみに塩と違い熱し続けると塩酸の素と窒素に分解昇華という形でアンモニア自体が無くなりかねないのでこの方法を使用するほかないのである。


冷却管はとぐろ巻いた蛇をそのまま逆さに向けたような形をしており熱するところの横の台の上に置いてあるので濃縮後置いて、ポンプで海水を送り続けて冷やす


管を通った海水は猪の腸で作ったホースを通り海へと返す。


なので竹を3分の1切ったやつでホースを守るカバーも作成していよいよ完成となった。


「家一件建てるのとなんら変わらないほど大変ですな。細かいやらややこしいやらで神経すり減りましたぞ。」


エッフェルさんがため息を漏らした。


「全くですよ。で3つほど白い粉出るらしいけどどれが俺が使ってるやつなの?」


リオンが普段使うやつを聞いてきた。


「溶液中に沈殿するやつです。他のは気にしなくていいですよ。」


この中で自然と沈殿するのは一種しかない


他のは蒸発により結晶化するものと濃縮の後冷却して沈殿化するものである。


取り出す方法が全て違うため同じ白い粉でも判別は可能である。


ただ回収後はごちゃごちゃすると判別不能になりかねないのでどの元素でできているかの組成式を保存用の瓶に貼る紙に記入する。




組成式、これが地雷だと知らずに



そんなこんなで炭酸ナトリウム、塩化カルシウムの2つを貝殻と水と塩だけで量産する設備がリオン工房横で稼働しだしたのであった。



       開拓一団は


大量の塩化カルシウムと炭酸ナトリウムを手に入れた。




日が変わり朝を迎える。


昨日はあれから日が暮れる少しの間まで稼働させ、


保存用のコップサイズの小瓶がそれぞれ1つずつ埋まる程度炭酸ナトリウムと塩化カルシウムができていた。


炭酸ナトリウムはリオンが他の依頼したガラスの器具を作るために使うそうなので塩化カルシウムの方を使用させてもらうことにした。


塩化カルシウム、聞いただけで使い道わかる人は少ないかもしれないがこれは除雪剤としても使える乾燥剤である。


まぁ除雪しても有害にしかなりかねないので乾燥剤がほぼメインなのだが...



というわけで倉庫に深い皿状の土器に少量ずつ入れ倉庫のあちこちへと置いていった。


当然、危険!触れるべからずの張り紙と共に。


設置も終わりリオン工房へと戻る。


「お、戻ってきたね。これ今日使うんだよね?」


ガラス器具を受け取りリオン工房外にて作業にかかる


このガラス器具はフラスコに手のように二本、ガスを取り入れたり排出したりする管が伸びておりフラスコ内部に滴下する水をより細かい雫に変えるための1本の棒が中心に刺さったような見た目をしている。


棒は真上に向いるのだがその棒の先端部は皿のように広がっておりここに水が落ちることにより弾けて雫と化して落ちていくという寸法である。


さてガスマスクを取り出し炭を交換し装備する。


ガスマスクといえばそう硫酸である。


使う素材は硫酸と真水と塩だけである


使う器具は複数あり


フラスコ1、ガラス製漏斗とガラス棒が2セットずつ、ガラスの配管1本にリオンから受け取ったガラス器具1である。


セッティングを開始する


フラスコに塩を入れ漏斗とガラス棒で上手いこと蓋をしたら石積んだだけの即席の窯上にセットする


配管用ガラス管でリオンさんから受け取った水ポタポタさせるガラス器具と先ほどのフラスコを粘土で適当に繋げる。


繋げたら水ポタポタさせるガラス器具にフラスコの時と同じように漏斗とガラス棒をセットしてセッティングは完成である。


塩入りフラスコの窯に火を起こし製造開始


フラスコ上には硫酸を、ポタポタのガラス器具の上には水をそれぞれ注ぎ入れガラス棒で微調整して滴下量を調節する。


こうして塩酸を手に入れた。


強酸の代表であり金属溶かせる危ない水溶液である。


硫酸ほどではないが充分危険なので厳重保管が大事である。



ちなみに塩化アンモニウムの白い粉を加熱して出るガスをポタポタさせても手に入るのだがアンモニアを取るためには尿が大量にいるため硫酸を採用することにした。


今後アンモニアは先ほど手に入れた塩酸や炭酸ナトリウム、塩化カルシウムと同様に大量に使用することとなる。



つまるところアンモニアのために尿を貯める劇臭生活が今始まるのであった。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ