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異世界革命  作者: パラダイス タイム
第3章 発展する村と困惑する国
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37 不穏な空気とツミキの過去

3人が完全に喧嘩状態である


いや主にソソギさんとツミキさんの喧嘩だ


「あの、どうされました?」


「ルイス君。これ刃って1枚に2種の刃よね?」


「えぇこの図面ではそうです。」


「でもそしたらチェーンに合わなくなるっていってるえ!チェーンから作り直すかえ!ツミキはそれは非効率って言ったえ」


「それはあんたのミスのせいでしょうが。なんとかしなさいよ。」


「チェーンの中の図面はあんたが持ってきたものだえ!そもそもの図面が悪いえ!」


2人とも完全に血が登っている様子だった


一度2人を別々に作業させるべきそう判断した僕はソソギさんにはカザリさんの作業を手伝ってもらうことにした


とりあえずチェーンは作り直すのがベストだろう


てか後は相方に一任しようそうしよう


「ソソギさんは刃とギアとの突っかかりの作成お願いします。」


「え...」


カザリから衝撃を受けたような反応が返ってきた


「カザリさんは刃とチェーンを繋げるための部品の加工をお願いします。数多くて大変ですがよろしいですか?」


「......ギアは?」


「ギアはモーターが出来てからでも問題ないのでひとまず後のお楽しみということでw」


そういうとすぐに作業に取り掛かってくれた


「ではソソギさん刃と突っかかりの部品作成お願いします」


「型でやっていいかえ?」


「えぇもちろん。量産できるなら是非お願いしたいところです。」


「任されたえ!」


少し喧嘩で疲れた様子だったソソギはその一言で元気を取り戻し作業に戻った


「ツミキさん。チェーンの設計図少し弄りましょう。エッフェルさんと3人で相談しながらでいいですか?」


「ご、ごめんなさい。うぅ恥ずかしい」


ツミキさんにチェーンは設計図からやり直そうと提案したら張ってた弦が緩んだのか顔を真っ赤にしてどもり始めた


(あ、そういえば引っ込み思案であまりコミュニケーションが取れない人だったな...ソソギの発言か言動にブチギレたのだろう)


終始手で顔を覆い照れ隠ししてるツミキと共にエッフェルさんの元へ向かった


その途中、ミリアが全速力で走ってきた


「あ、ルイス。ミカ見なかった。ミカちゃんをイラつかせてしまったみたいでそのあとどこか行っちゃったの...」


隣でビクつかせ一層赤くなったのか熱まで伝わってきた気がする


「え、ミカが!?......とりあえずエッフェルさんと相談し終えたら自分も探しにいくよ」


「休憩時間でもいいからお願い。私はマイク君とロディ君連れて山の方探してくるわ。一応ウォン君には海辺の捜索をお願いしているわ」


「わかった。ツミキさん少し急ぎましょう。」



「え、えぇ」


走ってエッフェルさんの家へと向かった


エッフェルさんの家は簡素な作りだったもののその後本人が弄りまくり今では色々な装飾が施されている


更に隣に仕事場を新しく増築し紙ができてからは昼間は基本的にそこで作業を行なっている


「エッフェルさん!少しチェーンの図面で相談があります!」


「ルイス君じゃない...ルイス君が礼儀を二の次にするなんて珍しいですね。

何がありました?」


ミカちゃんが行方不明なこと、そのためチェーンの擦り合わせ後エッフェルさんに図面を一任したいという旨を伝えた



喧嘩のことはツミキさんがこれ以上赤くなって倒れられても困るので説明の引き合いには出さなかった



こうして1時間ほど擦り合わせを行った



「では後は2人にお任せします。僕はミカちゃんを探してきます。」


「あ、ままま待ってください。わ、わわ私ミカちゃんの居場所、わ、わわわかるかもしれません。」


ツミキさんはエッフェルさんの元を離れかけた僕を焦って呼び止めようとしたのかいつも以上にどもりが酷くなってしまっていた。


「本当ですか!?」


ツミキさん主導でミカちゃん探しが始まった


可能性が高いのは暗く静かで狭めの自分を見直せるところか広く明るく平原のようなところの2択だという


「なら暗いところですかね...畑などのあまり目につくところは恥ずかしくていかないでしょうし

というか畑ならもう見つかってておかしくないはずですし

倉庫とかどうですか?」


「いいと思うわ...」

ツミキも同意見なので最初は倉庫の長屋となった二つあるので2人分かれて探す

 

ガチャ


「ミカ!いますか!?ミカ」


「新羅」


ビクッ!


無機質な声が聞こえ驚いた


「ルナさん。ってミカ...よかった...森なんかにいってなくて...見つかってよかった...」


俺は見つかったゆえの安心からか涙が溢れた


ミカはすやすや眠っていた。

しかし目元が赤くなっていて涙を流していたことは明白だった


「彼女泣いてた。寝かせたけどちゃんと話を聞いてあげて。彼女は居場所を求めてる」


無機質な声で顔を上げるとルナの胸元にある宝石?みたいなのがきらりと光ったのが目についた


(あの石はなんだ?というか居場所か...あまりこの場所に納得しきれてないのかな...成り行きとはいえ彼女の意思を確認せずに連れてきたことには間違いないが...)


俺はミカよりも石を知りたい欲がでたことを猛省しつつミカを連れて帰ることにした


倉庫を出るとツミキと鉢合わせた


「ツミキさん、ミカちゃん見つかりました。倉庫の奥で眠ってました。このまま連れて帰ります。」


「よかった...わ、私、み、みんなに伝えきます。」


やはり声量が増えるに連れてどもりも増えるツミキさんにお礼と謝罪をしミリアの元へ向かった



姉は家におらず畑の方にいた


ミリンと共に探してる姿が見えたので呼ぶ


「ミリア姉さん!ミリン!ミカちゃん見つかりました!」


すると姉が飛び出し抱きついてきた

よりによって号泣している


泣き憑かれたみたいで気恥ずかしい


「うぅ...ごめんねミカ...わかってあげられなくて...」


ここでミカが起きた


「お姉...ちゃん?」


「ミカ!起きたのか!よかった」

ミカにそう声をかけた


「お兄ちゃんも...」


「ごめんね、ミカ...あなたの話しっかり聞いて理解してあげなきゃいけないのに...」


「.....」


ミカがどうしていいのかわからずもぞもぞしだしたので一旦下ろした


「帰ろ...今日は私がご飯作ってあげるわ...」


目が醒めた直後すっかり涙を拭き取ったミリアがそう言って連れ戻そうとした


「うん。ごめんなさいお姉ちゃん...」


「ミカ大好き!」


笑顔で抱きつかれミカも笑みを返した


その日の夜、紙を手に入れてからというもの毎日日課として手記を綴っているのだ。


そして寝る前に必ず布団の上で必要事項などの確認のため読み返すのだ


そんなこんなでごろごろしながら思考しているとコンコンコンとノックが聞こえてきた


「どうぞ」


既視感を覚えつつも中へ通す


入ってきたのはツミキさんだった


フリフリのついたピンクのパジャマ姿である


あんなに恥ずかしがってたのにそれで外を歩き回れるとは凄い度胸だなと矛盾していそうな考えに至る


「あ、あ、あのぉ、ミカちゃんのここ、こ、事では、は、話があるのですが...」


どもり具合といいツミキからミカの件で話といい普通の話ではないと思い、戸締りをしっかりして話をしてもらうことにした



「み、ミカちゃん多分私と同じ話が通じない病気なんじゃないかと...」



思考が一瞬停止した



話が通じない病気なんて聞いたことがない。話ができなくなる病気なら山のようにあるのだが通じないとなるとニュアンスが全く違うのだ


「それは話が毎回噛み合わないみたいな感じなのですか?」


噛み合わないと自分でも言葉を絞り出したのだが今までツミキに依頼したりするときも噛み合わないなんてことはなかった


「ひ、人とうまく打ち解けられないんです。ちょっとした相違があるのは理解しても許せないことは許せなかったり話をうまく合わせられなかったりするんです。多分ミカちゃんもそれでミリアさんとあったのかなと...そ、そそ、それに...」


何を言おうとしたのかどもりが悪化して口をパクパクしだした


「話聞き終わるまで待ちますから一旦落ち着いてお願いします。」


そう彼女を落ち着かせることを促して話の続きをきいた


「そ、それにわかるんです。ミカちゃんが私と同じなんだなとわかるんです。」


ひとまず整理するとこれは病気かどうかはわからない


あるとしても脳の病気で病いというより特性、つまり自閉症などの多動性障害ということになる


まぁそうならば病気というよりそういう特性だと思って周りがよき理解者になってあげて助け船をだしたりする意識改革が必要となる


「そ、そのぉ、私、元々はウッディさんに憧れて木材加工の職人になろうとしたのですが師匠や兄弟子達とうまくいかず抜け出しそ、そこからはど、独学で接着や組み木の技術を身につけ、しょ、職人にその技術提供するか、形で生業としてきました...」


彼女はまだ25だと聞いている10歳の頃に職人目指して門を叩いたとのことなので15年で職人として生計を立てられるまでに成長したとも捉えられるのだ


凄い努力家である

「そ、そんなこともあり私は他人と仲良くできない病気かなんかなのだとお、おも、思っていたんです。」


「話はわかりました。そのようなご経験の元でミカちゃんが自分と同じ境遇だと感じとられたのですね。もう少しお話していいですか?」


その後どのように接して欲しいか。どのようなことは言われたら嫌だとか勉強するためにカウンセリング形式で対話を続けたのだった







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