35 金色の絶景と本格的伐採計画始動
堀の完成も終わり次の日
堀と同じくらい大事なことが待っているのだ開拓メンバー全員をかき集める
開拓メンバーといえばメンバーではない3人組は今は村に居ない。
調査の報告書を届けるのを3人に依頼させていただくことにした
報酬として金貨3枚を前払いしてある
海ではなく本島の道なき森を抜ける形で行ってくれるとのことなのでそろそろ帝都についていることであろう
そして朝10時頃。
畑に総勢24名が集まった
畑、そう麦の収穫である
約3ヶ月半で途中で枯れたり害虫にやられることなく無事育ちきったのだ
しかし24名も集まると人の圧迫感というのだろうか凄いものがある
また、ミカは相変わらずミリアの後ろに隠れている。
まだ姉以外の人に対する恐怖心が抜けきっていないのだろうかそれとも単に人見知りなのかは定かではない。
というわけで手分けで収穫作業が始まった
金色の絶景...
まるで黄金郷の光景のような絶景であった
それもそのはずなんと4ヘクタールもあるのだ
200メートル四方が麦で埋まると金色に染まる草原そのものなのだ
「ミリン。君がいてくれて助かりました。」
労いの意味も込めてお礼をいう
マッチョ組から2人
クリス・ロビン君とファー・ロビン君の兄弟が固定で畑を手伝っていたとはいえこの敷地面積...
穂をつけるまでの成長期の日課となる水やりですら重労働となるのだ
その上害虫対策、野鳥対策、稲病対策など人員不足ながらもこの面積で育ててくれたのだ
「いいわよそんなこと。ロビン兄弟にお礼なら言ってあげて。そもそも面積を決めたのは私よ。巻き添えとはいえ2人には感謝してもしきれないわ。」
満面の笑みでそう返事を返してきた
全く弱音を見せず他人に感謝も忘れず笑顔で居られるなんてすごい人だと敬意を表するとともに尊い存在であった
「さて!皆さん!収穫の日です!女性陣は一定数で束ねる係男性陣はひたすら収穫する係にわけます!頑張りましょう!」
馬3頭...いや馬3人にもお越しいただき麦を積んだ積荷を倉庫前までミリン様とともにお運びしていただけることとなった
(今ミリンから動物扱いするなという殺気が...匹って呼んだらまだしも頭ダメでしたっけ?)
全く色んな意味で恐れ多いお方である
まる1日かけて麦の収穫は進んだ
なんとその量164,000キログラムである
1年というかこの人数なら3年ほど困らないだろう
収穫後倉庫前で皆で干していく
その際次の作付け用の種として一角だけ離して干していく
「さて。また馬様のお力をお借りさせてもらおうかしら」
そう作付け用の一角を見ながら素晴らしい笑顔である
今日も殺気の時も含め1日中笑顔のミリン
頼もしさが半端なかった
そしてその次の日より道路整備計画は始動することとなった
道路 そうコンゴの治める地域の村と本土の帝都に向けて二本の道を開通させるのである
これにて陸続きであるアフリターは帝都へ陸路移動も可能になる重要な作業である
当然森から最低道幅の木々の伐採がいる
3ヶ月かかった村の敷地面積なんて比べ物にならないくらいの伐採が...
いやまぁいうて開拓村の面積は約8平方キロメートル
麦畑の400倍の面積の木々を3ヶ月で伐採しつくしてる時点で意外とすぐなのかもしれないが...
斧では肉体的にも限界がある
しばらくは斧でやるとしてもそろそろモーターを解禁する番なのでは...
そして必要な物質を確認しつつ就寝前に紙に書き込んであっという間に夜が更けていくのであった。




