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異世界革命  作者: パラダイス タイム
第2章 開拓と予言書と革命の始まり
22/87

19 悪夢とモルタル

次の日、開拓初日の出である


山側から登る太陽は明るくなってからも眩しさは感じさせず空は雲一つない快晴


朝特有の気温がガクンと下がり清々しさまで感じさせる素晴らしい朝である


朝起きてまずは散歩がてら昨日の木組み作業の進捗を見にいくことにした


のだったが

長屋一軒の木組みが完成間近なのに腰を抜かした


(え、1日でこれですか...

ひょっとしてマッチョ組の皆さんかなりいい人員なんじゃ...

いや的確な指導をしたエッフェルさんの実力もありますかね...)



「おはようルイス君。朝早いのね」


「ミリン、おはようございます」


学院生活では良き話し相手になってくれた第7席ことミリンが挨拶してきた


朝早い事を聞くとミリンにとっては日常なのだと笑って色々話してくれた


どうも農家の朝は早いらしい


春だと芽が出てるかどうか

夏だと夜の暑さで枯れてないか

秋だと収穫前の作物が荒らされてないか

冬だと霜が降りてないか


朝は気が気じゃない時間帯らしい


何より酪農もやってると家畜が元気にしてるかの心配もするのだと


そうこうしてるうちに空の色が蒼く安定して太陽が今か今かと山から登ろうとしてるのが見え始めた


「ひとまず朝ご飯にしましょうか。全員分作ってきますね。」


「あ、私がやる!」



結局2人で作ることとなった



朝食を取り終わり例の人に質問攻めを開始する


「おはようございますリオンさん、モルタルは良い感じにできました?」


「おはようルイス君!これみてよ!

君の言う通り固まった!

水が少ないとボロボロ崩れやすく逆に多いと固まらないみたいだね

あ、これがとりあえず比率ね」



そう弾丸のように報告兼説明を受けた



(あれ?僕がリオンさんにする予定だったのになぜ僕が言葉の弾丸を...)


「リオンさんありがとうございます

これで建築に使えますね

それで少し質問があるのですが今お時間よろしいですか?」


「ん?どうしたの?」


「予言書の件ですがあれ学院に保存されてると聞いていたのであれって僕でも読めますよね?」


「あぁあれね、あれは成績上位者にしか読めないんだ。

成績下位の者が読んだところでってこともあるけど中には危険な物もあるようだしね」


「なら僕も読めるということですね

ところでリオンさん職人達が知ってるのはリオンさんが伝えたのですよね?

内容ってどれだけ覚えておられますか?

後リオンさんってどこで予言書の存在を?

言い方変えましょう、ひょっとして学院に入学し首席になるまで頑張っていたのは予言書のためでは?」


弾丸のように鋭く連続的に質問していく


「勘のいいガキは嫌いじゃないよ」


あれ?なんか微妙に聞き覚えのあるような違うような...


「ガキ扱いしないで質問に答えてください

身長小さいのを弄られるのはあまり快くないので」



「やっほーリオンおはよう」


姉のミリアがやってきた


ミリアの影から1人女の子


ミカ・ヴァーミリオンである


親のところにおいていくという手もあったのだが本人はおっさんくらいの年頃の大人がトラウマになってる恐れもあり何より姉にとても懐いていたため開拓地に連れて行くことになったのだ


「おはようミカ、良く寝れた?」


僕がそう挨拶をした時彼女が震えているのに気がついた


「どうかしたの?怖い夢でもみた?」


「うん、父さんが黒くなり母が顔色悪い人たちに...」


ここで耐えきれなくなったのか号泣してしまった


「ちょっとルイス!なんでそんなこと聞くのよ怖がっていたのよ!」



「ご、ごめんなさい。夢の内容が気になって...」


「人の弱みにつけ込むようなものじゃない人としてどうなの?」


姉上がそれをおっしゃいますか...

いやまぁ僕も悪気がないとはいえ意識が足りてないと思いましたが...


「よしよし、僕がが守ってやるって約束したからな。兄である僕は絶対にいなくならないしミカの前では死なないからさ」



そう慰めた、慰めにならないかもだけどと思い頭を撫でてあげると震えも次第に収まったのでよしとしよう



「それではリオンさんモルタル建築始めましょうか」


僕はミカとリオンさんを連れてエッフェルさんの元へ向かった



木組み作業のとこへ着くと声が聞こえてきた


「そこの目印から順に木材を挿していって

あ、そこ少し斜めってる

しっかり挿さってないでしょ

しっかり挿せれば隙間がなくなるはずだから隙間なくなってるか確認する様に」


「エッフェルさんおはようございます。これは2軒目ですか?」


「どうやら長屋の方は見てきてくれたようですね。その通りでございます。どのようなご用件で?」



「リオンさんがモルタルの配合を羊皮紙にまとめてくれましたのでこちらを板に塗って家を完成させようかと思いまして」


木組み木組みと言ってるが今の長屋は実際は薄い壁でできた小屋みたいな建物なのだ


建物として利用はできるが壁の板は薄さ1センチ


僕ですら蹴破ることは簡単である


それなのにここは火山地帯

当然火山性地震も起こりうる


それに耐えられるような強度ではないのである


そこでモルタルの出番だ


まず外側に塗っていく


5センチくらいの厚さを意識して均等に塗っていく



ミカにも手伝ってもらって彼女が見た夢を紛らすことにしてもらった



しかしこの作業がなんとも難しい


塗り終わりこそしたものの重量のせいか少しだけなぜか下の方がぶ厚く感じさせるのだ


直そうとなんども試みたのだがこれがうまくいかない


そして4時間ほど乾かした昼過ぎまた様子を見にきたら更に酷い惨劇であった


まるで段々腹のように固まりそれにひび割れが生じたのだ


「これはあれですね薄くなんども重ね塗りする必要がありそうですね」


ひとまず失敗の分析結果としては塗りすぎによる重力からの影響の増大で間違いないだろう


モルタル独特の粘性と表面張力でいけるものだと思ったがそうもいかないらしい


ひとまず失敗したやつは除去することにした


「なるほど粘性はあれど液体と思った方が良いみたいだね」


「これがモルタルかカチカチですな。これで建築...面白そうだ」


リオンさんも分析してたみたいでその隣ではエッフェルさんがニヤニヤしていた


「ごめんなさい、うまく塗れなかった...」


ミカが下を向いてしまった


「大丈夫、失敗なんて付き物だよ。大事なのは失敗を失敗のままにしないこと。ミカは今回の失敗の原因わかる?」



「重い?」


いい線いってるが残念


「そうだね少し重そうだよね?軽くするには?」




「ーーーちょっとずつ!」


どうやら気がついたようである


「じゃ今度からそうしよう。エッフェルさん全体的に一階の壁貼れる状態で建てていきましょうか」


「承知しました。班を分けるぞ段取りはわかってるよな?〜〜〜〜」


後はエッフェルさんに任せて再度塗り直しを始めるのだった

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