18 予言書と記憶
開拓初日の夜
俺は布団の中で記憶を辿っていた
なぜ辿るのか...
それは存在そのものを忘れてた3世紀予言書のことを職人達に思い出されたからである
(軽はずみな言動を慎むように言われてるしなぁ
火薬なんて悪用されれば戦争にさえ使われてしまう恐れがあるのに便利の一言で済ませる訳にはいかない...しっかり思い出せ
人当たりの良いあいつのことだおそらく俺に何かしら言葉を残すはず)
予言書の存在自体を知ったのは今から13年前、初めて夢を見たあの日である
〜13年前〜
「母上〜ひっぐ」
その日は泣きながら目を覚ました
泣いてる理由は至極明解、怖い夢を見たからである
そりゃ5歳の子供で自分が空高いところから落下する夢なのだ
もし空を飛ぶ夢なら明るい夢だったであろうがこれが落下する夢だと話が変わる
「あらあらお漏らしして...どうしたの?」
「空から落ちた...タナカ?さん?と空から落ちててどんどんはやくなって...」
「タナカ!?ちょっとあなたきて!ルイスが賢者様の夢を!」
僕、ルイス・ヴァーミリオンが賢者を知った瞬間である
どたん!父上と姉上ことミリアが慌てて部屋に入ってきた
「こいつお漏らししてやんのwww」
笑う姉上
「どんな夢なんだ!」
お漏らし何それおいしいの状態の父上
「その前にルイスの体流してくるわ」
呼びつけておきながらどこふく風状態の母上
なんとも言えない噛み合ってない空気感は容易く当時の記憶を呼び起こした
後始末してもらった後夢の話をした
「何その夢...怖い...夢の中とはいえ落ちるなんて...」
さっきまで笑ってた人の血の気がみるみゆ失せて真っ青になりドン引きされた
「なるほどな、確かにそりゃ賢者の夢だろうな...予言書は学院で保管されてて呼んだことがあるのだが予言書の序盤に空から落ちてきたって書いてあって次元の違い、これが賢者なのかって思い知らされたよ」
「え、えぇ私も呼んだことあるわでも三部あるって書いてあっても二部しかなかったよね?」
「あぁ確か見つかってないんだと。そもそも一部しか読めないがなw
二部は異国語なのかみたこともない字だった。
確か26からなるさまざまな単語と思われる字体で書かれてあったな。
大きさが2種類あり小さい方と大きい方を対応させたまではよかったがそこから全く解読が進まなかったよな」
「えぇそうね、確か所有権って皇帝様が代々引き継いでこられたのでしょう?なぜ三部だけないのかしら...」
「賢者様?って何?」
あの時、完全に置いていかれてたなと懐かしむ
「賢者様はねタナカ・カズヤってお名前の凄い人なのよ。300年前にこの国を作り統一の基盤を作りこの大陸に文明をもたらした方なの」
と熱弁する母上
「基盤?大陸?文明?」
当然その当時はわかるわけもなかった
「賢者様のお名前だけでも覚えておきなさい」
「タナカ・カズヤ!」
そう元気よく返事すると両親が顔を見合わせ微笑んだ
とここまでが当時の記憶である
予言書...三部あってそのうち二部は学院に保存されてたのか当時は十傑になるできれば首席で卒業する!
その意思で常に勉学に勤しんでいたため予言書なんてオカルトなもの特に気にしていなかったのだ
(一度目を通しておく必要があるな
といっても早くても帝都へ帰るのは一年後だな覚えていれば良いが
しかし26で大文字と小文字に分かれてあるってことは英語だろうかなぜ英語で...
親が読めてることから一部は俺から言わせれば異世界語、普段使われてるルイン文字で書かれてることは間違いないだろうな
同じ文?それとも俺にだけわかるようにってか?
後あいつが国起こして皇帝に代々継承させてるのになぜ三部だけないんだ...)
次々疑問が湧いてきた
どのみち紙にかかれ本の形状をしてるそれだけは確かなのだからページ数はそれなりのものだろう
写本とるにも紙がいる
それに今は閲覧可能かもわからない以上はこれ以上考えても無駄である
しかし職人が内容を知ってたのはなぜか
まぁ思い当たるのは1人だけなのだが
その人に一度聞いてみるべきであるそう結論付け寝ることにした




