13 出航
2人を見送った次の日
今日は大忙しの日である
まずは朝市に参加し大量の脱穀前の小麦と芋類を仕入れ
紐やロープ、斧や鉈、大量の釘などの持ち込む建材なども買いあさり
それらを積荷としてリストにまとめ港に借りてる倉庫に運びきらないといけない
今回マッチョ12人全員に臨時給料払うといい来てもらい荷物運びを手伝ってもらうことにした
実際給料は払うが開拓先はそもそも紙幣が流れてないため使えるようになるのはだいぶ先である
ともかく今は開拓仲間になった商人2人を連れて朝市に参加しているのだ
「2人似てるなと思ったら双子だったんですね」
「そうなんです。ほくろがある私がリラでない方が妹のルナです。」
紹介をされた妹のルナが軽く会釈をする
「僕はルイス
「ああぁあなたのことは存じておりますので紹介なされなくて大丈夫ですよルイス・ヴァーミリオンさん!」
自己紹介しようとしたら遮られた
「ご存知だったんですねw」
思わず何言っていいか分からずそう口にした
「そりゃルイン十傑首席じゃないですか。商人が取引先になりうる有能な方を把握するのは当然のことじゃないですかw」
ここで市場開場のベルが響く
日の出の時間がきてしまったのだ
一瞬で2人の目つきが変わった
朗らかさが漂う笑顔素敵な顔が一瞬で凛々しく獲物を見つめる捕食者のような鋭い目つきに変わったのだ
(女性ってやっぱ怖い...)
恐怖心が思わず湧いて出た
そして全国各地から取り寄せられた品物が次々運ばれ紹介され売られていく
静かな空気が一瞬で戦場と化した
既に2人には今回使う予算と買うものの内訳を言ってるのでいい感じに選んで購入してもらう
任せるならなぜ僕が市場にきてるかだって?
何事も経験である普段見ないところを見た時得られるものは大きい
知らないものを知らないままにするのはもったいないと思ったからだ
しかし毎日のように戦場みたいになるのか
自分なら心身共に疲弊して耐え切れないな
そうおもってしまった
そして次々と購入した箱が自分の前に積まれていく
支払いに金貨1枚を専用の支払い場で支払いお釣りも貰ったら2人を連れ買うべきものを買いあさりに首都を回りに回るのであった
「いやしかし凄い量ですね」
港の倉庫に積まれた木箱をみて独りごちる
「半分が食料関係ですけどねw」
リラさんがそれに返答した
「ルイス君〜」
と3人で倉庫の中にいたら1人慌ただしく倉庫に入ってきた
「ミリン!家の方は大丈夫ですか?ここしばらくずっと顔も出さないから閉じ込められてるのかとおもってましたよ」
ミリンが2週間ぶりにやってきた作成中の計画書の一部を彼女にみせて借りてる倉庫も把握してもらってたため辿り着けたみたいで安心する
「いや閉じ込められてたw」
てへと告白するミリン
「でもね親の許可取れたよ!それに馬も三頭借りてきたからそれの報告と馬を連れてきたよ!」
そういい馬を三頭紹介された
白馬のホープ
黒馬のノワール
ブチ柄馬のラッキー
この三頭が開拓仲間に加わった
仲間というか動物だけどミリンの前で動物扱いすると半殺しにされるのは学院時代に経験済みである
果たして三頭仲間に加わったのだがこれはとてもありがたい話だ
この三頭とも農耕馬で力もあり開拓の際に荷物を運んでもらったり畑を耕したりする本職もしてもらえるわけだ
というより親の許可取れたのか
馬の話を熱心に話しているがそっちの報告も受けたいのだが
馬の特徴や性格を聞きながら傍目でそんなことを考えていた
そうして馬の説明だけで夕刻だったのに日が落ち宵闇が訪れたところでミリンが又慌てだした
「って馬の説明してたら日が暮れてしまった。親に日が暮れるまでに帰ってこいって言われてるからまた明日!馬任せたよ!」
そういい帰って行った
(おいおい聞きたいこと山のように残していくなw)
残った馬と倉庫で寝泊りし夜が明け出航日を迎えた
「最後です。釘20キロ2箱積みます」
「2箱ですねチェックしました。お疲れ様でした」
積荷を積み終わり最後にメンバー確認とチェックを行ったら出航である
「ホープ、ノワール、ラッキー、ミリン、ミリア.........リラ、ルナ全員居ますね。船長さん出航準備完了しました今日から約1週間お世話になります。よろしくお願いします」
「約2週間な。任せておけしっかり送り届けてやるからよ。おめぇら出航だぁぬかりはねぇか?」
「「「 アイアイサー 」」」
「出航〜」
このアニメのような掛け合いの後出航となった
俺だったら恥ずかしくて言えないよく言えるな日常なんだろうが
今日から約3週間、約3500キロの航海である
直線距離で見れば300キロほどだが航路では3500キロちょい2週間もかけないといけないわけだ陸路が繋がれば2、3日で往来可能になる
(今回の開拓地の重要性がよくわかるな)
12日にわたる航海の末開拓予定地に辿り着いた