8 思わぬ味方
えっとなぜ第7席ともあろうお方が生活を投げ出して成功するかもわからない開拓村の住民になりたいと志願なされたのかまったくもって理解不能である
「成功するかもわからないのですよ?正気ですか?」
「私がいれば成功率が上がるのではなくって?失敗しても私には権限あるからどうとでもなるわよ」
まぁ彼女の家は大規模な畜産と農業を行う金持ちな平民の出で彼女自身勤勉家なので畜産と農業両方の専門家なのだが
いざとなったら権限任せ...
これが先ほど親の計画性の無さを嘆いてた少女の発言ではないなと思ってしまった
この親にこの子ありってこういうことなのか??
「計画性というかビジョンがかなり酷いのでは?目標も目的も無しにやり通せるほど甘くはないと思いますが」
「目的ならあるわ!親の言いなりとはおさらばできる!おまけに私は私の牧場と農園を持つのが夢なのよ!それを目標に頑張れるわ!開拓でしょ?土地の所有権も当然手に入れられるわけよね?それなら問題ないじゃない」
ここまで言われて流石に反論できなくなってしまった
彼女は前からやると決めたら引かずにとことんやり通す性格だったなと今更ながらに反省している
(もう手遅れじゃん。早めに話題を変えるべきだったな...)
まぁこちらにはメリットはあってもデメリットはないので快く?了承する
できればあまり友達を巻き込みたくはなかったが火の中に飛び込んできたのはしょうがない
「それじゃあ牧場と農園の土地確保に協力するから農業と畜産関係を一任しても大丈夫ですかね?」
「まっかせといて!ルイス君の役に絶対なってみせるから」
まるでひまわりのような無邪気で明るい表情で即答してきた
(なんか妹感覚なんだよなぁ俺にもいたなぁ)
懐かしみながら計画が確定したら皇帝陛下を通じてあつまってもらうことを付け加えておきそのまま別れるのだった
その後港の件でコンゴの元へ向かった
コンゴはツンツン女王様とご一緒している
「コンゴ、計画どうですか?」
「ある程度の道筋は完璧にたったよ後は細かい収支や施設管理等の概要を作成したりしないといけないところだね」
「ちょっと相談があるのですが。」
「今度は何?」
「港を貸してほしいんだ本島の街への道の整備が終わるまででいいので」
「それならウバンギ村に新しく港を作ることにしましたのでその規模を大きくして一角を貸すって事でどうですか?どのみち他の村や街の港は既に使用権を販売されてたり個人所有の港なのでそこを使うのは無理がありますし」
「ならそれでお願いします。計画書変更になりますよねwお手数おかけします」
「ねぇ今いい事思いついたのだけど」
ツンツン女王様が話に入ってきた
(嫌な予感しかしないぞこれ)
「インデイアさんいい事とはなんでしょうか?」
コンゴが何のしがらみもなさそうにしれっと聞き出した
「私達3人でその新しい港を管理しない?そしたら物品の往来がしやすくて当然貨幣も流れるから WinWinじゃない」
コンゴの統治地域の港をなぜ3人で管理するのかこれが謎
管理者増やすと混乱が生じてうまくいかないと思われる
「ルイスはどう思います?村に所有させる港以外の交易用だけならありだと思いますが」
「交易用ならね、ただ同じとこを複数人で管理しようとすると当然情報が錯綜しかねず混乱が生じやすいはずです。ですから利用を優先できる港を作るならいいですが複数人の管理するというのは反対します。」
「そんなきっぱり断らなくてもいいじゃない」
ツンツン度が増した
「3人で利用する港というのは賛成ですよただ管理は1人に任せるべきです当然その港で働く人もいるわけですから」
「わかりました俺が考えておきます。計画書にどのみち盛り込む必要ありますので形になったらそれでいくってことでよろしいですか?」
インデイアと俺はコンゴに了解の意を伝えそれぞれの作業に戻ることにした
開拓仲間+1人 酪農兼農家
計1人