第4話「少年と学校」その2
ある程度キャラが固まるまでは連日投稿を目指したい、残業はいったらアウトだけど。
『第4話』少年と学校 その2
【魔女の森の中とある家・魔女の部屋】
「ん……はぁぁぁ…うみゅ?」
むくりと身を起こし、周りを見る。
「むー?我がでしー?」
うや?いつも私が起きるタイミングで……
訂正しよう、朝食の準備を終えてから、
私を起こしに来てくれるはずだが?
「そうだった……我がでしは……」
もそもそとベッドから這い出し、パンツを探す。
私は寝るときは全裸派だったのだが、
我がでしと暮らす事になって暫くしてから、
私のマネというか……我がでしの教育上宜しくないと、
せめて、ゆったりしただぶだぶシャツだけは着るようにしていた。
……あれ?どこだっけ?
我がでしが、いつも事前に用意していてくれていたので、
パンツやら着替えの場所が分からない……
あ、パンツ見っけ!椅子に掛けてあるパンツを手に……
”きぃぃぃぃぃぃぃぃやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!”
「ぬぐぐ……うかつ……」
以前作った”マンドラゴラパンツ”に自ら引っかかり、
人には見せられない格好で、私は悶絶していた。
「まぁ、おかげで目が覚めた、けど」
”くぅぅぅ……”
「お腹へった……」
窓から差し込む、日差しの角度からして、もう昼過ぎのようだ。
そうだった、寝ぼけ眼で我がでしを見送ってから二度寝したんだった。
「ごめんよ我がでし……だって、眠かったんだよ。」
自分に言い訳をしつつ、台所を覗き込むと
サンドイッチとサラダが用意されていた。
「ほう?これはなかなかどうして」
私が感心したのは、食卓のテーブルクロスに描かれた術式だ。
サンドイッチとサラダが痛まないように、
湿度や温度を一定に保っていて、サラダも瑞々しい。
魔女に魔法を乞う者は、大抵何か覚えると、
すーぐに私利私欲に走るものなんだがね……
「うん、やっぱり我がでしの作るご飯は美味しいなぁ~」
コーヒーも魔法で火を点けるだけで出来るように、
ポットに用意されていた。
「ははは……我がでしがいなくとも、至れり尽くせりというやつか」
我がでしは何というか、覚えた魔法をアレンジして、
私や他人が喜ぶようなモノへと昇華させていく。
邪気がないというか、純粋というか、
まぁそこが可愛いとこでもあるし、教えがいもある。
それ故に心配だ、騙されたり傷つく事もあるだろう。
「外を見て、何かを学んでくれるといいのだが……」
朝食を終え、改めて一人ぽっちの食卓を眺める。
「そういえば一人で朝食なんて、何年ぶりかな?」
常に、我がでしが私の目の前でころころ表情を変えながら
忙しなく何かをしていたっけ……。
「ふふ、料理もこんなに上達するなんてね……」
私が”美味しい”と言った時の笑顔や、
ちょっと不満そうにした時のしゅんとした顔、
どれもが愛おしい。
「これが、寂しいって事かな?
私にまだそんな感情が、残っていたなんてね」
一人でいた頃が気楽だった、
でも、今の生活は不快じゃない……。
「ふむ、そろそろ着いたころかな?」
収納魔法のアイテムボックスから、水晶球を取り出し、
短い詠唱を唱えると、ぼんやりと画像が浮かんでくる。
『クラッシュ3号』に小型の水晶を仕込んでおいた、
これで我がでしの行動はばっちり確認可能!
プライバシーの侵害?言いたければ言うがいいさ!
魔女は、かなーり我がままなのさ♪
「大丈夫かな?虐められてやしないだろうか?……
な!なんじゃこりゃぁぁぁぁぁ!!」
目の前の水晶には、我がでしと同じ位の少女が、
我がでしの手によって全裸に剥かれている…
そんな衝撃映像が映っている……。
「まさかまさか?我がでしが、
初めて見た同種のメスに欲情して襲……うには幼い。
いや、私の裸を見てもケロリとして……たし?」
ちょっと悔しい過去を思い出し、凹む。
「まさか、ハニートラップに?こうしちゃいられない!」
私は素早く身支度を整えると、スタッフを床につき詠唱を唱える。
離れた場所へ、瞬時に移動できる”転移門”を出現させた。
「マジレース学園の学長室へ、アクセス!」
『アクセスに成功しました、ゲートを繋ぎます』
アクセスに成功したのを確認し、転移門を開く!
「待ってろよ、我がでし!今私が助けに行くからな!」
私は転移門へ飛び込んだ……
魔法って便利って感じを醸し出したい、醸したい