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―1―

「お前のような変わり者との婚約は破棄だ!それにお前は俺の可愛いニーナを虐めていたのだろう!」


(はぁ、ニーナとは誰...あぁ、あそこにいるご令嬢か)


「グスン、トールス様いいのです。きっとわたしがトールス様といつも一緒にいるのが気に食わなかったのですわ。わたしが悪いのです。」


(悪いと思うなら一緒にいないだろう。普通は)


瞳を潤ませてはいるが一向に涙が落ちてこない器用なご令嬢がニーナ様と言うのだろう。泣きそうで泣かないニーナ様を慰めるように婚約破棄を訴えてるトールス様が庇う。


他にも数人がニーナ様を守るような仕草をしだして面倒事がまだ続くのかと溜息をはくクリスティーナだった。


「あぁ〜可哀想なニーナ。こんなおかしな奴に虐められ続けたのだろう?それなのに自分が悪い等となんと健気な」


「ニーナ嬢、我々もおります故。ご安心下さい。」

「ニーナ様、僕もいます!」


トールス様を筆頭に数人がニーナ様に話しかける。


(飛んだ茶番だな。付き合わされてるこっちの身にもなって欲しいのだが)


「えーと、トールス様?だったか。僕はニーナ嬢と話した事も無いのにどうやって彼女を虐めると言うんだい?」


トールス様の周りにはニーナ様と高位爵位のご子息達がいるがクリスティーナの周りには低い爵位の者から高い爵位の者まで様々である。

それにそのニーナ様を庇っているご子息達の婚約者もいたりする。


「お、俺の名前を覚えてないのか!?」


「はぁ、それはどうでも良いだろう?それで、どうやって虐めるんだ?証拠は?」


「くそっ!証拠はニーナが教えてくれたんだ。お前に虐められていると!それで充分だろう!」


「そんなのが証拠となるとは、君は馬鹿なのか?次期公爵の跡取りとあろう者がそんなのを証拠と言うとは情けないな。」


クリスティーナの発言により周りのご令嬢がクスクスと笑い出す。


「な、な、なっ!!!俺を馬鹿呼ばわりするとは!!!」


(一々大声を出して顔を真っ赤にして恥ずかしいと思わないのだろうか?)


「もう馬鹿馬鹿しいな。ご令嬢方、御相手出来ず申し訳ない。あちらに参りましょう。美味しいスイーツがたくさんありますよ。」


「ええ、クリス様。行きましょう。」

「御相手してくれず寂しかったですわ」


先輩のご令嬢方が口々に言う。余程あの馬鹿達が目障りだったのだろう。冷めた視線を彼らに送っている。


(彼女達の婚約者もここにいるんだよね。何をしているんだろうな、彼らは)


「ま、待て!逃げるのか!」


「逃げるも何も。婚約破棄だろう?構わない。書類を我が家に送ってくれ。それで良いだろう?」


それだけ言ってこの場から離れようと思ったのだが、馬鹿な彼らは許してはくれなかった。







ここまで読んで下さってありがとうございます。

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