マーク8、
そろそろ次へと向かうことにしよう。お腹も一杯になったしな。なんて言葉をマークが放つ。
次っていうと?
突然の言葉に、僕は戸惑った。二人に会えるってことかとの期待はあったけれど、マークの表情はとても暗かった。
君とはここでお別れしようと思っているんだ。本来なら海岸線までは行くつもりだったんだよ。けれど、それは叶わぬ願いなんだよ。君をそこまで導く余裕は今の僕にはないんだ。残念だけれど、ここで終わりにしよう。
マークの言う言葉の意味は分からないけれど、僕にはその言葉に従うしか術がない。ここで終わるんだ。それでいいんだとこの心に言い聞かせる。
物語は終わる。それでいいんだと思う。人生も突然終わる。だからこの物語は突然終わってしまう。本当にそうなのかな? 結果は分からないけれど、今の僕には、マークなしでの道程なんて想像も出来ない。
君はやっぱり賢いね。マークがそう言った。ここから先は本当に危険なんだ。僕でさえ、海には近づかない。感じるだろ? 潮の香りに混じった悪意を。
食事を終えた僕とマークは、図書館のようなその場所を後にして歩き始めていた。
ここで全てを終わらせるのは、きっと成功なんだよ。少なくとも僕はそう思う。
マークはそう言うけれど、僕の物語はまだ中途半端で、二人との再会も果たしていない。
旅は終わっても、僕は二人を探し続ける。そう言う意味なの? 僕はマークにそう聞いた。
それが少し違うんだ。ここで全てを終わらせるんだ。はいお終い。それで君の物語は終了する。先のことなんて知ったこっちゃない。なにかの終わりなんてそんなもんなんだよ。
マークはそう言いながら、足を止めた。僕は一歩先で足を止めて振り返った。
こう言えばいいの? はい、これでお終い。