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異世界ロック  作者: 林 広正
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マーク3、

 マークと出会った森には、ダイソー人とは違うまさしくな古代生物の姿も遠くにちらほらと見えていた。得体の知れない幾つもの影に追われている気がしたこともあった。けれど実際には、それらと触れ合うどころか間近では目にしていない。ニセモノ? その森にいる間の僕は、映像の世界を彷徨っているような感覚だった。ダイソー人とマーク以外はニセモノなんだ。そう感じることで、僕はあの異様な森で正気を保つことが出来たんだと思う。

 これは後に知った話だけれど、あの森へ入って無事でいられるのは大変珍しいそうだ。マークの知り合いだからこそのことであり、そうでない者が立ち入れば、行方不明になってしまうか、記憶を喪失した状態で戻ってくかのどちらかだという。

 僕は少し、後悔している。マークがいたからこその安全だったのかも知れないけれど、せっかくの機会を台無しにしてしまった気分がしている。まだ誰も知らない土地を冒険するのは子供の頃からの夢だったんだ。あの森を探検してみたかった。

 今からでも遅くはないって? それは違うと思うよ。僕はもう、マークと友達だからね。あの土地をよく知っている唯一の地球人と友達ってことは、僕があの土地を冒険しても、土地の生き物は僕を知っているから真の冒険にはならないんだよ。初めて訪れたあの日が、唯一のチャンスだったんだ。僕にとってはね。

 マークがどうしてあの土地に住み続けているかは単純だ。ダイソー人とのハーフだからだよ。ジョーイがそう言っていたし、だからなんだと納得できるエピソードをいくつも残しているからね。

 けれど残念だったのは、マークは魔女と契約なんてしていなかったってことだ。マークが契約していたのは、地球人として過ごすための滞在許可だけだったんだ。それが二十代で切れる契約だった。

 けれど嬉しいことに、マーク自身が魔術を使える存在だった。そのおかげで売れたわけではないけれど、魔術を使えるっていう雰囲気がマークの存在感を高めていたのかも知れないと考えると納得が出来る。

 ちなみにだけど、マークの魔術は、地球では使用が出来ない。その空気の流れが違うようだ。地球の空気は、マークの魔術には反応を示さない。だからマークは、自らの実力で世に出たってわけなんだ。

 そんなマークは、魔術を使って僕の頭の中を覗き、その思考を理解してくれた。

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