000〜神の内緒話
2日連続の更新!1000文字程度ですがお付き合い下さい!
「ふぅ…無事にあの子をイースに送ることができましたね」
適当に作られたような簡易な山小屋的なものの中で幼くも、一目見ただけで美少女とわかりあと数年も歳をとればすべての目を奪う美女となること間違いなしの子供がいた。
しかし
その子供が歳をとることはなく、その子がその気になればすぐにでも絶世の美女となることなど造作も無いだろう。
なぜなら、彼女は世界を支配する神の一柱なのだから。
「嘘をつくとは主人様にしては珍しいですね」
「そう言わないでくださいよ、こうするしか方法がなかったんですから」
神様である幼子は、ずっといた白装束に上から下まで包んだ者からの問いかけに答えた。
「確かにあの世界は他の世界と比べると存在のとしてレベルはイースと比べると神にも匹敵する。しかし、そこに住まう人間の強さはたかが知れています。」
声だけで男とわかる白装束の者は、少し慌てながら自らの主人である幼女に言葉を投げかけると、その問いに対しての答えを幼女は微笑むだけに留めた。
「強くなければ、相応の強さがなければ意味のないことなんですよ?あの世界にいる魔神を倒すためには…」
「全く…もうすでに数万年は一緒にいるというのに未だに私を理解していませんね、まぁ何も言わずに彼女の持っていた金属バットでも素振りでもすれば少しはわかるんじゃないですか?」
そう言って指差す所には、コピーしてアイテムボックスの方へ移したものの本物の金属バットがそこに転がっていた。
「このバットがどうしたっていうんで…?」
バットを持ち上げようとした白装束の者はバットの持ち手に触れると、首をかしげた。
「時に主人様よ…このバットは神具なのは見ればわかります、ですがこれの重さはどれくらいですか?」
「えーと、彼女の世界での重さに換算すると…大体8トンくらいですね」
「まじかよ…いや、彼女だけがイレギュラーということですか。それなら納得…いえ、あの世界そのものがイレギュラーだったってことですね」
白装束の者は気がついた、八神アリアがいた世界で彼女が振るったバットに直撃した人間がそのあと平然として生きていたことを。
「八神アリアは私が他の神への抑止力のために作り出した切り札なんですよ。低級の神ならその手で葬れるほどのね」
幼女の邪気の含まない笑みに、白装束の者は凍えるような悪寒を覚えた。
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