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柵を壊した犯人
「(うわ…イラナイ)
…死んでもいないけど生きてもいないってどう言うことですか?」
返されたハンカチをやんわりと受け取り拒否しながら瑠樹は神様(自称)に問いかけた。
死んでもいないけど生きてもいない
そんな矛盾、 普通は存在しないだろう。
「……ウッ…今から説明するね。グスッ…
君は学校の屋上から転落してここに来たよね?
その時強い風が吹いて柵が壊れたと思うんだけどそれやっちゃったの僕なんだよねっ」
まだズビズビと鼻を啜りながら瑠樹の疑問に答えた神様(自称)。
言葉の最後にてへっと笑っているその顔はなんとも腹立たしい。
「…は?何?てことは俺が死んだのってあんたの仕業なんだ。」
神様(自称)の最期のてへっにちょっと苛立ったのか瑠樹の口から発された声はとても低いものだった。
敬語も外れるほど腹立たしかったのだろう。
瑠樹の顔は無表情…と言うより真顔に近く目は神様(自称)を冷たく蔑んだように見ていた。