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八十九話

長くなっての分割しました。

それと、昨日に一度投稿しています。

 オーガが吠えた。

 それは人とは明らか違い、獣のような相手の動きを止めるような迫力があった。

 それは初見であれば驚いて、又は恐怖を覚えて動くことは出来なくなるだろう。

 

 だが、二人は違った。

 武刀は今までオーガ以上の化け物と何度も戦ってきた。

 その経験から、オーガに恐怖や驚くこともなく突き進むことができた。

 

 止まることなく進む武刀に、オーガは吠えるのをやめて右腕で殴りかかった。

 オーガの一撃は木を叩き折ることや、岩を粉砕する事ができる。

 それは剣や槍を壊すことや、形を歪める事もできる。

 

 オーガの右腕に合わせ、武刀は槍を突きだした。

 矛先は迫るオーガの右腕であり、ぶつかった。

 

 オーガの肌は岩のように頑丈だと言われている。

 それは異様に発達した筋肉が武器となり、鎧へと変わるからだ。

 

 そのため、オーガは槍で怪我をするこど思わず逆に壊す意義込みだった。

 しかし、槍と尋常じゃないほどに硬い右腕がぶつかり、槍が右腕を貫いた。

 

 槍がオーガの右腕を貫き、肘の辺りまで進んだ。

 引き抜くのは時間の無駄、と判断した武刀は槍から手を離した。

 

 同時に、オーガは槍で貫かれたことで痛みを感じて右腕を振り上げた。

 その結果胴ががら空きになった。

 

 がら空きとなった胴に武刀は割り込み、鳩尾に右手を叩き込んだ。

 強化魔術によって強化された武刀の一撃は、オーガの巨体を一瞬だけだが浮かした。

 

 武刀が後ろにステップして下がると、オーガが両膝を地面について左手で鳩尾を押さえ、武刀がいた場所に倒れ込んだ。

 

「ジブ!」


 決めてをなくした武刀は、彼女の名を呼んだ。

 彼女もまた武刀と同じようにオーガの吠えは聞かず、チャンスをずっと待っていた。

 そして今、その時が来た。

 

 ジブは三段跳びの要領で木々を飛び上がり、オーガの首を斧で振り下して両断した。

 オーガの頭は斬り飛ばされたことで空を舞い、地面に落ちてからはコロコロと転がり、止まった。

 

 ジブは着地すると斧を振って斧に着いた血を振り払った。

 

「イエイ!」


 ジブは斧を右手だけで持ち、左手の人差し指と中指だけを伸ばして武刀に見せ、倒した事を誇った。

 

「魔術なしでもやれるよ。今の見た感じ、強化魔術なしでもやれそうな感じがした」


「マジかよ。それは凄いな」


 武刀はジブに見向きもせず、オーガの右腕を右足で踏み、両手で突き刺さった槍を持ってぐりぐりと、左右に動かしながら引き抜く。


 思えば、ジブはドラゴンでも普通のではない。

 昔話で出てくるドラゴンだ。

 ならば、人であってもオーガには勝てるのかもしれない。

 

 槍を完全に引き抜くと、槍の半分が埋まっていたこともありオーガの血で汚れていた。

 それを見た武刀は、使うと手が血で汚れることに気づいて嫌がるような表情をし、何か拭く物を探して見つけた。

 それはオーガの腰に巻いている動物の毛皮だった。

 

 ないよりはマシだ、と考えた武刀は躊躇いながらも槍にベットリと付着した血を拭いた。

 拭き終わった時だ。

 近づいて来る足音が聞こえた。

 

 前回は強化魔術を解いていたため聞こえなかったが、今回は解いていないため聞くことができた。

 

「ジブ」


「うん」


 武刀がジブに伝えようとすると、ジブも分かったらしく頷いた。

 

「奇襲をするぞ」


 そう言った武刀は右手で上の方を指差した。

また次も水曜の22時ぐらいに投稿すると思います。

もし投稿しない場合はその翌日、ということになります。

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