七話
サブタイトルが間違っていたので、編集しました。
身体強化と呼ばれる魔法の講義が終わり、次は待ちに待った能力の特訓、武器の扱い方だ。
まあ、俺は特に待ってないから、帰って! と声を大にして言いたい。
さっきの講義でマナの扱いを覚え、各々、能力を使いだした。
剣を出したり、魔法の弾丸を放ったり、魔法を使ったり、ファンタジーのようなものや。
マスケット銃を生み出したり、現代的なものも。
最後の人に、いっそのこと核弾頭を生み出して魔王の城に発射してくれ、と願ったのは誰にも言わずに心の中に留めておく。
戦闘向けの能力の中には、剣だったり槍だったりを使う者もいたり、最低限自身を守るために、最初は武器を選んで、兵士からマンツーマンで学ぶ。
俺が選んだのは、槍。
理由としては、剣よりもリーチが長いから。
弓もいいが、絶対に扱えないと思うのでやめた。
槍を選んで、振ったり突いたりと、色々と動かしたが、指導役の兵士が教える気がないらしく、欠伸が真横で聞こえる。
この槍で貴様を貫いてやろうかッ!
勿論、思うだけで言葉には出さない。
そもそも、実行したりはしない
もしやったら、裏切り者になって死んでしまう。
他の者は何故か知らないが凄い速度で成長していき、俺の指導役は既にここから離れ、新堂の指導役の元に行って、新堂と話している。
他の者は二人でやっていて、俺は一人。
孤独感がすごくあって、押しつぶされそうだ。
それに、何か置いて行かれるようで凄く嫌だ。
そんな辛い気持ちを味わいながら、時間がすぎるのを待ち、終わり、夕食となり、湯浴みの時間になった。
ここには浴場があるらしいが、数があまりないので、女子と兼用することになり、交代で順番が決まり、最初は女子だ。
俺は布を借りて近くの井戸から水を汲んで身体を拭いた。
布を貰うことを使用人に頼むときに、嫌な顔をしたのを、俺は忘れない。
勇者だが、俺は無能。
媚を売る相手が違うのは知っている。
だけど、あそこまで本性を曝け出されると、酷く傷つく。
このことは絶対に忘れない。絶対にだ。
そんなわけで部屋に戻っていると、アルフィーが腕を組んで廊下のど真ん中を塞いでいた。
彼女の姿を見て、呼ばれていたことを思い出す。
ここは突破しよう。
道を塞がれても、幼女は幼女。
ちっちゃいから端から行けるはずだ。
動き出した時、アルフィーは口を開いた。
「待っていた。着いて来い」
「アッハイ」
条件反射で答えてしまい、アルフィーについて行った。
そこは大量に本棚がある部屋だった。
物がありすぎて、道の端に本が詰まれ、タワーが出来上がっていた。
「ここは?」
「私の部屋だ。ここでなら、この国の兵隊共も邪魔はしてこない」
「そうなんですね。俺を呼んだ理由は?」
「何、マナが生み出せないようだし、特訓に付き合ってやろう、とな」
なるほど。夜の二人っきりのレッスン、ということか。
人じゃないしエルフだからいいけど、見つかった場合、俺死ぬからな。
やめとこう。
僅か一秒足らずで答えを導き、頭を下げる。
「よろしくお願いします」
「うむ。では、やるとしようか」
その日の夜、朝になるまでやっては見たものの、マナは生まれなかった。
朝から武器の訓練あったが、サボった。
徹夜で眠る暇もないし、やるきもなかった
ついでに、、もう武器の訓練はやめよう、と誓った。
だって、一人は寂しいよ。