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六十九話

ストックが心配いなって来たので、週に一回の更新に戻したいと思います。ただ、祭日には更新すると思います。

 武刀の女の子達である、ヴァル、白、フェン、万里、アル、ユーミルは客室にもてなされた。

 二人一部屋だが部屋が大きすぎて落ち着かず、今はヴァル、白の部屋に集まっていた。

 

「では、主のことについて話しましょう」


 全員が円形となり、ヴァルが司会となり話し合いが始まった。

 但し、フェンは人外状態に姿を変えて包まって眠っている。

 それを枕にしてアルも眠っている。

 

 戦闘や移動によりアルは疲労が溜まり、疲れ果てて眠っていた。

 フェンはやることもないため、眠っている。

 そもそも、彼女は考える事が苦手なため、こういう話し合いにはあまり参加しない。

 

「まず知っていることは、ほぼありません。今いる場所、主のいる場所、全てが。それでも、捜さないといけない。なぜなら、主はまた女を増やしましたようですし」


 ヴァルは笑顔で言う。

 但し、目が笑ってはいなかった。

 

「そういうわけで、ここは情報収集をした後に主を捜しに行こうと思います。それで、二人一組になって探しましょう」

 

 ヴァルが提案すると、各々が考え始める。

 どうやって出し抜き、武刀に会うかを。

 

 彼女達にとって、ここにいるのは仲間であり敵である。

 武刀は見境なく人外を人に変えるため、二人っきりという時間がほぼない。

 

 その時間を作るのに、今回は都合がいい。

 そのため、彼女達は考えていた。

 ふと、ヴァルは白の方を向くとと目が合った。

 

 目と目が合い、二人は会話する。

 

(ここは一時的にでも協力しましょう)


(そうさね。ここは一緒に協力するとしようかね)


 たったの一瞬で会話を終え、正面を見る。

 二人の心はただ一つ。

 

(途中で切り捨てよう)


(途中で切り捨てるとしようかのう)


 二人は笑顔であるが、心の内では表の顔をは正反対の事を考えていた。

 そしてそれは、万里とユーミルも同じだった。

 

 別れて移動する上で、自分達には移動手段が自身の足と乗り物を使わなければならないため、白とヴァルと比べれば不利だ。

 白とヴァルが目で会話している時、二人も目で会話していた。

 

(ヴァルの案は駄目。ここは協力しましょう)


(うん。こちらが不利だもんね)


 僅かに頷き、前を向く。

 同時に白とヴァルも目と目で会話を終えて、こちらを向いていた。

 四人はニコニコとしながら、ただ見つめ合うだけで何も喋らない。

 

 全員が全員、知っている。

 心の内を。

 笑みを浮かべながら、考えられる行動を予測し、自身が素晴らしい未来を訪れるために静かに戦いが始まった。

 

 

 

 

 

 夜。

 既に空は真っ黒に染まり、頭上には星が無数に見えた。

 顔を上げればビルといった建物は何も見えず、現代ではこんな光景は田舎に行くぐらいしか見えない。

 

 アリシアもまた、こんな光景はあまり見ることはなかった、

 昔はよく見ていたが、歳を重ねていくにつれて見ることは減っていた。

 

 彼が今いる場所は、町の中で影のある場所。

 表には光があれば、その影もある。

 町に住む人なら、あまり立ち寄らない場所、スラムにアリシアはいた。

 

 大きな家からついさっき出たアリシアは、気配を感じて空を眺めていた顔を横に向けた。

 視線の先には、アルフレッドがこちらを目指して歩いていた。

 

「どうしたの~?」


「アリシアちゃんを連れて帰るように言われてね。どうだった?」


 アルフレッドは意味深なことを尋ねた。

 なぜなら、一目見てアリシアが楽しんでいたと理解したからだ。

 

 アリシアは最後に見た時と姿が変わっていた。

 成長していたのだ。

 まず、胸がとても大きくなっていた。

 大きすぎて、服が胸により持ち上がってへそが覗いていた。

 

 さらに、お尻も大きくなりズボンが破けている。

 短髪だった銀色の毛も真っ直ぐに背中まで届き、さらさらとしているように見えた。

 

 顔つきも打って変わり、中性的から女性らしく変わった。

 より大人らしく、扇情的に。

 傍から見れば、色気があるが危険な雰囲気もあり、性欲を直接かきたてるような仕草をしている。

 危険な雰囲気が背徳感となり、それがさらに興奮する燃料と変わる。

 

 まるで、魔女のようであった。

 

 男ではなくなったアリシアは言う。

 

「凄く楽しかったよ~。それで、イリスちゃんの方はどうなった? 長いことになりそうだしこっちにおいで~」


 右手で近づくようジェスチャーをする。

 アルフレッドはアリシアの元にまで近づくと、かなりの悪臭、イカ臭い匂いがした。

 

 その匂いにアルフレッドがしかめっ面をすると、気づいたアリシアが途端に笑顔と変わる。

 

「やっぱり匂い凄い~? 洗わないとね~

、ま~入って~」


 部屋に招き入れると、悪臭の根源にアルフレッドは一歩入った途端に進むことを躊躇った。

 

 扉を開けると、玄関はなく広い空間となっている。

 ただし、その広い空間は一面とある物が広がっていた。

 それは男だ。

 

 全裸の男の群れが大きな部屋に広がり、かなりイカ臭いがした。

 男達は意識がなく、家の中に入った事に何も言う者はいなかった。

 

 匂いで立ち入ることに躊躇うアルフレッドをよそに、アリシアは躊躇なく進みアルフレッドが立ち止まっていることに気づいた。

 

「どうしたの~入って教えてよ~」


「そういうのは皆で集まって話そう。僕はあなたを呼びに来るよう頼まれただけだからね」


 アリシアは話を聞く事を後回しにされ、アヒル口でブーブーと、駄々をこね始めた。

 

「ぶ~、話を聞きたかったのに~」

 

 と、突然、目を見開いて喋るのをやめて素っ頓狂な顔をする。

 

「あ! 漏れた~」


 とある場所から例の液体が漏れたことに、アリシアは嬉しそうに報告した。

魔術:肉体変化 効果:アリシアの血統魔術。自身の身体そのものを変化できる。右腕を槍や剣にしたり、血もその対象に入る。それは自身を男性や女性に、性器も変えることが出来る。そのため、彼、彼女には性別なんてあってないような物。肉体改造もお手の物。色んな意味でヤバい魔術の一つ。

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