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百五話

すみません。私が曜日を勘違いして月曜日に投稿することを忘れていました。

次は木曜になります

 四日間、武刀は見えた魔物は全て屠って来た。

 だからだろうか、木の枝から別の木の枝へと飛び移りながら町の方角に向かって移動しているが、魔物は見当たらない。

 

 魔物が見えない。

 倒されたのか?

 

 魔物が見当たらないためいないのでは、と武刀が考えているとある物を見つけて木の枝で止まった。

 

 見つけた。

 

 武刀が見た物は魔物だった。

 それも大群。

 発動していた強化魔術を一旦解いた。

 

 やっぱりいたか。

 あれは……オーガか?

 

 魔物の大群の中には、ジブと協力して倒したオーガの姿が見えた。

 この四日間で倒した魔物の中には、オーガの姿は見えなかった。

 

 なるほど。これが主力か。

 なら、さっきまでの雑魚どもは囮……いやあの数だ。

 弱くても、量は多いだけで厄介だ。

 それよりも。

 

 武刀は考えるのをやめ、目の前の光景を見直す。

 

 この数、町に行かれたら終わるな。

 少しでも数を減らすか。

 

 木の枝から降りた武刀は再び強化魔術バージョンⅣを発動し、槍を抜いて右手で持つ。

 

 穂先を地面に向け、右手は穂先に近い柄を右手で持ち柄が右腕の後ろ側で触れた。

 武刀はゆっくりと歩きながら木を避け、魔物の後ろ、障害物が何もない道に辿り着く。

 魔物との距離は魔術なしで全力走って十秒ぐらいの距離にいる。

 

 右手を開いて槍を離し、槍は地面に突き刺さりまた右手で握る。

 槍を持ち上げて穂を上に向け、左手を柄の半分より後ろの方を握り、右手は半分より少し前辺りを握り直す。

 

 身体を低くして穂先は地面ギリギリまで近づける。

 狙いは後ろのオーガ。

 強化魔術バージョンⅣなら貫けるだろう。

 おまけに。

 

 魔術、閃光を発動して突撃した。

 閃光を発動した瞬間、ほんの一足で離れていたオーガの背中に肉薄し、閃光による音に気づいたオーガは振り返ったが遅かった。

 オーガの背中は大きく、一撃で殺すには心臓を突く必要があり、必然的に心臓がありそうな斜め上に槍を突き刺し、槍から肉を貫く感触が伝わる。

 

 振り向こうとした瞬間、オーガの胸の中心から槍が生えたがすぐに抜かれ、オーガは地面に倒れた。

 

 魔物達からすれば、それは速すぎて認識する時間が足りず、仲間であるオーガが倒れてすぐには行動することができなかった。

 

 その僅かな時間が、魔物達の命運が尽きる瞬間だった。

 武刀はバックステップをして後ろに下がったとの同時に槍を投げ、魔術五月雨を起動させた。

 

 五月雨は槍そのものをコピーし同じ槍が十本生まれ、投げられた時に魔術が五月雨が発動したため、槍と同じ運動エネルギーを持つ。

 

 強化魔術バージョンⅣを発動した状態での投げ槍は、銃弾以上に速く魔物達を蜂の巣へと変えた。

 魔物が亡骸がさらに増え、判断が遅れた魔物達は動き出した。

 

 五月雨によって生み出された槍は風のように消え、本体を転移魔術によって右手に戻し、両手で握る。

 強化魔術バージョンⅣを強化魔術バージョンⅢに引き下げ、襲ってきた魔物を迎撃する。

 

 赤いリザードマンは大きくなった右爪を武刀の顔目掛けて振り下し、武刀は槍を掲げて受け止める。


 受け止めたまま目線を赤いリザードマンより後ろに向け、他の魔物達の位置を確認する。

 

 一体一体に時間を掛ける暇はないな。

 

 右足に瞬風を起動し、赤いリザードマンの腹を蹴ろうしたが赤いリザードマンの左腕に受け止められて無効化された。

 

 蹴りもそれほど強く蹴っておらず、赤いリザードマンからすれば痛くも痒くもなかった。

 

 受け止められた?

 だがな!

 

 だが、武刀は防がれることは気にも止めない。

 当たればいいのだ。

 

 瞬風が圧縮した風を解き放ち、左腕で受け止めていた赤いリザードマンは後ろに吹き飛ばされた。

 その衝撃は赤いリザードマンの身体を宙へと浮かし、後ろにいた他の魔物達を巻き添えにして倒れた。

 

 これで少しは時間が稼げるな!

 

 左から右腕で殴ろうとしてきたオーガに、槍で突き刺した。

 

 槍はオーガの胸の中心に突き刺さり、動くことはなかった。

 

「邪魔なんだよ!」


 左足で死んだオーガの身体を蹴り、その衝撃で槍を引き抜くと右から両肘から巨大な剣を生やしたゾンビの魔物が襲ってくる。

 

 映画に出てくるようゾンビと違って、動きは軽快。

 まるで猿のようだ。

 動きが軽快さゆえ、武刀は懐近くまで近づかれた。

 

 この距離は槍じゃ無理か……。

 

 槍はリーチが長いが、その分近づかれたら攻撃する手立てがない。

 これがもし達人であれば、近づかれても撃退するだろう。

 しかし、武刀は槍の達人ではなく魔術の達人だ。

 

 槍を持っていた右手を離し、右の小手にある魔術、氷撃を発動させる。

 右手が分厚い氷の盾に覆われ、上からXを振り下した描く剣を生やしたゾンビの一撃を、右手によって受け止めた。

 

 剣を生やしたゾンビの切れ味は、革の防具なら真っ二つにできるがそれは氷撃による生み出された氷に阻まれた。

 

 受け止められ、剣を生やしたゾンビは両腕を引き戻そうとしたが、何故か戻すことは出来なかった。

 

 よく見れば、剣を受け止めた氷が徐々に進行し、それは触れている氷にまで伸びており、そのため剣を引き戻すことができなかった。

 

 そのことに気づいた時には既に遅かった。

 

 出力全開!!

 

 右の小手の魔術回路をフルに起動しさせ、氷撃の威力を全力まで上げる。

 剣まで氷が伸びていたが、すぐに剣を生やしたゾンビの全体まで進行し、動こうとした時には冷凍保存されていた。

 

 右手で剣を生やしたゾンビを後ろに放り捨て、槍を両手で持った時に左から近づく音が聞こえて顔を向けると、顔目掛けて剣が横薙ぎに振るわれていた。

 

 咄嗟の判断で身体仰け反らせて躱す。

 剣は鼻先に触れそうなギリギリを通り、通り過ぎていく。

 身体を仰け反らせた動きを利用し、槍を離してバク転を二回して距離を取る。

 

 バク転をして下がっていた顔を上げ、剣を斬りつけてきた者の顔を拝む。

 そこにいたのは、黒に近い茶色の肌を持つエルフの女性だった。

 

 アルフィーのようなロリ体型ではなく、成熟したような女性であり、顔つきもどこか色っぽい。

 

 動きやすさを重視してか深緑の服の上に革鎧を着て、エルフらしからぬ豊満な胸が強調されており、ねずみ色の短パンから覗く足もアルフィーと比べると月とスッポンと言いたくなるほど違い、むっちりとしている。

 

 ロングソードを右手で持ち、左手には武刀のよりも一回り大きいバックラー。

 背中には弓を背負い、こちらを睨みつけていた。

 魔術:炎撃 効果:火を生み出す魔術。今回は小手に魔術回路があるため、小手から炎が出る。もし、銃なら弾丸、剣なら刀身に纏わり飛ぶ斬撃と、魔術回路が記載された物によって変わる。出力は自由に変えれるが、強くし過ぎると魔術回路も燃えるため注意が必要。

 

 魔術:氷撃 効果:炎撃と同じため省略。

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