表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

終焉の小鳥

作者:

思い付き(ストレス発散の突発的)作品。

設定を詰めていないのでわかりづらい。

結末は曖昧。

国王の前に突き出された一人の王女。


王子曰く『王太子妃になるべく人物への悪質なイジメの主犯』

宰相の息子曰く『王太子妃となるべく人物への中傷を行った者』

騎士見習い曰く『王太子妃となるべく人物の私物損害を行った者』


これらを王女が行ったと国王に直訴。

国王は重鎮を広間に集め、王女への取り調べを行った。


王女は『謂れのない事。証拠を示せ』と毅然とした態度で取り調べに応じた。


王子たちはそんな王女を侮蔑しつつ、証拠はないと告げた。


では、何もって王女を吊し上げたのか問う国王に王子たちは1人の少女の名を挙げた。


それは、王子たちが本来やるべき職務を放棄するきっかけとなった少女。

辺境に領地をもつ男爵家の娘の名前だった。


少女は貴族の義務として王都の王立学園に入学し、次々と高位爵位の家の息子たちを籠絡していった。

王女は次々と籠絡される少年たちの様子を注意深く観察して、少女が持つ『力』が原因だと国王に申告した。

だが、見極めるのが少し遅すぎた。

少女はこの国の王族にまで手を出していた。

学園に通う王族男子を次々と虜にしていたのだった。

王女の忠告は王子たちには届かなくなっていた。


王女は彼らを監視しつつ、少女が持つ本来人間が持つべきものではない『魅了』の力を無効にする術を探し続けた。

王立図書館に貯蔵されている書物を隅々まで調べ、数百年前にも似たような出来事があったことを突き止め、『魅了』の解除方法を新たに生み出した。

王族としての務めと学業の両立で多忙を極めながらも少女の持つ力を封印しよう努力した。


だが、悉く王子達に邪魔をされ、王子、宰相の息子、騎士見習いの3人は解除が不可能なまでに『魅了』の力に囚われてしまった。

その他の者は王女の生み出した解除方法で夢から覚めたかの様に以前の生活へと戻った。

夢から覚めた者達は自分の行動を顧みて、一からやり直す道を歩んでいる。

恋人や婚約者に見限られたのが大きな要因の一つだろう。


国王は王女に問う。

王子たちが申していることは真かと。

王女は胸を張って『否』と答えた。

男爵令嬢が王女に危害を加えられたと訴えた日付と王女のスケジュールを照らし合わせてみろというと、王の側近が即座に調べ上げた。


側近曰く『男爵令嬢が訴えた日は王女は公務で国内を廻っていた。よって男爵令嬢に危害を加えることは不可能。また、王女の取り巻きと思われる貴族たちからも王女はなにもやっていない。と証言及び証拠提出済み』


次いで王は王子たちに問う。

王女と男爵令嬢のどちらの事が真実か。

王子たちは男爵令嬢の名を挙げた。


王女は王に進言した。

これ以上は平行線。件の男爵令嬢を招集して話を聞くべきだと。


王女の進言に王は頷き、すぐさま男爵令嬢は招集された。


男爵令嬢は震えながら王の間に足を踏み入れた。

王子たちが手を貸そうとしたが王が止めた。


王は問う。

王子たちが訴えていることは真かと。

男爵令嬢は『是』と答える。

王はさらに問う。

では証拠はあるのかと。

男爵令嬢は小さく頭を横に振った。

証拠もないのに王女が犯人だと決めつけたのかという問いに男爵令嬢は小さく頷いた。

「王女様は私に婚約者を取られると思われたのでしょう。だから……」

男爵令嬢の言葉に王と王女が声を上げて笑った。


王女は笑いを治めると男爵令嬢の真正面に立ちにっこりと微笑んだ。

「私の婚約者?一体どこでそんな戯言を聞いたのです?」

王女の言葉に男爵令嬢は驚きの表情を浮かべる。

王女は玉座にいる王に振り返り笑顔を消して問う。

「王、いつ私は婚約したのですか?」

王は笑いを治めると表情を引き締めて答えた。

「俺も初耳だ。一体どこからそんな話が出てくるのだ」

王は鋭い視線を男爵令嬢と王子たちに向けた。

「のう、王子たちよ。まさかと思うがその男爵令嬢の戯言を信じたのか?」

王の言葉に王子たちは力なく頷いた。


王は広間の隅々まで聞こえるような溜息を吐いた。

「情けない」

たった一言王はつぶやいた。

王女は王に問う。

「どう責任を取る?」

王は玉座を降り王女の足元に跪いた。

「すべては皇国の皇女殿下の判断にゆだねる」

王の言葉に臣下たちも一斉に膝を折る。

王女は首を横に振り

「子の責任は親にある。親の義務を放棄するな。意味は分かるな」

王女の言葉に王は力強く頷く。

「では、お手並み拝見としよう。この者達がどのように成長するのか…」

王女……いや、皇女の言葉に国王を筆頭に臣下たちは床に額がつくほど頭を下げた。


数人。

状況を把握しきれていな王子達と男爵令嬢を除いて……


「ああ、そういえば……王太子妃となるべく人物とは誰の事だ?」

皇女の言葉に王子たちは視線を男爵令嬢に向けた。

皇女はにっこりと笑みを浮かべた。

「この国の後継者は第一王女…つまり王太女だと聞いていたが……女に女が嫁ぐのか……面白い国だな」

皇女の言葉に王子たちは背中に冷たいものが流れるのを感じた。

「まさか、そこにいる王位継承権を持っていない王子が王太子だとでも思ったのか?男爵令嬢」

「え?」

皇女の言葉に男爵令嬢は王子たちを見る。

王子たちは視線を逸らした。

「そこの王子はな、生まれた時に予言されたんだよ。そこの王子が王位に就いた時、国が滅びると……だから王は王子の姉である第一王女を後継者に定め、王子の王位継承権を破棄した。来年、成人の儀を済ませた後、臣下に下ることが貴族議会によって承認されているんだよ。王子が王位を継ぐことはありえないんだよ。宰相も騎士団長も知っていることだが……息子や部下に話してなかったのか?」

宰相と騎士団長は首を横に振り『否』と答える。

幼い頃より第一王女を支えるべく教育をしてきていたと。

王子が王位を継ぐことはないと教えてきたと。


「つまりは王子たちは王位略奪しようとした反逆者ということだな」

皇女の言葉に広間は騒然とした。

「さて、王よ。反逆者たちの末路はいかに?」

にやりと笑う皇女に国王は顔を青くして口を閉ざした。

「まあいい。今回は未遂だ。王太女には傷一つ付いていないからな。だがな、王よ。二度目はないぞ」

皇女の冷たい声に国王は深く頭を下げることで答えた。

「私に罪をかぶせようとしたことについては……そうだな、半年以内に王女が国王即位することで水に流してやろう」

「え?それでいいのか?」

「計画がちっとばかし早まったが……兄上も王女もそろそろ限界だろう。相思相愛の二人を長い間政治的な面から遠ざけていたからな。王女の国王即位と婚礼を一緒にすれば費用も多少は浮くだろう。我が兄上は王女にべた惚れだが、私以上に厳しいお方だ。せいぜい婿殿の機嫌を損ねるようなことはしないことだな。とくに、そこで呆けている王子と宰相の息子と騎士見習いは気を付けよ」

皇女は広間をぐるりと見回すとドレスの裾を軽く持ち淑女の礼を取った。

「皆様方には我が兄上が多大なるご迷惑をおかけするかと思いますが、今後とも我が皇国と眷属国が末永く手を取り合って行けることを願います」

頭を上げた皇女はそのまま広間を退出していった。


皇女は自室に戻ると皇国に帰る為にさっさと荷づくりを始めた。

「まったく兄上のためとはいえ、なんで私が密偵まがいな事をしなければいけないのよ」

皇女の態度は先ほどの広間で見せた気位の高い態度ではなく年相応の態度に侍女たちは笑みを浮かべる。

そこにこの国の第一王女・王太女が訪ねてきた。

皇女は侍女にお茶とお菓子を用意させると王太女をソファに案内し、テーブルを挟んで座った。

「すべて片付きましたね。お義姉さま」

にっこりと微笑む皇女に王太女もにっこりと微笑む。

「ええ、すべてはあの『終焉の小鳥』が導いてくれたわね」

「『終焉の小鳥』って王子の予言に出ていた?」

「ええ、『終焉の小鳥』に惑わされたら身を滅ぼすと言われていたのに……あっさりと囚われて……傍から見ていて面白かったわ~!わざわざ『魅了』の力に対抗する『破邪』の力を込めたブローチや時計を持たせたのに悉く壊して捨てちゃうんですもの」

「そういえば、なぜこの国では『魅了の力』のことを『終焉の小鳥』と呼ぶんですの?」

「はるか昔のおとぎ話から取ったのよ。『魅了の力』で王を誑かし王妃に上り詰めた小鳥のように囀っていた女が国を滅ぼしたという亡国のおとぎ話からね」

「なるほど……『傾国の美女』みたいなものかな?」

「そうね、それに近いかしら……そういえば、もう帰るの?」

荷造りをしている侍女たちを横目に王太女が尋ねると皇女は嬉しそうに微笑む。

「ええ、やっとこれで任務から解放です!兄上も自分が動けないからって末妹の私を扱き使うんですもの。でもこれで帰国後は研究に没頭していいと許可貰っているので……」

「そうなの……寂しくなるわね」

寂しがる王太女に皇女はあるモノを渡した。

「兄上に頼まれて作った試作品ですが……」

皇女が渡したのは小さな宝玉がついたペンダントとブローチ。

皇女が王太女に使い方を教えると王太女は瞳をキラキラさせながら

「素晴らしいわ!これで退屈な会議も面白くなりそうね」

にやりと笑うその笑みは悪戯を思いついた子供のようだと皇女は思ったが黙っていた。

自分も同じような表情を時々浮かべていると侍女たちに言われていたからであった。


翌日、皇女は自国への帰路についた。


帰国から数週間後

王太女から皇女にお礼と即位式及び婚姻式に参加してほしいと懇願の手紙が届き、婿入りする兄と共に再び出かけることとなる。

そこで彼女は『運命の相手』と予言された人物と出会うことになるのだが……


皇女もその人物も周囲の人間もまだ誰一人として気づいていない。



運命の歯車がかみ合うその瞬間は刻一刻と進んでいた。



皇女

 大陸の大部分を占める皇国の末姫。

 身分を他の眷属国の王女と偽り表向きは『留学』として、実は兄の婿入り先で調査をさせられていた。

 調査を進めるうちに『魅了の力』を意図的に使っている女がいることを知り、姉と慕う王太女の為に一芝居することにした。


王太女

 皇国の眷属国の継承者。

 皇女の兄の婚約者で幼い頃から皇女をかわいがっていた。

 弟がきな臭い動きをしていたので皇女と共に真相を探っていた。


王子

 王位継承権を持たない王子。

 成人の儀の後、臣下に下ることは幼い頃から言いくるめられていた。

 しかし、『魅了の力』を持つ男爵令嬢によって王位を望む様になってしまった。

 姉からの贈り物である『破邪』の力を込めた装飾品を悉く壊して自ら『魅了の力』に取り込まれたバカ王子(皇女談)


宰相の息子・騎士見習い

 王子の幼馴染

 幼い頃から第一王女の支えになる様に教育されるも『魅了の力』に屈した。

 宰相の息子は侯爵家の嫡男だったが、家は弟が継ぐことが決まった。

 学園卒業後は最下位の文官から務めることがのちに決まる。

 騎士見習いは騎士にはなれず、兵士として辺境に飛ばされる。

 努力次第では王都に戻ることも可能だが本人は気づいていない。


主な設定はこんなところ。

突発的に書いたので続編もなければ別視点もない。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ