~プロローグ~
それはもう一目惚れだった。
俺は部活のサッカーの練習の帰りだった。
その日は早めに練習が終わり、普段は帰り道は薄暗いのに今日はやけに明るかった。
友達と話ながら同じ帰路につき、分かれ道で友達と別れて100m先にある小さな公園の自販機でいつものようにジュースを買って飲みながら帰るつもりだった。
鼻歌まじりに歌いながら帰っていたらそこに現れたのは天使だった。
いや、正確に言おう。俺が公園の入り口に到着し、そこから全貌の見えるほどの小さな公園に、よくある感じのブランコに座っていたのが、そう。天使だった。
天使は下を向いていたせいか俺のことには気づかなかった。
でもその儚さはよく俺には見えた。
黒髪、三つ編み、白いワンピース、このあたりから想定するに彼女はおしゃれに詳しくないのであろう。
そして華奢な体。抱きしめたらすぐに壊れてしまいそうだ。
そして俺が天使と言っている最大の理由はそのきれいな顔だ。
うつむいてるせいでよくは見えないがその天使の美しさを見るには十分であった。
おもわず見ぼれてしまった。
でもどうしたらいいのかわからなかった。
なにせ14歳になってから一度も好きになったことない俺だ。
そこで話しかけることなんてできなかった。
話しかけることなどできない僕は
なぜか天使をぶん殴った