プロローグ~いつもの朝~
OVL大賞応募作品として新しく書き始めた作品になります。
初めてのファンタジーなので設定とか意味不明で説明がたりないだとかといった、ご指摘などが少しでもありましたらよろしくお願いします。
~プロローグ~
この世界には秘密がある。
誰も知らない秘密がある。
この物語はそんな秘密に触れてしまった一人の男女による物語。
♂
俺に呼ばれた。どこか遠くでもう一人の俺に。
♀
私に呼ばれた。どこか遠くでもう一人の私に。
♂♀
『そんな事あるはず無い、これは夢なんだ』
静かに目を開ける。そこはベッドの上で目を覚ました。これといって特別な目覚めでもなくもう朝かと目を覚ます。
『しかし、あの夢は何だったんだろう』独り言が朝の空気にふっと、ため息と一緒に零れ落ちる。
まるでもう一人自分と同じ人がいてその人に呼ばれているような不思議な夢だった。
1.~いつもの朝♂~
『ユウキ!朝ご飯できたぞー!』
朝から元気な父親の声が家中に響き渡る。『はいよー』っと言って階段を駆け下りてリビングに用意されている朝食の置かれたテーブルの椅子に腰掛ける。
『何だ?今朝はやけにすっきりした寝起きじゃないか?なにか良いことでもあったのか?あれだろ、スケベな夢でも見たんだろう?』
『ぶぇっへ!朝から変な事言うな、それは親父の事だろ?』飲みかけていたミルクを少し吹き出しちまったじゃんか!
ったく何考えてるんだかこのオヤジは!
俺は【ユウキ】親父と今は二人で暮らしている、母親は小さいときに事故で死んでしまったらしい、というのも幼い頃だったのでほとんど記憶が無い。
寂しいと思った事が無いといえば嘘になるがそれでも、このやかましい親父のせいで寂しいと感じた事はそれほど無かった
『そろそろ、ラル君が迎えに来るんじゃあないか?早く飯食べちまえよ!友達を待たせるんじゃねーぞ?分かったか?しかし、女の子がたまにはお迎えが来てくれてもいいんじゃないのか?』
『ペラペラと朝からうるさいな!分かってるよ、ラルが来るまでには済ませるよ』まったく一度に色んな事言いすぎだっつーの。
コンコンコンっと玄関の扉が鳴った、ラルが来たので準備を済ませていた俺は親父に行ってくると挨拶をして学校へ向かった。
俺は学校に通う学生。十八歳になる年の七月まで学生で色々なことを学ぶ、この世界の歴史や言葉、文字、計算や動物の特性、スポーツ等々。
そして、学校があるこの街の名前は【コート】大きな大陸の小さな街で、山間部に囲まれた盆地である、冬は寒く夏は暑い四季折々の楽しみ方ができる素敵な街だ。
学校は街に三つある。六歳から十歳までの学校と十歳から十四歳までの学校と十四歳から十八歳までの学校の三つだ一つ一つの学校には四百人程度の規模になっている。同じ学年では一つしか学校が無いため小さい頃から友達はずっと同じメンバーだ。その中でも特別仲がいいのがラルだ、家も近いため学校から帰ってはよく遊ぶし、一緒に学校にも行ったりしている。
『おはよう』短くラルが言う
『おっはよ、今日も眠そうだな、ラル』
『そういうユウキはいつもより元気な朝を迎えられたみたいだね、良い夢でもみれたの?』こちらを見ずに空に向かって言っているような感じがするが、これがラルの会話のスタイル。
『ん?そんなに違うか?』そういえば親父にも言われたな。『まぁ確かに何だか気になる夢を見たんだがな』
『あ、本当に?テキトーに言ったんだけど、当たるものだ』
『おい、テキトーかよ』
『うん、適度にね。そういえば今日の放課後に山に行こう』
『おお、良いね?何するんだ?』
『山菜を採りに行こうと思って』
『あぁ、オッケーだ。どっちのほうが多く採れるか勝負しようぜ!』
そんな話をしながら石畳の道を歩いて一時間すると学校に着く。テキトーに授業を受けて終わるのはだいたい十四時それから約束していたとおりに山へラルと向かった。
『相変わらずユウキは授業中寝てるねー。そんなんだと試験で苦労するよ?また補修になっちゃうよ?』
『それは困る!でもなぁ、先生が何を言ってるのか分からないから授業はツマンナイんだよ。それにラルだってこの間のテスト赤点ギリギリだったじゃんか!』
『うん、途中から解答欄が一つずれちゃったんだよ。危ないね』
『お前は本当にたまに抜けたところがあるよなぁ』
『うーん、まぁ適度にね』
『はい、まぁそういうことにしておいて、そろそろ勝負しようか?』
『そうだね、日が暮れる前にふもとの入り口に集合するって事で』
『おう、んじゃスタート!』といって別々に思い当たる場所へと分かれて探しに行く。
ザックザックと山の中を探索する、今は夏が終わり、夕暮れには少し肌寒い気温になる。夜になればそれだけ寒さが増していく。秋になると、しいたけやまつたけ等が採れる。
紙袋の中にいくつかの山菜を入れて、もう少し頑張ってみようと思っていると、少し開けた所に出た。
あれ、こんなところあったかな?もう小さい頃からこの山では遊んだり山菜を採ったりしているが、初めて見つけた場所だ。
何やら不思議な空間が広がっている。その空間の真ん中に座り心地のよさそうな切り株があった。なんか陽が当たっていて気持ちよさそうだったので座ってみる事にした。ボーっとしていると眠くなってしまってどうしても起きていられなくて眠ってしまった。
2.~いつもの朝♀~
『イツキー、朝ごはんできたわよー』
ドアを開けて優しい声で起こしてくれる。『おはようございます。』
『あら、もう起きてたのね?珍しい、いつもはもう少しーとか言ってるのに』
『うん、ちょうどさっき起きたところー、ふぁ~ぁ』盛大にあくびをする。
『そんな大きな口空けてると、虫が入っちゃうわよ?準備ができたら降りて来なさいね?』
寝ぼけながら準備を済ませて、ご飯を食べるために下りるとリビングにおいしそうなパンとハムエッグが用意されている。
毎朝やっているようにパン、レタス、ハムエッグ、ケチャップ、レタス、パンの順番で重ねてサンドイッチの要領でかぶりつく。これが朝の定番となっている食べ方で、さくっと食べ終わるしおいしいしボリュームもあるので、元気に登校できるというものだ。
『ハルちゃんが迎えに来る前にしっかり準備しなくちゃだめだからね?待たせちゃダメよ?』
『うん。頑張るー』昨日から読んでいた本に目を通していたので、空返事になる。本の題名は境界ドロップ
私は【イツキ】お母さんとは今は二人暮らし、お父さんは小さい頃に旅に出たきり戻らないらしい、詳しい事は教えてくれません。私と同じで頭が良かったってお母さんは言ってくれます。
コンコンコン、ドアがなる。イツキが気づかないので、またしてもコンコンコン、まだ気づかないので、さらに間を空けてコンコンコンコン。
『こら!イツキ!出なさい!』
『??ん?なに?』本を読んでいたので全く気づかなかったが、どうやらハルが来たらしい。
玄関のドアを開けるとそこには笑顔の天使が・・・いや、ハルちゃんがいた。
『ごめん、おはよう、ちょっとお待ちをー』
『いいよ、まだ時間に余裕あるしあわてなくて・・・。』
『ダッシュで用意するね』
ドアの向こうからはイツキがお母さんに怒られている声が聞こえる
『イツキ!ちゃんと準備してなさいって言ったわよね?待たせるんじゃないって言ったわよね?』
『ごめんなさいー、行ってきますぅー』泣きそうになりながら家を出る。
学校へ行く道中。
『ごめんねー待たせちゃって』
『良いよ、少し早く着いちゃったし』
『ううぅ間違っても本を読んでてなんて言えないよぉー』
『イツキ、口に出てるわよ?それにだいたいそんな理由なんじゃないかと思ったわ』この子はホントにカワイイな
『今は何の本を読んでるの?』
『ふふん、昨日から読み始めたんだけど境界ドロップってやつなのさ。変な話でノンフィクションのはずなのにファンタジーみたいな話なんだよー』
『へぇ、さすがだね、本当に色々な本を読んでるよね?今度私も読んでみようかなー』
『んー、でも別に読まなくても良いかも知れない。大きな穴に落ちちゃうんだよー?どんだけ間が抜けてるんだー!って感じだよ』
『それをイツキが言うかなー?ははは』
そんなこんなしていると一時間ほどで学校に着いた。
一時間目の歴史の勉強の準備をする。宿題も出てないので、のんびりノートと教科書を出す。
授業の始まる鐘が聞こえるも、先生がなかなか現れない。耳を澄ますと、廊下をダッシュしている音が響いてきて近づいてきて、ぴたっと止まった。
ガラッと扉が開く。
『おっはよー!』元気な挨拶と共に出てきたのは歴史の先生の【チーリ】先生。担任でもある。
先生ぎりぎりセーフだよ。廊下は走っちゃいけないんだよといった生徒の言葉にもめげずに言い返す。
『私がチャイムだもん、それに走ったところなんか観てないのに想像でものを言うのは良くないんだー!んじゃ、授業を始めていきますよー』
そんな無茶苦茶な・・・。そう皆が思っても口にする前に授業を始めてしまう、マイペース過ぎるよ。
『前回の授業のおさらいから始めるからノート出してー。』
『世界の歴史について、だ。この世界はレヴィルと呼ばれているんだったね。これは低学年生でも知っている事だけど、ちなみにこの街の名前はコートで特産品はきのこと蜂蜜でこの二つを混ぜ合わせたキノビー味噌がとてもおいしい、お酒のお供にもなる最高、そして最強である・・・』このあと延々とお酒のお供ランキングを紹介していった。とても為になった。・・・本当だよ?
放課後は図書館でいくつかの本を借りて少し読んでから家に帰った。外はもうすでに薄暗くなっていて少し肌寒くなってきた。
家に帰るとおいしそうな晩御飯の準備がされていた。
『おかえりなさい、帰ってきたばかりで悪いんだけど、少し裏の山にある畑に行ってトマトをいくつかもらってきて欲しいなぁって思うんだけど?』
『うー、いいよー』
『ちょっと暗くなってきたから気をつけなさいねー』
『はーい、行ってくるっす』
辛い、山に登るなんて疲れるー、やっぱり無理だって行っておけば良かったよー自分の体力を過信していた。でも、もう少しだし頑張ろう。
『・・・あれ?これってどっちだっけ?』道に迷わせれば右に出るものはいないとハルによく言われるほどだが、小さい頃はしょっちゅう来ていたこんな裏山で迷うわけが無いと信じて、自分を信じて右に曲がっていった。
すると一度も着たことが無いような場所に出た。そこはぽっかりと開けた場所になっていて、不思議な空間となっていた。その真ん中には切り株があって腰掛けて休みたくなる。『よし、休もう。きっとこっちじゃなかったんだ。』独り言をこぼして座ってみる、座ってみると、突然眠気が襲ってきて眠りについてしまった・・・。
難しいです。説明ばっかりになってしまって読んで退屈にさせて今ってるのでは無いかと心配になります。頑張って書いていきます。




