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挑戦日記。  作者: min
5/6

‘ 優しいソラ。 ’

中の話は高校生の女の子が主人公で、

その女の子は空が大好きな子。という設定だった。


主人公 ‘美和みわ’ は、夜の暗い中の海の近くで空を見る。

そんなシーンから始まっていた。


そこに、同級生の男の子、(いきなりだけど・・・)‘奏空そら

がやって来る。

首にタオルを巻いている彼は陸上部で

いつも夜はランニングをしているらしい。

「いつも、ここにいるよな。」

そう言って後ろから近づいていく。

「・・・なんで知ってんの。」

「それは・・・いつも、ランニングしてるって言ったじゃん。」

二人きり。波の音が静かになっている。

「・・・なんで来たの。」

「もう冬の8時真っ暗だ。で、美和はさっきまで一人だった。」

「大きなお世話。これでも私は喧嘩強いんだから。」

彼女は剣道をしているらしい。

しっかりと手には、竹刀を持っていた。

「それでも、さすがに毎日見てると・・・・」

彼の顔が仄かに赤くなる。

「いや、なんでもない。」

「なに?」

「なんでもない。」

彼女の顔が膨らむ。可愛らしい。

「教えて。なんで。」

彼はこの子に弱いようだ。

「・・・心配すんだろ。こんなとこで・・・」

二人とも顔が赤くなる。

「いっいきなり・・・別に心配なんかされなくても

大丈夫なんだからっ!それに、奏空こそ一緒じゃん。いつもひとりで走ってんでしょ!

しかも、空の家からめちゃくちゃ離れてるハズの私のうちまで!」

「なっ!なんで知ってんだよ!」

「私はよく窓から空みてんの!奏空じゃないから

あの、空 だからね!」

「言われなくてもわかってるっ」

ふんっ!と逆方向を向く二人。

「・・・でも、ありがと。」

「えっ」

「帰る。」

帰ろうとした美和の手を奏空が強く掴む。

「待てっ」

「なに?!」

振り向く彼女の顔は真っ赤に染まり。

月明かりが彼女を照らす。

「何一人で帰ろうとしてんだ。心配だから来たのに、、

しかも、女の子ひとりで帰らせられるかっ。」

ちょっと顔を彼女から反らせながら、言う。

「・・・俺が家まで送る。」

「・・・いい。」

「送るって言ってんだろ!素直にうなずけ!」

美和が、少し吹き出す。

「必死だね。」

「・・・・・・なんで笑うんだよ・・・」

「面白いから。」

少し頭をかきむしる奏空。

「ここに来たとき決心したんだ。」

美和の手を離して真剣な顔で正面を向く。

「俺は・・・俺は、お前が気になって仕方がないんだ。

夜、いつも走っていると空に手を伸ばす美和がいる。

いつもだ。いつもひとりなんだ美和が。

心配じゃないか。当たり前だろ。さっきも言ったけど、気になってるんだから。

いつも、いつも、美和のことしか考えられなくて、

今日は、ここにいるかどうかなんてことを考えながら走ってるんだ。」

そして最後の一言。風に吹かれて、流れる髪。

早まる鼓動。

「美和が・・・・好きだっ。」


美和の顔には、涙が浮かんでいた。

「なんで、こんないい場所で。星がいっぱいで。

私の大好きな場所で。」

涙を拭く。

「わっ私だって。いつも見てたんだから。

どうしても、奏空に目がいってしまう。

今日も走ってるんだろうな。なんて考えて。

この近くを通っていたのも知ってる。私には気づいていないと思ってた。」

話が一旦途切れたのを見逃さず奏空が話す。

「俺は初めから、気づいてた。

・・・・・・・・返事。聞かせてもらってもいいか。」

「ここまで言わせておいて・・・・」

「だって、はっきり言ってもらわないと。」

また美和の顔が膨れる。

でも、その次に少し微笑んだ。

「・・・・・・私も、好き。・・・大好き。」

その言葉を聞いた途端に、奏空が美和を抱きしめた。

「なっ」

「じっとしてて。」

強く。強く抱きしめる。

「大事にするから。ほんとに。大事にする。美和。」

「うん。私も大事にする。奏空のこと。」

ぎゅっと、美和も抱きしめる。

「明日は、一緒にここに来たい。」

「おう。俺が迎えに行く。」

「うん。いつもわざわざ私の家の前まで来てから少し先まで行って、

引きかえしてたもんね。」

「そっ、そんなとこまで。」

「うん、知ってたよ。」

「明日。絶対に行く。外見てろよ。」

「うん。」


空には星が光り、月が照らす中、二人は手をつなぎ海をあとにした。



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