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挑戦日記。  作者: min
3/6

3.  約束。

 図書館からの帰り道。私は仁崎さんのことを考えていた。

図書館の子供用の広場で、子供達に囲まれて楽しそうに読み聞かせをしている仁崎さん。

私を呼び止めお話をしてくれた。明日も来て欲しいと。

「明日。明日。図書館に・・・」

仁崎さんがいる。


そう思うだけで、明日が楽しみになった。



“you got mail”

ケータイが、なっている。

ポケットから取り出して確かめる。

「あれっ、宮野?」

桜美宮野はわたしの友人。あのバレーに誘ってくれた私の親友とも言える人。

高校時代からの友達。

「どうしたのかな・・・」

メールを見る。

*****************************************

 遅いっ!なにやってんの?          

 待ち合わせ時間、とっくに過ぎてるんだけど!

 あと10分で来ないと、帰るよ!


            宮野

*****************************************


「あちゃ~。」

忘れてた。完全に忘れてた。

「あと10分。」

今日は一緒に買い物に行く予定だった。

二人とも休みなのは珍しく、最近のストレス発散も兼ねて出かけるつもりっだった。

ケータイの時計を見る。

「9:30」

待ち合わせ時刻は9:00。

「やばっ」

私はそのまま、待ち合わせのカフェへ向かった。

「ギリギリ間に合うかな・・・」

私は急いだ。なれない踵のある靴を履いているせいで

あまり走れない。

「もっと早くにメールちょうだいよ~!」

図書館からなら歩いて5分だった。

今はもう、カフェから逆方向の私の家に帰る途中で

5分は歩いていた。

「あぁもうっ!」

私は人と人のあいだをするすると抜けた。

でも、信号機だけは私を通らせてくれなかった。

カフェはもう目の前。でも、ここの信号機は長い。

足をバタバタさせる。

周りの人が、私を変な人でも見るかのような目で見てきた。

「・・・・・・。」

恥ずかしかった。子供までもが、私を見ていた。

信号機が変わった。

私はまた、急いで横断歩道を通る。

「いたっ。」

私は、いそいでカフェに入り宮野のもとへ行った。


「・・・ごめんなさい。」

「ほら。」

宮野のケータイを見せられる。シンプルで、綺麗で、

画面も埃がついていなく大切に使っているのがわかった。

「何?」

「時計見てみな。」

時計をじっと見る。9:39・・・

9:40。

39から、40に変わる瞬間を私は見た。

「やった~間に合った!10分!」

はぁ~と、ため息をつき私を見る宮野。

「もう、美代は忘れん坊だね~。今回も忘れてたでしょ。」

「毎回すみません。宮野さん。」

「まぁ、いいけど。」

毎回だしね~なれたよ。と、言われてしまった。

「座って、なにか頼む?」

「うん。」

メニュー表を開く。

開くけれどいつも私の飲むものは決まっている。

「じゃあ、カフェオレ。」

「いつもだねぇ~」

「だって美味しいもん!あの甘さ。少し苦い感じ。まろやかさ。たまらない!」

宮野も飲んだらいいのに・・・というと、宮野は

「私は、コーヒーがいいの。」

といった。

そう言い合っていたうちに頼んだ飲み物が来た。

コップの、取っ手に指をかけ一口。

「ふぅ~」

やっぱりコーヒーだなぁ~

宮野はつぶやいた。

「そうだ、いまなにかやってることあるの?」

たいてい、この流れは私の挑戦を聞いている。

「ないかな~」

私がそう言うと宮野は『それならっ』と私にコーヒーを近づけた。

「コーヒー。挑戦してみない?」

私は過去にコーヒーをのんだことがある。

その時飲んだコーヒーは私には味のないものに思えた。

「・・・おいしい?」

「もちろん。」

私が美味しいって言うんだから。

でも。というと、宮野はコーヒーを机に置いた。

「挑戦心はどこいった?」

「うっ」

私は、その言葉に弱い。自分が誰よりも挑戦心が強いと思っているだけに。

「・・・飲んでみる。」

私は、コップを口に近づけ一口のんだ。

「・・・にがっ。」

まず一言目。

宮野はえぇ~といった。

「後味は?」

「苦い。」

「甘党なんだね。でも、何口か飲んでみて。」

宮野が言うままに、何口か飲んでみる。でも苦い。

そして・・・・少しずつあじが一定過ぎて、飽きてきた。

「わたし、あんまり量いらないかも・・・」

「そっち~?」

はぁ~むりかぁ・・・と完全に諦めた。

「ほんとに美代って・・・飽きないで今も続けていることとか、食べてるものとかないの?」

よく考えてみなよ。

「そういわれても・・・ないものはない。」

「はぁ~そうなの・・・」

今日のこの数分で宮野はどれだけため息をついていたのだろうか。

それから少し話をしたあとに、店から出た。



「ねぇ。美代は、好きな人いないの?」

歩きながら宮野は私に聞いてきた。

「いないよ~別に。」

「じゃぁ~気になる人は?」

「いないなぁ~」

つまんない・・・

宮野は、そのまま話を続けた。

「昔から思ってたんだけど・・・美代って、鈍いよね。」

「そうかなぁ~」

「うん。めっちゃ鈍い。」

そんなにはっきり言わなくてもいいじゃん・・・

「そんな美代に、これを貸してあげよう。」

いきなりカバンから取り出したのは、恋愛漫画だった。

「なんで、恋愛もの?」

「鈍いから。」

えぇ~。そこまで・・・・

とにかく私はその漫画を受け取った。

「また見てみる。」

「今日家に帰ったら見てね。」

「えぇ・・・家に帰ってから・・・」

「うん、明日には返してね。」

「明日は、仕事。午後から別の約束で図書館。無理。」

そして、仁崎さんに会う。読み聞かせを聞く。

「図書館?珍しい・・・」

私は、ほとんど図書館にいかないのを宮野は知っている。

その分、図書館でというのは気になったらしい。

「なんで図書館なの?」

「そこで働いている人だから。」

へぇ~そんな友達いたっけ?

そんなつぶやきを聞いた。私の友人関係を把握してるのか?!

「なんでそんなつぶやきになんのっ!」

「だって。・・・」

高校からの友達とかで図書館で働いている人なんていないし・・・

美代の仕事は、そうゆう関係じゃ全くないし・・・

ということらしい。

「私も行っていい?本見たいし。それに・・・」

宮野は、その私の友人に会ってみたいという。

「男?女?」

「男の人。」


沈黙。


「えっ~ほんとは気になる人もいないんじゃないの?」

「いないよ~」

両肩を持たれてゆっさゆっさと、ゆられる。

「落ち着いてよ・・・」

私はその人との出会いというのか、約束をした時までの経緯を話した。

「美代って・・・・・・・」

宮野は、頭を2・3回左右に振ってから

「明日っ!私もホントに行くからっ!」

「う・・・うん」

私たちはいつの間にか目的地の、ショッピングモールについていた。





















1・2話、見ていただいた方。ありがとうございます。

3話です。

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