納信仰
登場している神様の一部は、私の過去作に登場しています(というか大半が主人公)。
コボルト達の集落へと向かう道すがら、マヤさんのことを教えてもらった。
あまりにも神像に似すぎているし、無関係とは思えなかったらね。
思い切って聞いてみたのだが、返ってきたのは意外な事実だった。
「え、アイ様の子孫なんですか?」
「そうみたいだね。
私はよく分からないけど……」
●アイ:正確にはその可能性の1つだよ
いくつもあるパラレルワールドの中に、マヤみたいな存在が誕生したってだけで、私の直接の子孫って訳じゃないね
というか、私の妹に似たような子もいたから、そっちの要素が強いかなぁ
ともかく縁があったから、私の眷属として働いてもらっているよ
●ナウーリャ:どちらかというと、私の子孫である可能性もありそうですがね……
ん?この2人はどういう関係なの?
姉妹とかそんな感じ?
というか、神様って元人間ってこと?
●アイ:いずれにしても、マヤはかつての私に近い実力を持った稀有な子だから、頼りにしていいよ
「ありがとうございます」
……って、マヤさん本人の意思を無視してないか?
まあ、本人は気にしている様子は無い──いや、笑顔が固まっているから、これは分からないな……。
我慢してます?
でも実際マヤさんのおかげで、もうオーク達を警戒して慎重に進む必要も無くなったので、帰り道は短時間で済んだ。
本当に頼りになるし、コボルト達にも紹介しよう。
「みんな、ただいまー。
オーク達を倒してきたぞー!!
それと、神様……みたいな人を連れてきた!」
「わうん(神様)!」
「わおーん(神様だー)!!」
「きゃわーん(ありがとう神様ー)!!」
「ちょっ、違っ!?
俺じゃないっ!!
やっ、やめっ!」
コボルト達はマヤさんを無視して、俺に群がってきやがった!?
こらっ、舐めるな!
くすぐったい!!
●:全身をペロペロされるナオちゃんエッッッッッッッッ!!
●:◦REC
●:カワイイ!
ポイト投げたい!!
投げさせてよぉ!!
●:お願いよーっ!!
●水杜:では、私が同時視聴という形で配信するので、そちらの方へどうぞ
●:おお……ありがとう
●:ああっ、女神様……!
●:あなたが神か!
●水杜:神様はあなた様方では……?
他人事だと思って、なにしているんだよ、この神様達……。
それはさておき、こうも大量のコボルト達にまとわりつかれては、一匹ずつ引きはがすのも難しい。
かといって、強引に跳ねのけたらケガをさせてしまう。
結局俺はなすがままになって、コボルト達が満足するまで舐められ続けた。
「うう……全身がよだれでベタベタになってしまった……」
「災難だったね……。
『浄化』で綺麗にしようか?」
「あ、自前のがあるので……」
マヤさんが気を使ってくれたが、「浄化」は自分でできるので遠慮した。
それにしても──
「なんで神像にそっくりなマヤさんの方に、コボルト達は反応しなかったのでしょう……?」
それが不思議だ。
●:強者のオーラを感じたとか?
●:近寄り難いのかもね
「……」
あ、なんだかマヤさんの耳がペタンとなって、ちょっとしょんぼりしている。
心当たりがあるのか。
●:まあ、実際にコボルト達を直接救ったのは、ナオちゃんだからね
その事実を差し置いて、神様面ってのは無いだろうし
だけど神様達の力添えが無ければ、俺は今こうして生きていなかったし、コボルト達を助けることもできなかったのに……。
●アイ:本当に気にしなくてもいいよ
私達神は基本的に、現世に直接関与することできない決まりだし、間接的にも極力干渉することは無いからね
こういう機会でもなければ、コボルト達を助けることも無かったよ
「え、ええぇ……」
それって俺がいなければ、コボルト達を見捨てていたってことか……。
なんか薄情だな。
でも、俺達兄妹には滅茶苦茶干渉されているけど、どういうことなんだ……?
……というか、基本的に助けてくれないのなら、神を信仰する意味ってあるのか?
●レナ:何やら不信感が芽生えたような顔をしていますね
でも、救いを求める者達の全ての声を聞いていたら、きりがないのも事実なので……
あと、何の為にいるんだこいつら……と、思ったかもしれませんが、人々の信仰心を力の源にして、我々は世界環境などを安定的に維持する為に働いているのです
●:つまり我々が受け取る人々の信仰は、世界を維持する為の税みたいなものなんだ
決して、個人個人を助ける為に受け取っているものではないんだよ
「納税みたいなものということですか……?」
俺、特に信仰していないけど、世界のインフラにただ乗りしているようなものなのか……?
だから、こうして配信で働かされてる……?
●レナ:いえ、あなた達に日本人の多くは、自然物崇拝などの形で、無意識に信仰していますよ
ただそれとは別に、あなたには特別な役割があるので、我々は関与できるのです
詳しくは妹さんから聞いてください
●水杜:後で説明するよ……
またナチュラルに心を読まれた……。
でもまあ、今の俺と水杜があるのは神様達のおかけだから、拒否するつもりも無いけどさ……。
むしろ、俺が協力することでコボルト達が助けてもらえるのなら、悪い話ではないかな。
そんな訳で、マヤさんに安全な所まで、みんなを案内さてもらうことになったのだが……。
「え、異世界にですか?」
「まあ、私にとっては生まれた世界で、君達の世界の方が異世界だけどね」
やはりダンジョンの出口は、異世界の方が近いらしい。
料理で余ったチンゲン菜の芯を植えて再生させた株が、花を咲かせました。できれば種も採取したいですね。
あと、ゴシキトウガラシの栽培キットを購入したのだけど、種が5粒中4粒発芽して、なかなか悪くない発芽率でした。種が古いと発芽率が落ちるので、比較的新しい商品だったようです。




