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神像の姿

 かつてのコボルト村への潜入……というよりは、その手前での待ち伏せを始めてから、数日が経過した。

 正確には何日経過したのかもう分からないけど、同じことを繰り返していると、時間の感覚も無くなってくる。


 この間、単独で行動している者だけを狙って倒してきたが、その数ははオーク11匹、狼が7匹。

 これだけの被害が出ると、さすがに相手も異常を察知して慎重になるのか、村の中心部から出てこなくなった。


 勿論、食料などが尽きれば、それを求めてオーク達は動き出すだろう。

 だけど、それが何日先になるのかは分からない。


 う~ん、さすがにそんな長期間、水杜(みもり)を待たせたくないな……。

 リスクはあるが、手法を変えてみよう。


 まず、通路に水属性魔法で水を撒く。

 それが終わったら、通路の真ん中にお好み焼きを設置。

 火属性魔法でお好み焼きを軽く(あぶ)って、香りを立たせる。

 そして風属性魔法で風を起こし、お好み焼きの匂いを通路の奥へと送り、俺は気配を消して隠れることで準備完了。


 あとは暫く待つ。

 すると──、


「来た!」


 お好み役の匂いにつられて、オークや狼達が集まってきた。

 俺の所為でコボルトという獲物が狩れなくなった彼らも、深刻な食糧難に悩まされているようだ。

 狼は勿論だが、豚と似ているオークも嗅覚が鋭いようだから、餌があると分かれば寄ってくるわな。


 で、一定数が集まったら、雷魔法の電流を床に流して一網打尽だ。

 ここ数日で威力を上げる練習をしていたので、以前のように何回も攻撃を繰り返さなくても、2回の攻撃で仕留めることができた。

 まあ、まだ単発の雷魔法で全部が片付くほどではないけど、魔法の実力も少しずつ伸びてきている。


 ただこの方法も、通用するのは精々1~2回程度だろう。

 実際その後、オーク達はまた出てこなくなった。


 仕方が無いから、そろそろ村の中心部へ潜入するか……。

 そんな訳で、慎重に奥へと進む。


「ん……?」


 薄暗い通路の上に、動物の皮……と、服らしき物が敷いてある。

 もしかしなくてもこれは、コボルトのものか……。


 おそらくこれは、落とし穴か何かの罠を隠す為のものだな。

 それは「罠感知」のスキルを使うまでもなく、一目で分かるほど粗末なものだが……いや、薄暗いダンジョンの中ではも視力に頼らずに活動している生物も多いから、あれでも十分に効果があるのか。


 まあ……俺は猫型獣人になって以来、夜目(よめ)が利くので問題は無く見えるが……。

 でも、猫って動体視力はともかく、通常の視力は低いらしいのよね。

 だけど獣人だからなのか、視力自体は人並みにあるようだ。


 いずれにしてもオークには、罠を設置するくらいの知恵はあるようだ。

 コボルト達の血の臭いなどが残っているのでバレバレではあるのだが、子供だまし程度のことはできるらしい。


 実際に以前俺は、オークと会話を試みたこともあった。

 その結果、スキル「相互自動翻訳」のおかげで、言葉も多少は通じた。

 その事実から分かるのは、オークも独自の言語を持っ程度には賢いということだ。

 そして話し合いで解決できるのなら、その方がいい。


 しかし現実は、俺の呼びかけを無視してオークは襲い掛かってきた。


 ホント、問答無用なんだもん。

 しかも俺のことを「雌」だ「繁殖」だと、性的な対象として見ているようだった。

 見た目はともかく、俺は男なんだが……。


 そんな訳で、俺は対話することを諦めた。

 あんな凶悪な連中は、可能ならば滅ぼしてしまった方がいいだろう。

 そうしなければ、コボルト達の方が滅ぼされてしまう。

 俺の貞操も危ういし……。


 ともかく罠を回避して奥へと進む。

 オーク達の気配は、今のところ近くには感じられない。

 さすがに数はかなり減ったかな……?


 そして俺は、広い場所に出た。

 見通しがいいので、慎重に気配を消して進まないと、オーク達に見つかってしまう危険性が高い。

 

 それでも、この広間に例の神像があるはずだし、実際にそれらしき物も見えている。

 ゆっくりと音を立てずに近づいてみると、像の全貌がはっきりとしてきた。


 ふむ……像は女性か。

 コボルトの先祖が作ったということだが、性別が判別できる程度には精巧なものだった。

 意外と器用なんだな、コボルトって……。


 で、初めて人間の女性……に見える俺を見たコボルト達が、神像と同じ存在だと誤認するのも分からないではない……が、この像の獣耳はどう見ても狐か何かだよな……?

 しかも尻尾の数は、狐っぽいのが9本もあるじゃねーか!!


 部分的には共通点はあるけど、全体的に見れば全然別物だぞ、これ……。

 つまり俺にはまったく似ていない。

 なのに俺をこの神像と誤認するとか、大雑把すぎるだろ、コボルト達……。


 まあ、それはいい。

 重要なのは、この神像で神様の誰かと連絡が取れるかどうか……だ。

 祈りを捧げてみて、何か変化があるか……な?

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 本屋で化石発掘キットを買って、貝の化石を手に入れましたが、博物館で買った方がはるかに安いですねぇ……。近場に博物館があればいいのだけど……。

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