表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

23/26

サバイバル開始

「え~と、まずは……」


 俺は近くにある壁のくぼみに身を隠し、「気配遮断」で気配を消す。

 今やるべきことは、安全の確保だからな……。

 魔物に見つかったら、これからの探索に対する準備すらままならない。


 それから何故か増えていたポイントで、必要なスキルなどの獲得をすることにしよう。

 しかし「転移」の魔法が欲しいと思ったけど、増えたポイントでもまだ足りない……。

 これがあれば一発で家に帰ることができる可能性もありそうだが、そういうタイプのスキルは取得の為のポイントが高すぎて無理そうだ。


 となると、地道にダンジョンを探索して帰り道を見つけなければならないから、「オートマッピング」は必要かな。

 これがあれば出鱈目に歩き回っても、少なくとも同じ道を堂々巡りすることはなくなるだろう。

 ……それと、また変な罠に引っかかっても困るので「罠看破」と、風呂が無いから身体(からだ)などの汚れを消す「浄化」、そして探索中はじっくりと眠る余裕があるとは思えないので「超ショートスリーパー」。


 あとは……魔物と遭遇した時に備えて、戦闘力を上げておいた方がいいな……。

 え~と、「身体能力強化」、「状態異常無効」、「魔法抵抗力強化」、「回復魔法」、「催眠魔法」。

 ……今はこれでいいか。

 他は必要に応じて……だな。


 さて、スキルはこれでいいとして、さすがに私服だけではまずいので、装備も交換しよう。

 今のポイントで交換可能なナイフと、胸鎧と、籠手──あとは身軽で丈夫な服。

 これでいいかな?

 本当は兜も欲しい所だけど、猫耳が邪魔で、無理そうだ。

 ……って、尻尾が邪魔にならない服って、やっぱりスカートしか無いのかよ……。


 そもそもダンジョンの中で着替えるのは、なんか恥ずかしいんだよなぁ……。

 普段はリスナーに見られている所為で、今も何処かから見られているんじゃないかと思ってしまう。


 ……それじゃあ準備も整ったので、探索を開始しよう。

 ここが何処なのか分からないけど、転移前にいた場所の近くではないと思う。

 一応リスナー達の声を聴く為に、「念受信」のスキルは持っているけど、それに反応が無いってことは、かなり遠いのか、そういうのが届かない特殊な場所だということなのだろう。


 だから帰る為には、長期戦は覚悟する必要がある。

 幸いにも「アイテムボックス」には、回転寿司やお好み焼きなどの残りがまだ大量に残っているから、食料には困らない。

 水も魔法で出せるし、飢えや渇きで命を落とすことはまず無いだろう。


 問題は、この周辺にいる魔物の強さだ。

 遭遇したら、即死を覚悟しなければならないような相手ばかりだと困るぞ……。

 逃げるにしても、「気配遮断」が通用しなければ終わりだ。


 それからしばらく歩き回ると、何者かの気配を感知したので、自分の気配を消してゆっくりと近づいた。

 そこにいたのは、豚に似た獣人だ。

 噂に聞くオークってやつかな?


 身長が2mほどあって、ゴブリンとは桁違いの迫力がある。

 明らかにゴブリンよりは強いと思うんだけど、俺が倒せるような強さなのだろうか……?


 う~ん、周囲にはオークの仲間はいないようだし、実力を確かめる為に挑戦してみるか。

 とはいえ、戦闘が長引いて仲間を呼ばれたら、確実に勝ち目が無くなる。

 だからなるべく音を立てずに、一瞬で戦闘を終わらせなければならない。


 まず、声を出させないようにする為に、水属性魔法で水球を作って、それでオークの鼻と口を塞ぐ。


「!?」


 オークは混乱して暴れまわっているが、今のところ大きな音は立てていない。

 だけど窒息死する前に大きな音を立てて、それに仲間が気付いてしまう可能性がある。

 ならば今のうちに、オークの首を狙って──、


「よし!」


 ナイフを突き立てた。

 (やいば)は深々とオークの首に潜り込み、重要な血管を切断したのか、大量の血液が溢れ出す。


 ふう……オークの脂肪が厚いので心配したけど、そこそこ高いポイントを払って手に入れたナイフの切れ味が予想よりも良かった。

 あとはオークが失血死するのを待つだけだ。


 で、オークが沈黙したら、その死体を「アイテムボックス」に仕舞い込んで、更に血を「浄化」で消してしまえば、完全犯罪……とは言わないが、仲間に感づかれて騒がれるリスクはかなり減るはずだ。


 ふむ……とりあえずオークなら、一対一で戦えばなんとかなるな。

 この調子で各個撃破していけば、安全地帯を作ることも可能なのかも……。

 実際、探索の拠点となる場所は欲しい……。


 そんな場所を求めて俺は、この何処とも知れぬダンジョンの闇の中を彷徨(さまよ)うのだった。

 水耕栽培のヒヤシンスが開花しました。芳香剤のような香りがします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ