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寝起きドッキリ

「ただいま~」


 無事に……というかなんというか、どうにか探索者の免許を取得して帰宅すると、お兄ちゃんからの反応は無かった。

 どうやらまだ眠っているようだ。

 猫型獣人になってから睡眠時間が増えたようだし、隙あらばお昼寝もしている。

 まあ、人間だった頃よりも心の余裕がありそうだから、それでいいんだけどね。


「それにしても……」


 眠っているお兄ちゃんの、可愛さが凄すぎるよ……。

 これは私だけで楽しむのは、ちょっと勿体ないな……。


「緊急配信!

 お兄ちゃんの寝顔を配信するよ」


 ●:ナオ君の寝顔と聞いて


 ●:集まってくるの早すぎぃwww


 ●:人のことは言えないw


「見てください。

 布団の上で丸まって寝ているお兄ちゃんは、本当の猫みたいで可愛いですよ」


 ●:ぎゃわいい! 20000P


 ●レナ:うわぁ うわぁ 10000P


 ●:50000P


 ●:30000P


 ●:無言で投げるのやめぃw


 ●:まあ、あまりの可愛さにやられて、声がでなくなるのも分かるがw


 ●ナウーリャ:女の子ならモフるんですけどねぇ……


 ●アイ:分かる


 やっぱり予想通り、大好評だ。


 ●:これでお兄ちゃんにチ〇ールを買ってあげて 10000P


 ●:絶対に反応が見たいw


 ●:ああ、絶対に! 絶対にだ!!


 ●:マタタビもな 30000P


 なるほど!

 今度、猫用グッズを色々買ってこないと。

 あの亜人種用のお店なら、獣人向けのもあるはず……。


 ●エルシー:それにしても、こういうのって、寝起きドッキリを思い出しますね


 ●:ああ、そうだね


 ●:バズーカ砲、撃ち込んじゃう?


 ●:やめたれwww


 ●:音に敏感な猫耳にそんなことしたら、鼓膜が無いなってしまう


 ●:かわいそうなのは抜けない


 ●:そんな可哀想じゃなければ、抜くかのような……


 ●:妹ちゃんの前で下品な話はやめなされ!


「寝起きドッキリ……?」


 下ネタな話題は、あえてスルー。

 まあ私も入院中の暇潰しにネットを閲覧していたから、そういうノリには理解がある方だと思う。

 だけど、そういうネタが増えても困るから、反応はしないよ。


 ●ナウーリャ:その昔、テレビで芸能人の寝室に忍び込んで起こすという、ドッキリ企画があったのですよ

 え? 最近もある?

 今のテレビ番組は、ちょっと分からないので……


 ●:マネージャーがカギを渡すんだよな


 ●:おそらく、裏で本人に了承を得ているんだろうけどね

 ガチならコンプラ的にアウトだし 特に女性アイドル


 ●マルル:大きな音で脅かしたり、ベッドに別人を配置して逆に仕掛け人を驚かせたりとかしていたよね


 ●:でもそんなことをしたら、この可愛い寝姿が見られなくなるから、このままでいいよ


 ●:賛成!


 ●:異議なし


 そんな訳で、暫しお兄ちゃんの寝顔の鑑賞会を行った。

 しかしこの楽しい時間も長くは続かない。

 みんなでワイワイと語らっていれば、それがお兄ちゃんにも伝わってしまう。


「ん……む……?」


「みなさん、これ以上はコメント禁止です!

 お兄ちゃんにバレたら、今後寝顔の配信は禁止されるかもしれないので!」


 私がささやくように告げると、


 ●:(。・ω・。)ゞ


 ●:( ´∀`)b


 どうやって入力されているのか分からない顔文字が、連続で並んだ。

 これ、音声入力とかじゃないの……?

 それとも神様もキーボードとかを使っているのだろうか……?


「ふぁ……あ……?

 ああ……水杜(みもり)おかえりー」


 ●:!!


 ●:!?


 ●:(,,> ꇴ <,,)


 ●:( ゜д゜)!



 邪気の無いお兄ちゃんの笑顔で、神様達もやられている。

 本当に可愛いよ、お兄ちゃん!




 俺が眠っている間に、水杜が探索者の免許を取ってきた。

 ……改めて、今の俺よりも社会生活を送りやすい姿……というか、能力を持っていると感じる。

 このまま手がかからない妹になっていくのかと思うと、少し寂しい。


 いや、ここは妹の成長を喜ぶべきか。

 このまま俺の助けを必要としなくなっていくのは、喜ばしいことでもあるからな。


 ともかく今度から兄妹2人で、堂々とダンジョンに入ることができる。

 まあ、水杜は今まで通り撮影役がメインで、戦闘とかは殆どしない予定なんだけどね。

 ただ、人数が増えるので、魔石などを持ち帰る量が増えても、そんなに不自然にはならないというメリットもあるのだ。


 今までは、俺1人で獲得したにしては、ちょっと多すぎる戦利品の数だったからな……。

 その所為で買い取りカウンターでも、結構驚かれたものだ。

 2人なら、その悪目立ちも緩和されるだろう。


 そして翌日、水杜と2人でダンジョンに入ることになった。

 今回は今までよりも奥の方まで、ダンジョンを攻略してみようと思う。

 もう浅い所にいるスライムは敵じゃないし、もっと強い魔物を倒して効率よく稼げるようになりたい。


 しかし2人で入ったこのダンジョンから出る時には、たった1人だけになってしまうとは、この時の俺はまったく予想だにしていなかった。

 夏に挿し木したパキポディウム の根がまだ出ないどころか、腐りかけていたので、患部を切り取って最初っからやりなおしました。

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