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免許がいるんですよ

 年内に間に合いました。

 小猪(こじし)にトドメを刺したのは、妹の水杜(みもり)だった。


「え……水杜、攻撃魔法を使えたの?」


「まあ、お兄ちゃんが講習を受けていたのを見ていたし、元々『幻術』は使えたからね」


 おぅ……俺の妹、意外と戦闘力が高かった。

 むしろ俺の方が不甲斐ない。


 ●:うん、まあ頑張ったよ 1000P


 ●:もっと修業が必要だったね 経験値500P


 ●:妹ちゃんの功績を称えて 20000P


「ありがとう……って、経験値って何!?」


 ●レナ:成長に補正が付くやつですねぇ

 多く貰えれば、スキルの成長が早くなりますよ


 ●:そうだね 経験値1000P


 ●:がんばれ 経験値700P


 ●レナ:あまり無暗に投げないでください

 バランスが崩れるので


 そんなゲームバランスみたいな……。


 ●ナウーリャ:では、イノシシを解体しましょうか?


「いきなり現実に引き戻さないでもらえます?

 哺乳類の解体は、ちょっとグロくて抵抗があります……」


「でも、お兄ちゃん。

 魔石を取る為には、必要なことだよ。

 それにイノシシの皮や肉なども、売れるらしいし?」


 水杜はやらないから気軽に言うけどさぁ……。

 いや、妖精の身体(からだ)じゃなければやっている──とか言われたら、反論できないが……。

 水杜は病気の所為で、やりたいことを色々と我慢してきたから、その反動で好奇心旺盛なところがある。

 更に俺の負担を減らしたいと、常々思っていたようだし。


 そう思うと、強くは言えないなぁ。


「え~と、それでは魔石の摘出はやりましょう。

 でもそれ以上は、あまり意味が無いのでやりません」


 ●:意味が無い……とは?


「こんなダンジョンで、素人が狩って解体した肉は、衛生的にも問題があるので、食肉としては売れないんですよね。

 精々家畜の飼料用として売れる程度です。

 毛皮なら売れるかもしれませんが、今回は燃えてしまいましたし……」


 ●:ああ、なるほど


「なんか資格を持っているのなら、食肉として売ることができるそうですけど、ボクは持っていませんし……。

 自己責任で食べるところまでは、ボクでも可能なんでしょうけど、たぶんこれ、不味いですよね?」


 ●:不味い? 食べなくても分かるのか?


 ●:いや、分かるぞ

 火属性魔法で肉が半生になった上に、既に死んでいるから、血抜きとかの下処理ができないんだ


 ●:ああ、そういう……


 ●:今度から別の魔法で倒した方がいいね


「そうですね……」


 倒した後のことを考えている余裕なんて、まったく無かったわ……。

 なんにしても、これからの解体は襲撃を警戒して、慎重にやらないとな……。

 壁を背にしておけば、背後から襲われることは無いだろう。


 で、解体中はスライムが寄ってくることもあったが、それは水杜が片づけてしまった。


「お兄ちゃんは、解体をさっさと終わらせちゃいなよ」


「ああ……ありがとう」


 スライムとはいえ、割とあっさりと倒している水杜の姿を見て、「ひょっとして俺よりも強いのでは……?」という危機感を抱く。

 兄の威厳が……。


 ●レナ:その姿の時点で、無いですよ?


「心を読まないでもらえます!?」


 で、その後もスライムを狩り続け、攻略開始から5時間ほど経過したので、今日の攻略は終了することにした。


「あ、お帰りなさい。

 なかなか出てこないから、心配したよ。

 今度からは、帰還予定時間を提出するといいよ。

 万が一帰還が遅れている時は、捜索隊を出しやすいから。

 まあ、あまり深い所まで行っちゃうと、そこまで行ける探索者は少ないから難しいけれどね」


「分かりました」


 入り口の所にいた係員さんに挨拶して、俺はとある場所へと向かった。

 施設に併設されている、ダンジョン協会の買い取りカウンターである。


「ここではダンジョンで獲得した物を、買い取ってもらえます。

 まあ、他でも買い取ってもらえる店はあるし、ここよりも高値で取引できる場合もあるらしいけど、ここだと税金とか楽なので」


 そう、ここでの支払い額からは直接税金が引かれるので、他での収入が無いのならば、確定申告は必要無くなる。

 しかも買い取り額が一定額を超えると、その年と翌年の住民税や健康保険料、年金などが免除されるという特典付きだ。

 勿論、別の場所で取引をした場合も、確定申告による納税をすれば、特典も受けられるが。


 探索者は命懸けの仕事なので、それくらいのメリットが無ければやってられないし、国としてもこれくらいの優遇をしてもいいくらいの価値がある職業として、推進しているってことだ。


 まあ、経費や医療費などの関係で、確定申告した方が得な人は確定申告をした方がいいのかもしれないが、俺は特に経費はかかっていないし、ここでしか売るつもりは無いので、申告の必要は無いかなぁ。

 それよりも面倒な手続きが無くなることの方が、本当にありがたい。

 前年度までは、水杜の医療費絡みの申告で、結構大変な思いをしたからなぁ……。


 ●ナウーリャ:確定申告……領収書……税理士……うっ、頭が!


 神様も、納税に苦しんでいる……?

 ……って、そろそろ査定結果が出るな。


「はい、スライムの魔石が43個に、小猪の魔石が1個、小猪の肉と骨が1体分ですね。

 ソロでこんなに持ち込んできた人は初めてですよ」


 買い取り担当の係員に驚かれたが、一部は水杜によるものだということは内緒だ。

 まあ、水杜を抜きにしても、「HP・MP超回復」のお陰で延々と戦えたからこその結果だが。


「しかし税金を引かれると、2万円弱……。

 悪くは無いのかもしれないけど、もうちょっと効率よく稼ぎたいですねぇ」


 ●:ダンジョンの奥の強い魔物を狩れば、たぶん1匹で10万円とかになるで?


 ●:現状だと、ゴブリンでもやっとな感じだけどな


「はい、もっと強くならないと……ですね」


 そんなことを心に誓いつつ、俺は帰路に付くのだった。


 いや、途中でまた外食はしたけど。

 今回はお好み焼きだ!!

 急遽、予定に無かった夜勤が増えて、夜勤連続5日に……。そんな訳で正月はまったく休めず、執筆時間も無いので、次の更新は10日頃かも。

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